- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488027858
感想・レビュー・書評
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連作短編8編
映画製作会社に同期入社した男女6人の物語であるが,印象としては咲子の女子総合職の奮闘記.26年前にフィルムリレーをした思い出を蘇らせる形で,名画座の閉館に伴う最終上映に集まる面々.時間が経たないとわからないこともあるが,今までの人生も悪くはなかったとしみじみさせて明日へとつながるような,いい読後感だった.
そしてたくさんの映画が登場し,とても懐かしかった. -
2018 9/5
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67年生まれで映画会社に勤めていた経験のある著者の、おそらく自伝的な小説なのだろうか。地方の映画館に、かつての同期だった男女6人が集まるところから物語が始まる。そんな現在から、30年時間が遡り、それぞれの新人時代が章立てで語られていく。そのエピソードをつなぐのは、かつてフィルムだった映画のフィルム缶。地方セールスに配属になった同期が、上映スケジュールに合わせてフィルムを運ぶ“ケヌキ”リレーでつながっていく。フィルムだけでなく、新幹線はひかりで、電話はコレクトコール。電話ボックスに並んだり、ポケベルを鳴らしたり。アイテム的にも世代が見ると懐かしいものが目白押しだ。語り口もうまいが、ベースになっているのは、女性の社会進出の問題、ジレンマ。著者がおそらく経験したであろう感情は、リアルに伝わってくるし、全ての女性が悪者になっていないところが良かった。
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バブル期に中堅映画会社に入社した同期の物語。
バブルがはじけた直後に社会に出た私にも重なるところが多々あり、時に懐かしく、また苦い気持ちもよみがえった。
職種に関わらず、女性が社会に出て働くのは今もやはりしんどい。
男性だってしんどい。
この小説に出てくる人達は、理想の自分とかけ離れた今の自分をのみ込んで、それでも前を向いて歩いていこうとしている。
歳をとって、過去を振り返って、ようやくあの時の自分と向き合える。
今なら、周囲の人の気持ちや行動も、理解できなくても、ああ、そうかと思える。
咲子にはまた映画の世界に戻ってほしい。
きっと無駄なことは何もないはずだから。 -
映画会社の同期の同窓会的な場面から始まり、昔を振り返る。男性と女性とでは同じ時間を過ごして来ても感じることが違いすぎ。フィルム時代の苦労話は面白かった。
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なんか今一つ入っていけなかった。
2018.7.31 -
【映画好きに悪いらつなんかいるか!、】
自分には響かなかった。
もう少し、といっても後20年、働けば何かわかるのかな。 -
違ったなあ。 映画の話じゃなくて、映画興行の話。
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映画会社に平成元年に入社した6人の男女。
それぞれの事情と葛藤と生き方が
フィルムリレーで表現される。
人はいろんな面を持ってるんだなぁと感じるし、
人は一筋縄ではいかないなぁと改めて思う。
ないものねだりな感じがするのは
誰でもそうなのかなぁ。
いくつになってもその時を思い出せるのは
同期の良さだなと思う。
今は今の良さがきっとあるけれど、
映画がフィルムだったころ、
きっと今とは違うドラマがたくさんあったのだろう。