なんでコンテンツにカネを払うのさ? デジタル時代のぼくらの著作権入門

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484112244

感想・レビュー・書評

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  • 昨今、ネットの普及で今まで敷居が高かった作品の発表が容易にできるようになり、ネット上には素人、セミプロのさまざまな漫画、小説、映像、音楽等の作品が溢れていて、初音ミクなど独自のムーブメントを起こしているものもある。
    今後コンテンツで飯を食える人は非常に少なくなるので、一握りのプロ以外は兼業で作品を作っていけば良いというのが岡田斗司夫の考えである。確かにCDやDVDとか買わなくなったし、雑誌や本も売れてないもんなあと納得する部分が多かった。
    両名ともコンテンツを愛している人たちなので、著作権を守ろうとする利権者のちからが強くなり過ぎたら、面白いコンテンツが生まれなくなることを憂いていて、その部分はすごく共感できた。
    本が対談形式なので、堅い内容でもすごくわかりやすかった。

  • 期待以上に面白い本だった!
    岡田斗司夫の考えていることが凄くラジカルで、この本をきっかけに地方通貨、小規模政府などにも関心が。福井さんがこれほどフレンドリーな人であることも(実際に彼のセミナなどに出席したこともあるんだけど)知らなかった。
    「創作で食っていこうとする態度が真面目じゃない」という岡田さんの発言が最高(その上で、プロ未満のプチクリエイタをどう助けるか、という議論になるので、引っかかったらまず本を読んで真意を組んでください)。

  •  オタキング岡田斗司夫と著作権に尽力する弁護士の福井健策が著作権を巡る現在の問題と著作権の未来について語り合う。
     
     著作権はユーザーにとって不便でしかないという岡田とクリエーターの利益を守ることが大事だという福井の意見がぶつかる。しかし、岡田がそもそもクリエーターは創作で利益を得なくていいととんでもないことを言い出すあたりから対立していたはずの議論は不思議な方向へと進んでいく。後半になればなるほどこの対談は面白くなる。
     複製が簡単にどんどん作れて誰でも簡単に作品を世間に発表できるデジタル化の社会の中で著作権を守り続けていくなどということはできっこない。だったら創作で利益を直接得ることなどあきらめて無数のクリエーターが多様な作品を無料で公開するようになればいい。「つまらないけど豊かより貧乏だけど面白いを目指すべき」という岡田の主張にはとても共感した。

     この対談は著作権についてのものだが、著作権の先にある利益と利便性(面白さ)をどう分配するべきかという社会の根幹的な問題をテーマにしている。
     二人の描く未来に胸が熱くなる。 

    • gangan3さん
      気になるレビュー。読んでみたくなります。
      気になるレビュー。読んでみたくなります。
      2012/02/24
  • 本の自炊とかあったなぁw

    切り取り方次第でいかようにも見せられる。
    そんなつもりで言ってなくても、前後がなくなればまったく違うものとして一人歩きする。
    でもひたすら真摯に誠実に行動することで、周りの支援者が守ってくれる時代は生まれつつある。

    神社仏閣ってそんなに画像使用料徴収してくるのか。知らなかった。

    著作権がボトルネックなんじゃね?と思って読み始めたのですが、考え方の参考になりました。
    大半のコンテンツは無料で楽しめ、クリエイターにお金が入るようになり、プラットフォームの思惑に握られている時代に読むからこその面白さがありました。

  • インターネットが出現して、コンテンツの在り方がかわった。今後のコンテンツの流通について考えさせられる一冊。

  • 読んだ。
    p102 岡田「創作だけで食っていこうという態度が真面目じゃありません。」
    は、一番強烈。賛否は分かれるだろうけど今後のデジタル社会ではほぼ間違いなく創るだけで終了というわけにはいかなくなるだろうなぁ。
    既にそうなってるかもしれないけど。

  • 著作権について、専門家である福井弁護士と岡田斗司夫の鋭い視点が絡み合ってハイレベルな議論をしている対談本。普段自分が疑問に思っているようなこと(自炊、YouTube、違法ダウンロードなど)を題材に話が展開するので、とても読み易い。法律とどのように付き合っていくのか、これからどんな世の中になっていくのか、最終的にはどう生きていくのか、いろいろと考えさせられる本でした。

  • Kindle版で読了。後半の思考実験は無理もあるんだけど共感できるところも多い。

  • 岡田斗司夫と福井健策の対談。
    自炊業者の話に始まり、日本のコンテンツビジネスと著作権のことが語られている。
    岡田氏の奔放な提案に福井氏が法律などの知識をもとにしっかりと答えているといった内容。そんなに極論に走るということもなく、クリエイターを育てるより良いコンテンツビジネスや著作権について、比較的妥当な線の話をしている。
    岡田氏がコンテンツそのものではなくライブや物販などで稼ぐとよいといった提案をしているのを読んで、こないだ読んだグレイトフル・デッドに学ぶビジネス的な本を思い出した。これはまさにグレイトフル・デッドのやり方だ。
    個人的には、もはや新しいコンテンツがなくても過去の遺産だけで十分だったりするので、これからのコンテンツの有り様には余り興味がない。図書館にある膨大なコンテンツ、iTunesに収まった膨大なコンテンツ。これだけで結構おなかいっぱい。

  • 2012/12/7  図書館で借りた

    おもしろかった
    最近ニコ生を見て岡田斗司夫にハマった。

    この本は著作権について書かれている

    【自炊代行】
    ・法律がゆるい国へスキャン代行を外注した場合
     海外の法律が適応される
     米国Amazonで日本の本を買ってデータだけ日本の顧客に送る
     ビジネスが成立する。
     らしい・・・・・・・・・。

    自炊代行はあんまり賛成できない
    ってのは、出版社が電子書籍を出せば済む話で・・・
    なんであんな高くする必要があるのか。
    仲介手数料や紙代がないのに、なんで紙の本より高く(同額)するのか
    そこが問題で・・
    電子書籍の値段をある程度下げれば自炊代行なんて業者が
    なくなるんではないのかな
    いつまでも紙にこだわる意味がわからない。
    いや、紙のが好きなんだけど部屋が狭くなるから
    自分的には読んだ本に電子書籍化できる権利がついてて
    ネットとかでその番号を申請するとデータがもらえるようにしてほしい。
    紙で買った本は廃棄orブクオフに売って、データを保存して
    また読む時はデータで読む。
    が、理想です。

    著作権って曖昧でほんと難しい。
    著作権検定受けてみたかったけど、めんどくさそう・・・

    海外では著作権の保護期間は70年
    日本は死後50年
    (TPP、FTAの参加で変わるかもしれない)

    西原理恵子クラス
    年間1000円で作品を読み放題にする、10万人くらいは
    購買するだろうから、それで1億円
    コンテンツごとに課金するより楽でしょ?と岡田氏が言ってるけど
    年間1000円払う人間が10万人いるのかな?

    他にも岡田氏の持論【評価経済】について語ってるけど
    賛同できない。
    なんかベーシック・インカムにしても怖いシステムな気がする。
    評価経済については他の本を読んでみる。

    それとは別に
    【コミケ通貨】はおもしろい話しだった。
    コミケの売上の5%を全ての著作権利用に使う
    同意した作家には、この通貨で支払われる。(換金できるのか?)
    その紙幣は、その年人気あった作家のイラストで・・・

    なんか楽しそうだし経済的に効果もありそう!

    岡田氏はやらないらしいけど、やってほしいな。


    全体的におもしろかった!!

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著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。通称、オタキング。1984年にアニメ制作会社ガイナックス創業、社長をつとめた後、東京大学非常勤講師に就任、作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。レコーディング・ダイエットを提唱した『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)が50万部を超えるベストセラーに。その他、多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を超える。現在はYouTuberとして活動し、チャンネル登録者数は90万人を超える。

「2023年 『誰も知らないジブリアニメの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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