- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408537160
感想・レビュー・書評
-
戦争は市井の人々の生涯を変えてしまう、終わりにしてしまう。それだけではなくて、人が自分の思いを口にすることさえ、できなくさせる。冷たい世の中にしてしまう。
でも、そんな中にあっても、大切なものを失わないように生きる人たちも確かにいる。そして、その人たちが灯し続けた光で、きっと今があるのでは。
友よ、最上のものを。
伝えてほしい。彼方の友の情熱を。
これから生まれいずる彼方の友たちへ。
初めのうちはなかなか進まなかったけれど、ハツが働き始めてからは、ぐっと引き込まれた。最後の方は涙。
戦争を背景としているから、悲しい場面もあるけれど、美しいお話でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
9月-19。4.0点。
戦中戦後に、出版社に勤めた女性の話。
思想的に監視するために、送り込まれたが、憧れの作家たちのため一生懸命働く。
女性の成長物語。想いを秘める当時の恋が、わかりやすく描かれている。
ラストは涙無くして読めない。 -
伊吹有喜さんの作品は、どれも本当に素晴らしいです。
-
切ないけど心があったかくなって、読後はほろりと涙が出た。戦争を全面的に出した話じゃ無いはずなのに、戦争は二度と繰り返してはならない、と思える本だった。朝ドラっぽい雰囲気もあったから、朝ドラじゃなくてもドラマか映画化してほしいなーとおもってしまった。
-
すごくよかった。友へ、最上のものをー。とにかく有賀さんがかっこいい。純司さんもしえりちゃんも素敵。
一方で、こんなにもあっという間に、世界が色を失っていくんだな、と怖くなった。
文化は、ままならないことも多い毎日をほんの少し彩って、心を潤してくれる。その灯を絶やさないようにしたいな。。と、コロナ禍真っ只中の終戦記念日に思いました。 -
撫子もの以来の良書。
-
途中までは、戦争時代の雑誌の話かなと退屈しながら、読んでいたが、後半は惹きつけられながら読んだ。
-
ラストにかけてきらが凄く良かったです
切なくて温かくて読み終わったとき
素敵なお話しだったなと思いました -
老人施設で生活するおばあちゃんが、過去を振り返り戦前・戦時中に少女雑誌乙女の友の読者から編集側として大切な気持ち持って働いた時代を振り返る物語。昔の付録を持って会いにきたのは誰だろう?どうなっていくのか気になりあっという間に読了。登場人物が少女漫画のようにみんな魅力的。
後半の人を想う気持ちに涙がとまらなかった。
"友よ、最上のものを"とどんな環境でも心が豊かになるものを作るという姿がかっこいい。小さくても大切な生活や楽しみを奪う戦争の悲惨さが伝わってくる。大学を出てもお嫁にいくことを求められ、女性が働くといことが当たり前じゃないのが数十年前まであったことを実感する。
宝塚歌劇団の雑誌"歌劇"の創刊100周年の番組を観た直後で、挿し絵やその当時の紙の雰囲気までリアルにイメージできた。 -
すごく良かったです。
戦時中にある日々の暮らしからしたら、今は何もかも手に入る時代。だからこそすごく心にひびきました。今の時代いつどうなるかは分からない。もっと生活のひとつひとつを見直さなければと思いました。
そして最後もすごくすごく満足です。本当に読んで良かった。心からそう思える本でした