採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478023419

感想・レビュー・書評

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  • 最初はマッキンゼーが求める人材についての話かと思ったが、そこから日本に求められている人材の話に移っていく。

    本書では地頭力、リーダーシップ、問題解決能力が大事と定義するなかで、内容の半分以上はリーダーシップの話。

    日本では、リーダーシップをもった人材が少ない。リーダーシップとは自分の意見をただ押し通す人ではなく成果至上主義で成果のために他の全てを投げ打ってでも達成しようとする嫌な人なのかもしれないと感じるところもある。

    むしろ全員に好かれるような人はリーダーになりえない。

  • 自分の周りの狭い部分から、目標設定、そのために必要な他人の力を借りること、常に価値の創出を考えることを意識しないといけないと感じた。

    以下は今後のためのメモ
    ①リーダーシップ②地頭③英語力

    問題解決に必要なのはリーダーシップ。リーダーシップは一人が持てばよいのではなく、全員が持つ→成果を出しやすい。

    リーダーがなすべき四つのタスク
    1目標設定。達成感を得られる高い目標を設定し、チームにわかりやすく示すこと。
    2先頭をはしること。最初に試すリスクや責任を受け入れる。最初に方向性をきめる。
    3決める。決める時に決める判断ができる人。
    4伝える。高い目標に進ませるには、なぜそれが必要かなど論理的かつ明示的に伝える必要あり。何度も繰り返し粘り強く同じことを語り続ける必要あり。

    リーダーシップの学び方
    基本動作1バリューを出す。より価値を生み出す仕事を優先。
    基本動作2ポジションをとる。自分の意見を明確に持つ。→直接関係なくても当事者意識を持って考えるようになる。
    基本動作3自分の仕事のリーダーは自分。自分の仕事の成果の最大化を考える。上司をどう使うかも考える。
    基本動作4ホワイトボードの前にたつ。議論のリーダーシップをとる。様々な意見を全体像の中でとらえ、論点整理、視点の転換など。

    リーダーを増やす必要がある。
    リーダーシップは下記であるということを理解する必要がある。
    ①すべての人が日常的に使えるスキルであること
    ②訓練をつめば、誰でも学べるスキルであること


  • ●リーダーシップは全員に必要
    チームの使命を達成するために必要なことをやる人

    ●リーダーがなすべき4つのタスク
    目標を掲げる
    先頭を走る
    決める
    伝える

    ●リーダーシップの学び方
    バリューを出す
    ポジションをとる
    自分の仕事のリーダーは自分
    ホワイトボードの前に立つ

    ●日本企業の優秀さ
    専門性が高い
    協調性がある
    迅速に正確な処理ができる

  • 最初は「リーダーシップを取る」事の大切さが繰り返し書かれていて、飽きてしまうが後半は具体的で有用な情報が書かれていて勉強になった。やはりリーダーシップを取ることの大切さを改めて実感。取ったほうが楽しいしな。
    うちの会社もグローバル人材育成には力を入れているが、グローバルリーダー育てて行きたい。

    ■学
    リーダーは
    組織としての高い成果を追う
    マネージメントや調整役とは異なる能力

    リーダーの4つのタスク
    ・目標を揚げる
    ・先頭を走る
    ・決める
    ・伝える

    基本動作
    ・バリューを出す(会議で意見しないのはありえない)
    ・ポジションを取る(あなたの意見は?もし意思決定者ならどうする)

    トレーニングで多くの日本人が「もっと明確に主張し、もっとアグレッシブに問いかけたほうがメンバーとしてどう動くかがわかりやすい」と言われる

    グローバル人材はいるが、グローバルリーダーがいない

    新人から管理職まで「チームの成果はどのようなものか」+「あなた個人は、その成果にどう貢献したか」を問われる

  • ものすごぉく、読み応えがあり、、
    1時間付箋を貼り貼り、要点をまとめながら、再読。末尾に、真のリーダーシップについて学べたこと記しています。

    いつかの素敵なコワーキングスペースに涼しげに並べられていたのが最初の出逢い。
    そこのコワーキング最高に細やかな主婦目線の心遣いが行き届いていて(国会議員さんである子持ちお母さんが始めた場所だけに選書が光まくり、最高の勉強部屋だった。後にも先にもそこ以上居心地良かったコワーキングにはまだ出逢えてない)

    話は脱線してしまいましたが、
    社会人三年目の転職期に初読してから、月日が流れて社会の荒波をいくつも揉まれてきたいま、再読した感想は、当時よりも実体験から腑に落ちる考え方がありまくり、見落としていた気づきが満載でした…
    マッキンゼーすげぇ。リスペクトすぎて、感嘆と放心…(この凄いは、後述の、採用者が、応募者に求めていることの一般イメージの差異にある。いわゆる高学歴、履歴書が綺麗なエリートに多い地頭の良さの超根っこ部分!あらゆるリーダーの元でさまざまな気づきを得てきたけれど、真のリーダーシップとはマネージャー(上司からの指揮命令)ありきの働きではなく、あくまで〇〇さんならどうするか。どうしたら課題を改善できるか?という他者の椅子に座って考え尽くせる自考力なんだ!と改めて。
    組織にいたとしても、自分がもし経営者の立場なら?はたまた、清掃を毎日してくれる営繕課の職員さんだったら、どう行動、考える?いろいろな役割の社員がいてこそ、独善企業ではなし得ない、あらゆる角度からのアプローチで大都会を漕ぎ出せる船を編める、ということ)

    トップコンサル企業なだけあるのは元社員の著者の語りから納得の伺い。

    (余談:なんとなく、いつもご近所で、通り過ぎていた一橋大学だったけれど、いつか大学の一般公開講義してたら学んでみたくなった)

    -------
    以下、学べてよかった気づきや思考:
    世界のマッキンゼーが求めている人材は日本のすべての企業が求めている(必死に渇望する勢いで)人材は、著者の主張からすると、ほぼ同じ、だということ。

    読んで、明らかになった、
    社会がより良くみんなが暮らしやすい生き方を叶える、組織に必要な人材像は、以下の3つに集約されるのだろう。

    1.まずは、このひとに自分の経営の弱みをさらけ出すリスクを追ってまでも、会社の繁栄に力を貸してほしい、育てれば収益を上げてくれる、伸びしろがあるなと思って貰える素養。
    ・圧倒的信頼感(人としての礼儀や基礎力、思考の基礎体力(問題が起きたとき、逃げずに何かしら自分で考え対処できるか、ヘルプを出せる謙虚さがあるかなど)
    ・弱みを見せられる包容力=人柄の良さや口の硬さ、落ち着きや自ら学ぼうとする向学心の高さ
    ・上司にゆだねすぎない、自分ごとの意識=リーダーシップ、責任感の強さ

    ちなみにこれは仕事を振って貰えるための(本著ではコンサルタント業務で受注に繋がる基礎部分、だそう)基本的素質と言われている。

    2.いわゆる地頭の良さ・学歴が証明する偏差値で表される、基礎学力で問題を解決できる正しい答えを出す正答率の高さ。
    この学力は、ある課題に隠れた問題を見つけ出すまでに役立つ能力
    多くの就活生は、過去の自分も含めて、自分がやりたいや好きだからではなく、世間の評価や大学ステータスを軸に、とりあえずトップの大学に入れれば、リハガリーが効くからと有名大学や企業を選びがちだけれど、マッキンゼーに入った社員は皆、過去の栄光やプライドは一旦砕かれて、ゼロから自分の頭で、じゃあどうしたら自分の強みを活かして貢献できるか、みたいなゼロ思考に立たされる、みたいだ。

    3.課題解決力
    ある課題に対して、深く考え尽くせる思考意欲や思考体力のこと。
    考える力というより、イレギュラーに対して、自分だったら何が出来そうか。

    ・自分の適性とキャパを踏まえた上で、あるべき姿(マイビジョンや貢献し得る付加価値)の提示
    ・新たな仕組みやシステムの再構築、設計力
    会社がどんなサービスをしてるか知り尽くしてないと生まれにくいスキルなのだろうか?おそらく。

    ひとが直面する問題は、教科書に書かれた問いを正しく答えることではない。
    SPIで採用担当者が見極めていることは、会社によるけど、きっと以下のスキルなんだろうなと気づけた。
    ・正答率ではなく、予め、準備出来てない問題があっても、考えることを諦めずに回答したか
    問題に対する思考タイプやどんな考え方を日頃してるかを具体的に知るため。その人の思考タイプについて

    そう考えると、SPIってすべて取り繕えないし、思考の基礎力が試されるんかな。ちょっと恐ろし。ゾワッ。

    長々書いてしまったけれど、結論。面接で見られることは応募者も採用者も求めてることは同じ。二つだけ。
    ①本当にこの業務(サービス)に興味がありやりたいか。(会社に入ったら、積極的に生き生きと活躍してくれるか)

    ②自分に向いてる業務内容か。

    本著でマッキンゼーの求める人材像から見た真のリーダーシップは、以下に示される。

    会議の場や業務遂行時において、組織で必要な構えは、

    ーーー-
    同じ目的・ゴール(会社ならば自社のサービスや商品が顧客に愛され、売上を向上できること)のために、船が岸にたどり着けるように、自らが成果を出せる羅針盤となること>自分の主張、仕事のやり方が採用されること

    前者を最優先にすることが大切だと改めて胸に留めたい。

    ー---

    これまで業務遂行のなかで、社員みんなのやる気や指揮が低迷し始めて、記事づくりの本来の目的(読者が満足できる、悩みが解決される丁寧なコラム)が迷子になり、ただ量産型を強要されることが起きたとき、上司に改善を仰いだことがあった。
    自分が頑張ってるからとか、スキルを見せつけたいみたいなマウントのつもりは一切なかったのに、そもそも記事は読者に届いているのか?みんなが楽しく書けるテーマ出し会議をしてみんなのピカイチを生かし合ってみたいのですが。。
    そんな気持ちから根本の執筆内容の見直しや介護支援の手順を見直してみるのはどうかと、提案してみたことがあります。

    その時に、経営者でもないくせに生意気な。非正規の立場で、何を言う…
    というような一言で蹴られたことがありましたが、この考え方に出会い、たしかに経営者ではないけれど、会社の歯車として、存続を保つ責任は社員皆にあり、どんな役職であれ、その姿勢で業務に臨むことが大切と、救われた気持ちになれた。

    当時のモヤッとを解消してくださり、有り難き。

    ー最後に…

    好きで、やりたくて、向いてる仕事に就けたら、誰も悩まないし苦労するひといないよって言われそうだけれど。
    たとえ初めに希望の会社に就けなかったとしても、何かしら自分に出来ることを探してゼロから考え抜ける思考力やバイタリティがあるか、
    なのかな。
    自分に置き換えてみて、いまやれること洗い出してみよっと。
    読めて良かったです。

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  • マッキンゼー出身者が考える採用基準。世間的に見られる外コンが求めているもののイメージと、実際のズレ。京大出身者の英語やビジネス系スキルの欠如は結構耳が痛かった。外コンで本当に求めているのはグローバルリーダー。リーダーシップは事業のドライブの原動力として必須と思うし、書かれていることには深く同意。ただ、他の要素も総合的に考えてこその採用基準で、それが会社ごとに比重や着眼点・方法論が違うので、そういうのが議論されると思ったら違った。マッキンゼーでの働き方・求められる人物像はよくわかった気がした。でも、話題が限定的・一面的で、書籍タイトルがミスリーディングに感じた。技術系の会社がリーダーシップ人材に偏重すると、下請け丸投げ気質になりそう。

  • ケース面接
    →どれほど考えることが好きでどんな考え方をするか、
    を見るためのもの。
    答え自体は重要ではない。

    スパイク型人材
    リーダー①目標を掲げる②先頭を走る③決める
    能力の高い人よりこれから延びる人
    ✘日本は組織にリーダーは1人いればいいと思っている
    ✘リーダーは雑用係ではない

  • 本の題名は採用基準となっていますが、リーダーシップのことについて書いてあります。私もリーダーシップとは特定の人が持っていればいいものだと思い込んでいましたが、この本を読み万人に必要なスキルだと思いました。タクシー待ちの長い行列の例えでよくわかりました。
    私個人もリーダーシップのスキルを取得し、自分の世界を広げていけるよう頑張りたいです。

  • 【概要】
    マッキンゼーの採用マネージャーを務めていた筆者が、コンサルタントに求めていた資質(=リーダーシップ)を解説。これからの社会を生きる人々、そして日本にとってリーダーシップが重要であることを説く。

    【学んだこと】
    ・コンサルタントは、①課題の相談を受ける②解決策を考える③解決策を実行するの3ステップをこなすが、頭の良さが求められるのは主に②。それ以外は、頭の良さ以外の要素(リーダーシップ、信頼を得るなど)が必要
    ・リーダーの役割は、目標を掲げる、先頭を走る、決める、伝える
    ・自分の仕事のリーダーは自分。自分の仕事を回すために周りの人間をどう使うかを考える。
    ・リーダーが足りないのではなく、リーダーシップキャパシティ(リーダーシップの総量)が足りない。誰もがリーダーシップを持つべき。

    【感想】
    ・リーダーシップなき専門性では課題解決につながらないというところが最も印象的
    ・元コンサルタントらしい、直截な表現で読みやすい。

  • マッキンゼーの採用フローや基準が綴られている訳ではなかったが、もっと広範に、マッキンゼー含めこれからの社会に必要となってくる人材について多くが語られていた。

    この本が出版された時は日本企業においてほとんどリーダーシップが重視されていないという感じだっだが、出版から10年ほど経った今もあまり変わらないのではないだろうか?

    ビジネスはもちろんだが、共助を機能させる政策的な仕組みにおいても、リーダーシップを持って行動せずに、日和見になる人や責任を回避しようとする人が圧倒的大半を占める状況は変わるべきだと思うし、そうしない限り生産性も上がらないし漠然とした不満や不安を持つ社会からは変わらないと思った。

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著者プロフィール

キャリア形成コンサルタント。兵庫県出身。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにて、前半はコンサルタント、後半は人材育成や採用マネージャーを務める。2011年に独立し、文筆・発信活動を続けるほか、リーダーシップ教育や生産性向上のための啓蒙活動にも従事。著書に『採用基準』のほか『生産性』(ダイヤモンド社、2016年)などがある。

「2012年 『採用基準』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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