星間商事株式会社社史編纂室

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804204

感想・レビュー・書評

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  • 話のつながりがおもしろい。おたくから始まり、話は壮大になっていく。今の自分がいきいきと生きていくことが大切。

  • 三浦しをんには珍しく
    いつおもしろくなるかな?と読んでいたら
    終わってしまった。。。

  • 2009/10/23

    三浦しをんの文字を見て、うっかり財布にお金があって、全く文庫化を待つ気になれず衝動買い…。

    2日で一気に読み切ってしまった。


    格闘するものに○と、ロマンス小説の七日間を思い出す感じ。
    三浦しをんの中でも軽く楽しく読めて、最後はほわりと誰かが愛しくなるような。


    なんていうかいろんな意味で、三浦しをんだなぁ。笑。て感じだったw



    星間商事に隠された『高度経済成長期の穴』を探る!というミステリーのようで、
    川田幸代・腐女子(自称したことは一度もない)を始めとする社史編纂室メンバーで裏社史(という名の同人誌)を作って、冬コミで売ろう!!!という話。笑

    いや、ミステリだよ。笑
    謎解きあり、権力との戦いあり、オフィスラブ(男女の)あり、大統領と少女のロマンスあり、幽霊騒ぎありw


    たのしかった!




    三浦しをんの書く男はいつも、おおらかでマイペースで、鈍感だけど優しくて、だめなとこたくさんあるけど彼なりに主人公を愛してる、って感じ。
    三浦しをんのタイプなのかな。笑







    でも、いいじゃないかそれで、とも思えた。洋平が地球のどこにいようと、私たちは凧糸でつながっている。糸の端を少し引っ張れば、波を越え砂漠を越え山脈を越えて、震えは相手に伝わるだろう。耳を澄ませば糸電話のように、相手の声が心に届くだろう。

  • 駅伝、文楽、辞書づくり、板前、林業…など、「よく知らなかったけど、そうなんだ~」という世界を描いた作品が多い作者だが、今回は「コミケ」オタク、腐女子、等と言われることもある人々がどんな風に「それ」に取り組んでいるかが、よく解る
    もちろん、タイトルの通り、社史編纂が主筋なのだが…
    自称、小説を書くのが得意!という、素人が集まり、稚拙な文章を散りばめているのも妙な味わいがあって、面白かった

  • ある会社の社史編纂室の話。

  • 基本はいつものしをん節ではあるんだが同人誌作りに「高度経済成長期の穴」な会社の秘密も絡んできてといろいろおかしな展開に。

    ラストは会社に一矢を報いての大団円とそれなりに満足感はあるんだけどただサリメニ関連の話に関しては消化不良感が残るなあと、勿論それがメインじゃないってのは分かるんだけれども。

  • 「星間商事株式会社社史編纂室」
    社史を巡る物語。


    星間商事株式会社社史編纂室の朝は、ラジオ体操と共に始まる。幸代の隣では、みっちゃんが胸を揺らして飛び跳ねている。幸代の先輩矢田は、下半身で活躍するタイプで、課長である本間は遅刻魔。因みに、室長は幽霊部長である。


    そんな社史編纂室は、会社創立60周年(2006年)の為に社史を編もうと、2003年に誕生した。しかし、社史は間に合わず、創立60周年記念は、紅白饅頭によって祝われた。結局、社史は間に合わなかったのだ。


    この一連からわかるように社史編纂室はとにかくゆるい。社史編纂室の中だけ酸素の代わりにゆるさが空気中に詰まっているみたいだ。しかし、そんなゆるさをぶっ飛ばす事件が発生する。本間課長が、同人誌を作ろうと言い出したのだ。


    本書の面白さは、同人誌作成がメインテーマと思いきや、脇の外に追いやられるとはずの社史作成も食い込んでくる所です。同人誌と社史、全く違うものだけど、共通点は書くと言う事。


    腐女子としてBLを書きながら、編纂室一員として会社の歩みを包み隠す事なく書く。一方はちょっとおかしく、一方はちょっと立派。アンバランスなんだけど、妙にマッチして面白い。


    また、皆のキャラがとても立っている。幸代はオタク魂満載で、みっちゃんはポカンとしてるけどやれば出来る子、ヤリチン先輩はヤリチンの名に恥じる男気がある。一番面白いのは、課長でしょうか。同人誌を作ろうと言い出し、自分で小説を書いちゃうし、実はその裏で賢そうな?一面もありで、もうごちゃごちゃしている。また、幽霊部長は幽霊部長ではなく、こちらも何か出来る感じは垣間見えるんだけど、多分違うw


    同人誌と社史、さらに恋愛まで絡んでくる。詰め込み過ぎに見えるけど、しっかり収まってる。


    ただ、一つ気になるのは、何故幸代だけ居残りなのだろうか、と言う事。なんでだろう。

  • 社史を作ることのみが目的の部署って。。。
    面白い。

    大体、企業には「なんであるんだろう」とか
    「何やってんだろう」とか思うような部署はあるもんだ。
    初めて働いた会社には
    伝票や包装紙やなんかを取り扱う部署があって
    そこに備品の在庫を確認して、伝票に書いて取りに行くというのが
    新入社員の仕事だった。
    みんなの使う伝票を一手に引き受ける、これは大切な部署。
    しかし、もう、めちゃくちゃ怖いおばちゃんの社員とおじいちゃん。
    まぁ、おじいちゃんではないんだろうけれど、
    いつも茶色いカーデガンを着ていた。
    で、その二人となぜだか20代とおぼしき女性社員が一人。
    この女性社員の人がなんでそこに配属になったのか、というのが
    その会社に勤めている間の私の疑問であった。
    今、思えば、どういういきさつだったのか、確認するくらいに
    仲良くなったら面白かったかも。。。と思えて仕方ない。
    あの会社も、謎多き会社だったので
    調べるといろいろあるのかもねぇ、と
    こういう話を読むといつも思うのだ。

    今の会社だと、社報をつくる部署。
    これを楽しみにしている社員はいるんだろうか。
    オールカラーの無駄にいい紙。
    新聞紙みたいな感じでいいんだけどねぇ。
    ま、社員でもない私達に配る必要もないと思ってしまうのよね。

    いやいや、ここで毒吐いても仕方ない。

    社史も裏社史も、してやったりな感じになっていて面白かった。
    コミケとか腐女子とか未知の世界は面白い。
    楽しんだ、楽しんだ。

    さすがぁ、三浦さん。

  • 設定が突飛だったけど、クスリとさせられる。

  • 登場人物のキャラ立ちがされていてそれぞれのシーンがすっと入ってきた。
    正直作中作はまったく読む気にならなくて笑
    趣味と仕事について一瞬だけ考えました。
    内容は比較的ライトな感じで一気読みでした。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

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