あの本は読まれているか

  • 東京創元社
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本棚登録 : 818
感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488011024

感想・レビュー・書評

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  • 読むのが楽しみだったはずなのに、読了まで3日もかかってしまった……。梗概だけを読むと、本書は血沸き肉踊るエスピオナージのように思えるが、実態は恋愛小説である。大勢の登場人物たちの日常が延々と綴られ、様々な形の愛が登場する。自分の思い込みとの落差についていけなかったのが大きい。さらに章ごとに語り手が変わり、集中力が途切れる。しかも長い。この人物にこの説明は必要? と思うこともしばしばで、半分は無理としても2/3くらいにはできたのではないか。まあ、事実を基にしたフィクションらしいので、仕方ないのかなとは思うが……いや、むしろノンフィクションとして読みたかった気がする。

  • 結局は愛の物語ってことで。

  • 史実に基づくフィクション。

    史実に基づく、ということをあとがきで知った。
    元々『ドクトル・ジバゴ』や1950年代当時の時代背景を知っていれば、
    2倍、いや、5倍は面白さが違うのではないかと思う。

    無知の私は、
    無意識にフィクション的な爽快感を求めてしまっていたのか、
    読んでいて色々な意味で苦しかった。

    まず、私には難しかったのか、物語になかなか入り込めない。
    場面や語り手が章ごと(28章ある!)に切り替わって物語が進むのだが、
    新しい登場人物か、他の章で出てきた同一人物かの判断がすぐにできない。
    前半は「ん?これ誰だっけ?」と躓くことが多かった。

    ようやく後半はリズムよく読めるようになったが・・・
    虚しさとういのか、哀しさというのか、
    社会のいびつさと個人の無力さばかりを感じしまう。

    読みごたえがあるとも言えるかもしれないが、
    読後の率直な感想は「やっと読み終えた」という感覚。
    私の娯楽にはならなかったな・・・

  • 2022.3  1/4読んで離脱。

  • 2022/02/22

  • ――

     歴史の隙間を想像力で埋めてフィクションとし、けれど、その作り話が歴史よりも明瞭にその時代を映し出す。


     “本書はフィクションであり、名前、登場人物、場所、出来事は、著者の想像の産物か、架空のものとして使用されています。生死を問わず実在の人物、出来事、場所に似ているとしても、すべて偶然の一致です。”
     って巻末のことばがまじで決まってる。


     素材的に好みかな、と思い手に取ったのだけれど、思っていたのと全く違うところに突き刺さりました。もちろん当初の、小説を武器に戦うスパイ小説としても完成されていて、全く著者の想像力の凄まじさ、フィクションの力の粋を極めた、とでも云おうかその作品力には脱帽なのだけれど、それを、それこそこの作品の発射台にもなっている『ドクトル・ジバコ』と同じように、見事な恋愛小説として描ききっているのが本当に、圧巻。
     素直にわくわくして読み進めている間に、取り返しのつかない感情に巻き込まれ、悲惨さを目の当たりにして心を痛め、乗り越えて…と、主人公と同じ足取りを辿っている。東と西の、それぞれの物語は最終局面に至り、そこまでの間に編み込まれた緻密なエンタメが一気に解けて、ただ感情を揺さぶる。諜報戦と同じ、ただひととひとの繋がりなのに――そしてそういう情報ゲームのような繋がりを映す世界はそのまま続いている一方で、渦中にあったひとたちはそれぞれの真実を手にして、そのゲームから降りていく。飛び出すように、或いは否応なしに。
     結局最後に読者が身を落ち着けられるガヤ的ポジションが残されているのも巧いなと思いました。


     そんなこと、ありえる?
     私も願っています。なんせハッピーエンドマニアなもんで!
     納得の☆4.6

  • CIA『ドクトル・ジバゴ』作戦に参加したタイプライターの女性たちを中心とした西側と、ボリスの愛人・オリガの半生を描いた東側の物語が交互に展開。濃密で重厚な二重奏でした。

  • 日本語のタイトルがしっくりこないかな

  • 壮大。完全に映画化されるやつ。あとがきまで読んで、「あの本」のヒロインと同じラーラという名前が作者の本名であると知り、ラーラのモデルのオリガが実在していたと知った。読了後ももう少し気分に浸りたくて、映画「ドクトル・ジバコ」の挿入曲「ラーラのテーマ」をyoutubeで聞いている。

    章によって語り手がかわる。東側の章では重い気持ちになり、西側の章では先が知りたくてハラハラする。タイピストたちが語り手の章がはさまれることで、物語の重さが少しやわらぎ、キャラクター造詣が深まる(あけすけな会話で上司たちがこきおろされる)。
    したたかでしなやかな女性たちの物語。作家ってすごいとあらためて思った本。

  • 翻訳語の本屋大賞で選んだけど、期待はずれだった。冷戦時のスパイ活動の書物をめぐる史実をフィクション化したものということだったが、私の理解が足りないのか、主人公が章ごとに入れ替わって、問題の本が与えた影響とかよくわからなかった。

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