なんでコンテンツにカネを払うのさ? デジタル時代のぼくらの著作権入門

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484112244

感想・レビュー・書評

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  • 「コンテンツ」と「著作権」、この両者の結びつきが今ほど意識されている時代は無いのでは無いでしょうか。てまぁ、ワシの生きてきたこの数十年では、って意味での実感ですし、自分がそういうところで仕事をしているせいかもしれませんが。

    そう、まさに仕事としても、嗜好としても、ワシにとって身近なのが「コンテンツ」と「著作権」。そのそれぞれの専門家、第一線で活躍されている二人の対談は、ひとつにはそれらの分かりやすい現状認識として、もうひとつには想定される、あるいは想定したい未来予想図の提示として、とても興味深く読みました。

    突飛ながら分析の的確な岡田氏と、堅実ながら柔軟な発想の福井氏。彼らが提示する「著作権」、ひいてはクリエイターを巡る経済の再構築は、示唆的で特に面白く勉強になりました。まぁワシも、その界隈で働いてますからその提示された概念に似たものは元々理解していたが故に、腑に落ちたってところもありますが。

    現状、ここで語られる未来は、絵空事でしょう。でも、絵空事が無いと実現には至らないというか、現実は変わらない。次はこれを推進、そこまで行かなくとも検討していく力が必要だと感じます。

  • ネタバレ

    ◆電子書籍の自炊と著作権
    •電子書籍の流行で、裁断機が売れている。
    •自動車メーカーは制限速度を超えた能力を持つ車を販売するが、速度を守る義務は国民にある。
    だから、指摘複製も、それを許さない制度で縛り付けるより、国民が守る義務がある、と言う方向の考えは?屁理屈だけど、正しい。

    ◆著作権は味方か敵か?
    •海賊版が出回り利益を出せなくなるのを防ぐためにも、著作権は必要でよく出来たシステム
    •英米法的→クリエーター収入保護重視
    大陸法→クリエーター人格保護重視
    著作権はこれらの両方を含んでいる。

    •法律とは
    僕ら国民の代表が作ったルールであり
    デジタル化に伴い、著作権という制度に問題があれば、向き合う必要あり。
    合法の範囲のグレーゾーンで遊びを仕掛けることが重要。
    無駄になるかもしれない社会実験を積み重ねること。

    •ルール違反
    ルール違反かどうかの判断も必要だが
    そもそもユーザーやクリエーターにメリットがあるかどうかの視点が大事

    ◆3章 コンテンツホルダーとプラットフォームとの戦い

    •日本は映画•音楽•書籍等の著作権収支は輸入95%、輸出5%で輸入超過の状態。輸出は97%がゲーム。

    •FTAの注意点
    基本的には税関を無しにして、やり取りしやすくするのが目的なのに、
    コンテンツビジネスには、保有期間の延長を迫られる可能性が高い。

    •パナソニックが強かった理由
    ナショナルブランドで小売店に製品を渡すだけで、売れていた時代。
    それは作り手側に主導権があった。
    今はアマゾンや小売店側、もしくはネット側に主導権が移ってしまった。

    今、強いのは、コンテンツを流通させるプラットフォームを提供するアマゾン、アップル。でもこれは、ネットワークの発展途上にある特殊事例であり、アマゾンKindleでしか動かない書籍、アップルしか動かないアプリは廃れていく。
    →プラットフォーム提供者は、クリエーター側へ、この条件を飲めば、この報酬払います、に魅力を感じているから。

    では、カネがいらないクリエーターが現れたら?

    今はプロなみの設備やツールを使えるアマチュアがたくさんいる。
    アマチュアが無料で作品を作り、
    プロが少しは良いレベルの有料作品を作れば、無料が売れる時代。


    ◆第4章 クリエーターという仕事
    野球だけで食っていけるひとは、一握り。日本なら300人前後。県で一番でも、ダメかもしれない。
    じゃあ小説家は?クリエイターは?野球と同じように週末に草野球感覚でやるのが当たり前では?

    雑誌、CDの売上
    ここ10年で大きく下がっている。しかし、ライブの売上は落ちていない。
    理由は、デジタルで代替出来ない価値があるから。

    ユーロピアーナ
    ヨーロッパの電子図書館、著作権切れの作品中心

  • 【超共有】
    デジタル状態でもっていればいいものに、著作権は不要であるとわたしも感じています。コスト、劣化を伴わずに複製できるものにお金を払う必要はないと思いますし、お金を求めてもいけないように思います。しかし、書籍やCDなどのように物理的に存在するものには、お金を払う必要性はあります。

    無料でプロ顔負けのHPやブログを提供している方がたくさんいます。儲けようとはしていないのです。「情報の信頼性が・・・」という人もおられるかもしれませんが、信頼性はそのページを見ている人が決めていきます。信頼性のないものは自然淘汰される世の中です。
    ただ、一番困ることが突然そのサイトがなくなることですね。ここはファンがしっかり支える必要があるのでしょう。

    究極、デジタルコンテンツは全部共有すればいいのでは。(←ダメ?)

  • 4〜5

  • 購入書店:楽天kobo; 読書環境:kobo Touch; コンテンツ形式:EPUB

  • (推薦者コメント)
    岡田斗司夫の素朴な疑問から、日本の著作権を概観する。

  • 自炊問題だけでなく、著作権全体を考える上で参考になる本。

    ブログはこちら。
    http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4135832.html

  • 【新刊情報】なんでコンテンツにカネを払うのさ? 021.2/オ http://tinyurl.com/7gsq83x 電子書籍の自炊って違法なの?著作権法がないと面白い作品は生まれない?気鋭の弁護士とFree論者が大放談!デジタルとコンテンツの未来が見えてくる。 #安城

  • 2011/12/07 読了

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著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。通称、オタキング。1984年にアニメ制作会社ガイナックス創業、社長をつとめた後、東京大学非常勤講師に就任、作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。レコーディング・ダイエットを提唱した『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)が50万部を超えるベストセラーに。その他、多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を超える。現在はYouTuberとして活動し、チャンネル登録者数は90万人を超える。

「2023年 『誰も知らないジブリアニメの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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