- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488025625
感想・レビュー・書評
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先祖・竜泉家の呪いにより、病で危篤となった妻を救うため、「奇跡の砂時計」の力で昭和35年へタイムスリップした加茂。竜泉家を襲う殺人事件を阻止することで未来を変えるのだ。クローズドサークル、富豪一家が集う屋敷、猟奇的な連続殺人、見立て殺人とミステリー好きにはたまらない設定。途中で急にSFになったかと思ったが、最後はなかなか楽しいトリックのミステリーで締まっていました。歳を重ねる毎に、館の見取図とか家系図、周辺の地図などが苦手になってきている事に気付かされました。
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タイムトラベルミステリ。
SF要素をきちんと明示してミステリに落とし込んでいるので、非常にフェア。そして本格。館モノ。
かなり説明が親切だったので、謎解きはやさしめだと思った。
シリーズとして今後の竜泉家とマイスター・ホラの活躍(?)が楽しみでしかたない! -
本格ミステリーとSFを融合させた作品。主人公は、最愛の妻の家系に秘められた呪い=事件を、過去にタイムトラベルして解いていきます。パラドックスなど若干モヤモヤするものの、アシスタントのように活躍してくれる女子とあいまって爽やかな読後です。
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先祖の呪いによる瀕死の妻を救うために、謎の声に従って過去へタイムリープした主人公・加茂。上手く協力者を得て、過去の惨劇を防ぐために動くことになる。正直ここまではあっさり過ぎて驚くほどだが、この後がしっかり本格だった。陸の孤島となった館、連続殺人、不可能犯罪。ここへ通常の本格ミステリにはないタイムリープが絡むのだ。SFを読んでいるというより、タイムリープは本格の鍵の一つ。はっきりわかるように散りばめられた伏線を回収しながら謎に挑むのはとても楽しかった。鍵としてだけではないSFらしさを堪能できたのも良かった。
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最愛の妻を襲う免疫起因の奇病。
そもそもの原因は、過去に一族を襲った忌まわしい殺人事件。
主人公は、その事件を阻止するため、「奇跡の砂時計」と過去へタイムトラベルする。
ストーリーテーラーが「奇跡の砂時計」本人(笑)それも斬新。
途中で犯人はこいつかな? なんて思いましたが、トリックはいまひとつ判りませんでした。
ラストが「バタフライエフェクト」みたいじゃなくて良かったわ~ -
呪われた一族にクローズドサークル、面白くないわけないでしょってシチュエーションにタイムトラベルときた、期待値高すぎです(^^♪
話は読みやすくて面白かった。1章読み終わって先が気になるかんじ。
途中のタイムトラベルの謎の話では??SFが前面に出てきてついていけなくなりそうになった。
加茂がクールすぎな感じ。他登場人物も、もっと感情あらわにするキャラがいてもよかったかな。 -
第29回鮎川哲也賞受賞作。主人公が過去にタイムトラベルするという如何にもな感じですが、クローズド・サークル、見立て、一族の呪い、読者への挑戦など、中身はコテコテの本格で良い意味で面食らいましたし、SF要素が舞台設定だけでなくトリックのキモになっているところも好印象。
ただ、ルールに縛られ過ぎな感が否めなかったのは少々残念でした。 -
鮎川哲也賞受賞作。瀕死の妻のために謎の声に従い、過去にタイムトラベルした主人公。妻の祖先が殺害される「死野の惨劇」の真相を解明することが、彼女の命を救うことに繋がるという。
クローズドサークル、読者への挑戦と本格好きにはたまらない盛り込みよう。タイムトラベルとミステリの融合も面白く読んだが、犯行動機に関わる部分は少々物足りない。ただ次回作も読んでみたい。 -
物凄く凝ってる。
推理小説としては素晴らしい。
読み物としては及第点以下。
高校の時に「史上最高のトリック」と謳われていた「皇帝の嗅ぎ煙草入れ」を読んだ時を思い出した。
トリックがややこしいと言う印象しかない。
あれとおんなじ。
登場人物も多いし若いヒロインもいたのに、も少しなんとかならんかったか。次作に期待。