平成遺産

  • 淡交社
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本棚登録 : 203
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473042989

感想・レビュー・書評

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  • 「平成」を語ることのなかった8人による主観の平成。寄稿者により、記憶であったり、思い出であったり、平成論であったり様々。気になる書き手さんがいたら手にとってみては?

    最果タヒさんの寄稿「阪神淡路大震災」と「私の平成。私の流行。」武田砂鉄さんと最果タヒさんの対談『「平成」でくくる意味なんであるのかが』特に印象に残りました。

    「そんな事が平成にあったの?」と思う事もしばしば。当然の事ながら、書き手の世代、書き手の環境によって「平成」のイメージが全く違うので、そこが新鮮でした。

  • 平成遺産。なんともサブカル臭のする本です。みうらじゅんの名前が入っている事で一気に胡散臭さが漂うのですが、他の人は大真面目に論じているので逆にみうらじゅんが浮きまくっています。しかも数枚のやっつけ原稿なので相当がっかりしました。もっとがっつりかましてくれるかと思ったのに・・・。
    各々の中の平成を取り出して論じていますが、割とあっさり忘れてしまいそうな内容でした。ざっくりと楽しんで読みつつ、自分の中の平成ってどんなんだったかなあ、と考えながら読みました。

    他の論客達の文章を小出しに読めて、他の本を読む為のガイドとしても良いかもしれません。個人的には武田砂鉄、ブレイディみかこの本が読みたいなと思った次第です。

  • 最果タヒさん目当て
    改元で世の中大きくくくれるほど甘くないと再確認する。この人選面白い。編集姿勢にとても好感

  • (写真家)川島小鳥の写真と、下記7人の語る平成論。

    最果タヒ(詩人)
    ブレイディみかこ(保育士/ライター)
    川添愛(言語学者)
    みうらじゅん(漫画家)
    田房永子(漫画家)
    栗原康(政治学者)
    武田砂鉄(ライター)

  • 8人のコラムニストによる、平成にまつわる考察・コラム。
    どれも個性的で、自分と同世代の人が多く共感できる内容も多数。

    田房永子のやつで、女子高生ブームの話があったけど、私服の学校に通っていたということもあるのか、良くも悪くもそのブームの渦中にいた記憶は私にはない。
    コギャルもデートクラブも援交も、異世界の出来事と感じていたし、自分自身が消費されて傷ついたという感覚もない。

    ある意味でとても牧歌的というか、高校時代の環境が恵まれていたということなのか?と思ったり。

  • 元号が変わるからって何も変わらないよという確認。
    むしろ時代で括ろうとする俯瞰視点や主語が大きくなる(なくなる)ことの危なさに気づく本。
    ブレイディみかこさんの「ロスジェネ」、田房永子さんの「女子高生」、最果タヒさんと武田砂鉄さんの対談がとくによかった。

  • 平成の終わりのタイミングを狙った一冊。でありながら、時代を総括することを否定する武田砂鉄さんの文章が一番面白かった。他の人、とりわけみうらじゅんの手抜き感も逆にすごい。SMAPが安室奈美恵が平成の終わりとしてかたられることへのアンチとして、神田うので平成を俯瞰する、その偏屈ぷりが最高でした。武田砂鉄、最果タヒの著作は読んでみたくなった。

  • ‪平成とは?様々な分野の論客が独自の視点で捉える平成に関する論考。平成に起きた事件や事故、生まれた文化や風俗は遺産となり、令和の時代に引き継がれるのだろうか?‬

  • やたら「平成最後の」とまとめにかかってくる改元ブームには興味がまったくないけれど、川添愛やブレイディみかこがなにを書いているのか興味があるので買ってしまった。
    それぞれに自分の身近なところから「平成」の30年間を振り返って書いているが、全体には人間がどんどん疎外されていってじり貧な30年だったといえるのだなと改めて思った。そんななかで、みうらじゅんの文章は短いながらも、「昭和の悪しき風習が誤解によって花開いたのが平成」で「ゆるキャラこそが平成遺産」というまとめはなるほどだった。
    わたしはずばり団塊ジュニア、ロスジェネ世代だが、8人の書き手(一人は写真家)のうち上の世代二人、ロスジェネ四人、その後の世代二人というのが絶妙な感じだった。

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著者プロフィール

1982年、東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年よりライターに。近年ではラジオパーソナリティーも務める。
『紋切型社会――言葉で固まる現代社会を解きほぐす』(朝日出版社)で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞などを受賞。他の著書に『日本の気配』(晶文社、のちにちくま文庫)、『マチズモを削り取れ』(集英社)などがある。

「2022年 『べつに怒ってない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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