戦場のコックたち

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027506

感想・レビュー・書評

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  • 戦争の悲惨さもさることながらアメリカ軍の物資の潤沢さよ!
    悲惨な境遇においても他者を思いやることのできる主人公に救われた思いです。

  • 道理のない所では推理は際立たないっていう話。

    「ベルリンは晴れているか」が素晴らしく、自分の中でハードルが高くなってしまっていたのか、戦争モノと推理モノの両方入れて両方が弱くなってしまった感じがした。



    p. 310
    〈木々の根元には大勢の兵士や市民たちが眠り、ゆっくりと土に還る日を待っている。ここだけじゃない、あらゆる土地で、あらゆる人種の、あらゆる年齢の男女が、横たわり、永遠の時を過ごしている。〉

  • イラストを見ると軽い小説家と思えば、重厚だった汗。でも、面白かったです

  • メガネ。

  • 大1 ◎

  • 「2016本屋大賞 7位」
    九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1204998

  • ミニコメント
    生き残ったら、明日は何が食べたい?若き合衆国のコック兵が遭遇する、戦場の「謎」。直木賞・本屋大賞候補作。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/582036

  • コックたちが戦場における日常の謎を解く、という惹句から連想されるより遥かにタフなお話。ノルマンディーに始まり、マーケット・ガーデン作戦、アルデンヌの戦いと第二次欧州大戦史を少しでも齧った人間なら、おなじみのエピソードが続く。その中で対独協力者や戦争神経症、自軍に依る敵市民への暴行といったことさらにタフな話題が続き、名探偵までお話の途中であっけなく戦死してしまう。ミステリ仕立てというのは、こう言うお話をやるための謂わば口実だったのかなと思える、一兵士の目から見た戦争もの。

  • 面白かった、読むのに少し時間がかかったが、
    じっくり世界に入り込んで読む。兵隊の若者達と一緒に戦争の悲惨さ苦しさを体験して涙した。
    また読み返したい。

  • コック兵という主人公が新鮮。物資豊かなアメリカの視点で、和気あいあいと物語が進んでいく中、どんどんシリアスになっていった。
    伏線の張り方が見事!回収になってから、あれは伏線だったのか!と思う箇所がいくつもあった。

  • コック兵視点で見る戦争という設定が私にはとても新鮮でした。

  • 2016年本屋大賞7位

    後半から一気に面白くなった。
    エドの死、ダンヒルの秘密。ミハイロフ中隊長。
    祖母の言葉。友の名前を呟くシーン。物語を通して突きつけられる「もし」。
    謎解き要素よりは、綿密に下調べしたのだとわかる戦争、隊内、収容所等の丁寧な描写に魅かれた。日本人が描く欧米の軍人たちがリアル。読後に作者が女性だと知り驚いた。

  • 2020.12 この小説の感想は書けない。言葉にならない。

  • 戦場のコックたち / 深緑野分著
    https://libopac.shoin.ac.jp/opac/opac_link/bibid/SB00032396
    ===========

    人生の楽しみは「食べること」。そんな19歳のティムを軸に始まる戦争、料理、ミステリー小説。表紙を開くと初めから最後まで、1本の映画を見ているかの様な緊張感!進めば進むほど、次のページが気になってしまう。丁寧な描写が心を揺さぶり、引きつける。彼らはここにはいないのに、まるで自分の仲間のように思えてしまう。そんな好奇心をかき立てられる、まるで翻訳小説のようなリアルさを持つ小説です。時間を取って一気に読み進めてみて下さい。

    むつふる

  • 最近冷戦下の東ドイツを舞台とした小説を読んだところ非常に面白く、世界対戦~戦後の欧米に興味を持ち、本書を手に取った。
    コックの話なら比較的平和そうと思い読み始めたのだが、その予想はまったく的外れだった。
    あまりにもたくさんの死が描かれていて、途中読むのがつらかった。主人公と仲の良い仲間の死はもちろんだが、名前もでてこない人々のあまりにも大量の死が、そしてそれだけ多くの人が無くなったことはフィクションではないということが、読んでいて苦しかった。
    筆者の豊かな表現力があったからこそ、多くのシーンに、登場人物に、感情が激しく揺さぶられたのだと思う。
    筆者の他の本もぜひ読んでみたい。

  • 戦争で戦う兵士たちの話。心を休めるために謎解きを始めるのだが、正直、入ってこない。長い戦いで兵士たちが、疲弊していく様子がリアルすぎて、そちらが強く印象に残ってしまうからだ。主人公が気を紛らわすためにレシピをつぶやいている場面がよかったと思う。

  • とにかく長く時間を要した。説明が多過ぎ、謎解きも小粒で魅力に欠けていた。

  • 1983年生まれ!でこの内容。すごい。日常になってしまった死がありひきこまれた。

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    一晩で忽然と消えた600箱の粉末卵の謎、不要となったパラシュートをかき集める兵士の目的、聖夜の雪原をさまよう幽霊兵士の正体…誇り高き料理人だった祖母の影響で、コック兵となった19歳のティム。彼がかけがえのない仲間とともに過ごす、戦いと調理と謎解きの日々を連作形式で描く。第7回ミステリーズ!新人賞佳作入選作を収録した『オーブランの少女』で読書人を驚嘆させた実力派が放つ、渾身の初長編。

    日本人の視点での2次大戦かぁ、と思ったのですが、しっかり検証されていて作り物感なく?読めた。
    個人的に知り合えば人種間の壁など大きくはないけれど、戦時下ではそれが許されないし、国籍がわかっちゃうと今までの関係ががらっと変わってしまうのは痛い。
    軍隊生活の中でのミステリーを解きつつコックとして働くキッド=ティム。
    ラストのドイツでの再会がなんとも。

  • 戦場でもお腹は空く。キッチン担当の隊員もいるわけだ。
    副題の”Armed with Skillets” の方がセンスがいい気がする。

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著者プロフィール

深緑野分(ふかみどり・のわき)
1983年神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年刊行の長編『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞ノミネート、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』で第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞ノミネート、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補。19年刊行の『この本を盗む者は』で、21年本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」第3位となった。その他の著書に『分かれ道ノストラダムス』『カミサマはそういない』がある。

「2022年 『ベルリンは晴れているか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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