- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408557083
作品紹介・あらすじ
人生は、迷いの連続!? 短編の名手による珠玉のミステリ8編
大沢在昌/乙一/近藤史恵/篠田真由美/柴田よしき/新津きよみ/福田和代/松村比呂美
数多くの傑作アンソロジーを生み出してきた実力派女性作家集団「アミの会(仮)」が、
豪華ゲストを迎えて贈る、珠玉のミステリ小説集。
空き部屋から真夜中に響く騒音の原因を調べると…(「未事故物件」)。
深酒で記憶が飛んでいた間に、他人の家に迷い込んでしまい…(「迷い家」)。
人生で起こる「迷う」時を鮮やかに切り取った8つの物語。
【目次】
近藤史恵「未事故物件」
福田和代「迷い家」
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
松村比呂美「置き去り」
篠田真由美「迷い鏡」
新津きよみ「女の一生」
柴田よしき「迷蝶」
大沢在昌「覆面作家」
あとがき/福田和代
感想・レビュー・書評
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面白かったけど、期待しすぎた感。
元々アンソロジーはあまり読まないけど、最近読んだいくつかのアンソロジー本が面白くてこちらも読んでみたけど、少し物足りなかった
短編で大満足ってのも難しいものだと思うので偉そうなことも言えないけど…
その中でも【迷い家】と【置き去り】はすごく面白く気に入った。 -
2017年7月新潮社刊。書き下ろし。2021年10月実業之日本社文庫化。近藤史恵:未事故物件、福田和代:迷い家、乙一:沈みかけの船より,愛をこめて、松村比呂美:置き去り、篠田真由美:迷い鏡、新津きよみ:女の一生、柴田よしき:迷蝶、大沢在昌:覆面作家、の迷をテーマした8つの短編。惑と同時刊行でアミの会第3段とか。事件が起こる可能性への警鐘を鳴らす「未事故物件」が面白い。少ない頁数で数奇な変転を描く「置き去り」が楽しい。「迷蝶」は凝った展開だが、やや盛りすぎ感あります。同時刊行の惑も読んでみようかな。
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アンソロジーの中に「アミの会(仮)」というものがあるのを知ったのは、この【迷 まよう】だった。
アミの会(仮)のアンソロジー企画は『捨てる』『毒殺協奏曲』『隠す』
そして、第4弾が『迷』と『惑』
ところで「アミの会(仮)」って何?
と疑問に思ったら、「アミの会」には公式ページ "Facebook" があり、
活動も2015年からだと知って驚いた。
それによると、「アミの会(仮)」は女性作家の集まりで、会の目的はアンソロジーを出すこと。
たまに集まってお茶を飲んだり、ご飯を食べたり(お酒を飲んだり)すること。
2015年、GWの東京で、5人の作家が集まって食事会をしていたとき
柴田よしきさんが「アンソロジーをだそうよ」と提案したのがきっかけだったそう。
”アミの会”メンバー近藤史恵さんによると
現在は、短編を発表しにくい時代で、純粋な短編集はなかなか売れないし、売れっ子作家さんしか出せない。
短編は本にまとまらないとなると、雑誌などでも書きにくく、連作短編という形にしてしまうことになる。
雑誌で書くことができても、1か月で書店から消えてしまう。
でも、短編小説は魅力的な形式で、連作ではない単発の短編でしか描けない世界がある。
短編小説の魅力をもっと多くの読者さんに知ってほしいし、短編が好きな読者の方もたくさんいらっしゃるはず。
アンソロジーは、知らない作家に出会うきっかけにもなる。
いきなり知らない作家の本に手を伸ばすことは冒険でも、
アンソロジーで気に入った作家ならば、他の作品も読んでみたくなるのでは。
本が大好きで、長編はもちろん、短編も大好き!
そんな私がアンソロジーでいいな、と思うのが
まさにこの、”初めましての作家さんとの出会い”
近藤さんがおっしゃるように、
いきなり知らない作家さんの本に手を伸ばすのはちょっとした冒険
そんなとき、アンソロジーはもってこい!
『迷』では新津きよみさんが初めましての作家さん。
アミの会(仮)の『迷』
あれ?
大沢在昌さん、乙一さん…?
と思ったら、お二人の男性作家さんはゲスト参加だそうで
納得。 -
ミステリー小説家のアンソロジー。
長編にできそうなネタを惜しげもなく短編に仕上げている作品もあり、とても楽しめた。
特に下記三作品が面白かった。
近藤史恵「未事故物件」
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
新津きよみ「女の一生」
●近藤史恵「未事故物件」
引っ越したアパートの上の部屋から午前4時に洗濯機の音が聞こえてくる。しかし部屋は空き家だという。騒音に悩まされた主人公は音の正体を探り始めるが…。
●福田和代「迷い家」
泥酔して他人の家に上がり込んだ主人公。食卓に用意された鍋を食べ、食器を1つ持ち帰る。後日、その屋敷の住人が行方不明になったと耳にする。しかも主人公が迷い込んだ日だとういう。知り合いの警察に相談するが…。
●乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
離婚する両親のどちらと暮らすか。主人公の女子中学生は冷静に判断するため、父母の状況を調べ始めるが…。
●松村比呂美「置き去り」
一大決心をしてジャングルツアーに参加した主婦。途中のトイレ休憩で置き去りにされてしまう。いったいどうなるのか…。
●篠田真由美「迷い鏡」
●新津きよみ「女の一生」
赤ん坊を事故で亡くした主婦。夫とも離婚することになり実家に戻るが兄嫁と折り合いが悪くなるり、アパートで一人暮らしを始める。そんな時、河原のホームレスと親しくなり、アパートへ招くのだが…。
●柴田よしき「迷蝶」
妻を亡くした定年退職者の主人公。唯一の趣味である蝶の写真撮影で知り合った老人と話すうち、過去の記憶が蘇る…。
●大沢在昌「覆面作家」
評判の覆面作家は誰なのか?小説家の主人公は古い友人のことを思い出す…。 -
ミステリー8作品が収録されたアンソロジー。印象に残ったのは「未事故物件」「置き去り」「女の一生」「迷蝶」特に「迷蝶」は結末に意外な真実がわかり面白かった。
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『未事故物件』『置き去り』『迷蝶』が特に良かったです!豪華な短編集でした。
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迷う、短編集。
不思議な話かと思ったらミステリーだった1話目に
今度こそ! と思ったら2話目もミステリー。
確かに、人生に迷いがある短編でしたが
しっかりと道を決めるのが物語だな、と。