陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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レビュー : 2758
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396332686

作品紹介・あらすじ

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス。

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  • 「陽気なギャングが地球を回す」
    嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だったはずが・・・、思わぬ誤算が。せっかくの「売り上げ」を横取りされたのだ!


    ギャングシリーズ第1弾。本作は、初もの尽くしである。独立した本として、伊坂幸太郎初の続編を生み、デビューした新潮社以外から初めて刊行され、新書判でも初めて刊行され、映画化第1弾の役まで張ったわけで、初三昧。そして、世間を初めて惹きつけた、それも強烈に、のも本作だから、さらに初が加わる。まさに、ちょっとした怪作ではないだろうかw


    「オーデュボンの祈り」から続く異世界と現実世界の見事な融合は、相手の嘘を完璧に見抜く能力者や一寸の狂いも無い体内時計を宿す女性が活躍する本作でも健在です。彼らは、しゃべるカカシに匹敵する特殊な存在でありながらも、見事な自然さで作品に溶け込むわけで、それを可能にする小説の持つ図抜けた説得力とそれを宿らす伊坂幸太郎に天晴れ。


    伊坂幸太郎の才能を発露させる存在「強盗」を企てるは、上記の特殊能力を備える成瀬と雪子に加え、抜群の技量を持つスリ師・久遠、べらぼうに弁の立つ響野の4人。彼ら4人は抜群のチームワークと絶妙な掛け合いを見せながら、ものの見事に銀行強盗をやり遂げたのはいいものの、ものの見事な名前負けをしている元旦那や現金輸送車襲撃犯に成果を掠め取られる。


    さて、どうするか?どうなるでしょう?お楽しみあれ。ニヤニヤ、ワラワラ、ヒヤヒヤ辺りの感情は総動員されること間違いなし。ちなみに、お気に入りは、響野ですね。伊坂幸太郎といえば、とにかく「言葉(使い方、比喩、台詞etc)がスーパー!」と思っていますが、本作でもそれは遺憾なく発揮されています。成瀬の放つあの言葉や祥子の放つあの言葉(アレは最高w)も良いけど、やっぱり響野の言葉達が最高ではないでしょうかw


    ちなみに、「解説」は必読です。ギャングをめぐる2つの考察と2つのおしゃべりには、なにやら色々考えさせられ、驚かされ、「なるほど」と唸らされ、久々に充実した「解説」でした。しかし、伊坂幸太郎とはつくづく凄い小説家だ、ありゃ、ちょっとほめすぎでしょうかw


    [余談]
    本作の原型「悪党たちが目にしみる」が選考委員から徹底的に叩かれた(1996年第13回サントリーミステリー大賞最終候補)、「もう小説を書いちゃいけないんだ」という気持ちになるほどに。


    書き続けてくれてありがとうございます。

  • 伊坂幸太郎作品を読んだことがなく「陽気なギャングシリーズがおもしろい!」と勧められ読んでみました。

    「伊坂幸太郎」というと重たい話を書く人と勝手に思っていたのですが、思っていたよりも軽く会話が多くテンポもよくて読みやすかったです。

    それからクライマックスで回収されまくっていく伏線もおもしろかったポイントです!
    これが伊坂節か〜!!と思いました。

  • 伊坂さんやっぱり好き!面白かった。4人とも良いキャラクター。章ごとの単語についての解説も楽しかった。「会話」とか、はっとする。軽く読み終わるのに読みながらいちいち色んなことを考えさせられる感覚も好み。

  • それぞれに眩しいほどの才能を持つ「普通の4人」が、銀行強盗をはたらく場面からお話は始まる。
    全体を通したストーリーのテンポのよさ(これは伊坂作品全体の特徴)、会話の軽快さが際立つ。常に相手の裏をかいていく手際もお見事!
    悪人こそ魅力的、である小説の面白さを再確認できた。

  • 一見何も関係のなさそうなエピソード(例えば冒頭の偽警察官の話など)があとあと生きてくる。張られた伏線に絡め取られていく感じが好きな私にとってはどんぴしゃでした。

    推しメン←は成瀬さん。神崎の策の裏の裏をかいて雪子を救いに来たときは(実際に来たのは成瀬さんではなかったけれど)うおぉ! やっぱ格好いいよ成瀬さぁぁん! とテンションが暴走しました。

    「ロマンはどこだ」……この本の中に。

  • 個人的にずっと追いかけている作家、伊坂幸太郎さんの作品。
    初期ってどんな感じだったかな?と、何となく読みたくなって再読。
    これで3、4度目くらいかな…?

    やっぱり良いなぁー、この猫ならぬエンターテイメントまっしぐら感(*´∀`*)
    軽妙なセリフの掛け合い、洒落たフレーズ、言い回し、伊坂幸太郎作品の醍醐味はこれだよなー…と、改めて実感。
    読みながら気持ちが昂ぶってるくるこの感覚、こんな高揚感がある作品って他にないなぁと。
    前よりも色々な作品を読んだ後だからこそ、改めて伊坂作品の良さが分かった気がした(^^)
    逆に、最近はこんな感じじゃなくなってるかもなーとも思った…

    再読して、まず一番最初の「二人組の銀行強盗はあまり好ましくない…」のくだりでハートを鷲掴まれる(笑)
    4人のことを知ってると、その時点でニヤニヤが止まらず…
    絶妙な文章表現、軽やかさ、そして程よく残された突っ込みどころ、どこを切り取っても完璧。
    ここに伊坂さんの良さ全てが詰まっている気もした。

    言わずもがな、ストーリーの構成もむちゃくちゃ巧い。
    読者の2、3手先を軽く行く展開は当たり前。
    どんでん返しの質、数は他に類を見ない。
    そして、伏線回収もとても美しい。
    個人的には、やっぱり響野さんのボクシング・インターハイのくだりが好きかな( ̄∀ ̄)
    基本的に響野さんに憧れている部分があるので、贔屓目は確かだと思う(笑)

    ロマンはどこだ。
    そう、この本の中に。

    <印象に残った言葉>
    ・二人組の銀行強盗はあまり好ましくない。二人で顔を突き合わせていれば、いずれどちらかが癇癪を起こすに決まっている。縁起も悪い。たとえば、ブッチとサンダンスは銃を持った保安官に包囲されたし、トムとジェリーは仲が良くても喧嘩する。
    三人組はそれに比べて悪くない。三本の矢。文殊の知恵。悪くはないが、最適でもない。三角形は安定しているが、逆さにするとアンバランスだ。
    それに、三人乗りの車はあまり見かけない。逃走者に三人乗るのも四人乗るのも同じならば、四人の方が良い。五人だと窮屈だ。
    というわけで、銀行強盗は四人いる。(P6)

    ・ロマンはどこだ。(P75 響野)

    ・四分ちょうどです。みなさん、最後までおつき合いいただいてありがとうございました。ショウは終わりです。テントを畳み、ピエロは衣装を脱ぎ、象は檻に入れ、サーカス団は次の町へ移動します。(P91 響野)

    ・なーんだ。二十一世紀なんて、もうすぐよ。その時に、こんなふうに木星に行けると思う?でしょ。キューブリックだって未来のことを見誤ってたのよ、先のことなんて誰も分からないってことじゃない。ということは、わたしたちが何十年か先のことをくよくよ考えたって仕方がないのよ。唯一、はっきりしていることは、わたしたちの目の前にいるタダシはとても愉快で、この瞬間、わたしたちはハッピーだってことよ。(P150 元奥さん)

    ・料理に入ったパイナップルと、リスクのない暴力と、それから、薫くんをいじめるやつら、だ。(P177 久遠)

    <内容(「BOOK」データベースより)>
    嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス。

  • 読み始め...09.4.30
    読み終わり...09.5.1

  • 相変わらずテンポのよい、井坂さんの作品。
    とにかく伏線。章の中に人物にスポットを当てて回想のように重ねながら時間軸に沿って進んでいくのが、いかにも井坂さんらしい。第四章ではとにかくどんでん返しに続くどんでん返し。それまでの伏線を読み落とさないようにと思っていても読み終わるとすべてが繋がってすっきり。
    登場人物のそれぞれの個性も特殊で細かくてストーリーに活きてくるのが面白すぎる。

  • 銀行強盗には、4人がちょうどいいそうです(笑)
    普通じゃない才能や特技を持ったできる男たちとママさん一人、陽気にスマートにやってのけるのがかっこいいです!
    ページがどんどん残り少なくなっていくのに、落ちがわからなくて楽しかった。最後は読んでいて笑顔になりました。
    成功を祈っちゃった。フィクションですから!

  • 話のテンポがよくて軽快で、なお且つ最後は爽快なお話でした。 主要人物は、ウソが見抜ける成瀬、演説のプロ響野、天才スリの久遠、正確な体内時計を持つ雪子の四人。こんなに愉快で楽しい銀行強盗見たことない!
    人生にはロマンが必要。
    そうだ、「ロマンはどこだ」

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業後、SEとして働くきながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。
2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。
上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されてきている。

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