ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ
- 東洋経済新報社 (2014年10月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492533482
作品紹介・あらすじ
ファシリテーションとは、会議や議論で参加者・チームの意見をどう引き出し、より良い結果を導き出せるか、そのマネジメントの手法である。著者は、大手企業やビジネススクールで数多くのファシリテーションを行い、ファシリテーターの「プロ」育成も手がけてきた経験を持つ。グロービスの講師育成に携わってきた。本書のアプローチは、リーダーシップの中核をなす総合的なスキルとして、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングを使いながら、参加者の個々の感情やコミュニケーションを重視している。ファシリテーターの頭の中(思考プロセス)をどう作り上げていくか、すぐに実践できるノウハウも収録している。
感想・レビュー・書評
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大半がロジカルシンキングと重複
つまり、
ファシリテーターとは、会議での論理的な意思決定をサポートする役であるということ。
そのためには、
イシューは何か?Why/SoWhatを繰り返し、ピラミッドストラクチャーを意識して、参加者を正しく導く必要がある。
本書では、そのための"仕込み(準備)"と"さばき(実践)"の手法が本書で示されている。
以下、メモ書き
◆ファシリテーションに必要な要素
・技術:"仕込み" "さばき"
・思考力:"問題解決" "構造的な話の理解力"
・基本姿勢: 人の可能性を信じ、引き出す
◆仕込み(事前準備)
・議論の「出発点』と「到達点』を明確にする
・合意形成の4stepの状況を見極める
①議論の場の目的共有
・場の目的は?
・合意に向けた手続きは妥当か?
・参加者の期待役割は?
②アクションの理由の共有・合意
・問題の明確化(ASISのGAPを具体的に確認)
・問題箇所の特定(効率的な議論に向けた確認)
・真因の追求(広げる→絞る→深める)
③アクションの選択と合意
・選択肢の洗い出し
・選択基準を揃える
・リスクと対応策の確認
④実行プラン・コミットの確認・共有
・議論内容の遂行を確実にする
・参加者の状況を把握する
・認識レベル:前提、中身、場
・意見/態度:賛否の対象、理由、背景
・参加者の関係
・仕込みの進め方
・目的は論点の地図を作る
・議論のリードには「論点把握」が重要
・仕込みの順序
①広げる:合意形成のstepを細分化する
②絞り込む:要議論、確認、保留で分ける
③深める
・重要な論点を対象に議論の切り口を用意
・in/outputの関係から論点を洗い出す
◆さばき
・参加者の意見を引き出し、適切に導く技術
・ファシリテーターは控え目な言動を心掛ける
・さばきの基本step
①発言を引き出す
・発言意欲を高める
・刺激をを与え発言を促す
・本当に聞きたいという姿勢を明確に示す
②理解、共有
・以下の基本動作を繰り返し、
論点/主張/根拠/発言目的を丁寧に読み取る
・発言を聴き、理解する
・発言を受け止めたことを示す
・理解を確認する
・参加者全員が発言を理解できるようにする
・深く理解するために重要なこと
・論理の三角構造(帰納/演繹)を意識する
・主張の欠落を問いかけ確認する
(主語/根拠/論点は明確か?)
③方針決定
発言を意見か論点かの2面で捉える
L今ここで議論すべき論点
L論点の共有が十分で議論が活性化
→STAY(介入しない)
L論点の共有が不十分で議論が活性化
→論点再確認強化
L議論の活性化が必要
→議論促進(広げる/深める)
L今ここで議論すべきでない
L議論すべきだが、今ここではない
→後回し
Lそもそも議論すべきでない
→軌道修正
④結論
・議論をまとめ、結論付けるときは、
決定、未決事項を明確化し参加者に確認する
・纏まらない場合、条件付き合意が有効詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ファシリテーションには事前準備が何より大切だということを教えてくれる本。
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ファシリテーションをうまくできるようになりたかったら、これでもかというくらいの準備が必要だということがわかった。準備の仕方もめちゃくちゃ細かく説明されているのでわかりやすかった!
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コンサルティングファームで経験を積んだベテランが一生懸命詳しく書いた本、という印象。内容は至極真っ当だし、為になることも多いですが、いかんせん情報量が多すぎる。
章の中でも細かく項が分かれていて、一つ一つの項にびっしりと文字が書かれているので、各項がとういう構造になっているのか頭に入ってこない。編集の問題もある。この本が違和感なく読める人はなかなか忍耐力があるなぁと思います。
とはいえ、基本的には良書です。特に、冒頭のbadエピソードがいいですね。誰しもが一度は経験、ないしは目にしたことがあるシーンだと思います。惜しいのが、badに対するgood例がない点。bad例に対して、今の半分くらいの分量でメリハリついた簡潔な説明を入れて、good例で締めるとよかったのだろうなと思います。各トピックの最後についている纏めはハイレベルすぎて上滑りする印象。
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腹落ちとは、目的と理由を深く理解し、具体的にあるべき姿を自ら描き、ワクワク感や当事者意識「持てるレベルまで納得すること
合意形成のステップとして、
・何の話をなぜここでするのか?
・なぜそのアクションをとるのか
・どのアクションを選択するのか
・誰が、いつ、どうやってやるのか?
参加者の状況を把握するためには、
・ファクトを用意する
・参加者の意見や態度を予測する
賛否が出た際には
・どこに賛成・反対しているのか
・なぜなのか やるべきではない?やりたくない?できない?よく分かってない?
・その人の境遇や背景を慮る
・参加者相互の関係性を考える。現場の意見はどうか?マネジメントの意見はどうか?
論点は発言されないことが多い(発言者自身が意識していない)。かつ、複数の論点が混じっていることも多い
論点は、広げる、絞る、深める
・フレームワークを活用して広げる
・議論すべき論点、すべきでない論点がある。到達点に至る上で合意が必要?主張に対立がある?その場の参加者で結論出せる?全てYESのときに議論する
・論点をさらに因数分解して深く切り込む
問題解決のステップ
What, Where, Why, How
・何が問題なのか?
・どこに問題があるのか?
・なぜそうなのか?
・どうすれば良いのか?
・人材が確保できないことが問題?人が辞めること自体が問題?
・どんな人が、どの時期に、どの部署で辞めてる?
・なぜ辞める?指導がきつい?仕事が多い?
・給料を上げる、話を聞く、評価制度を変える
場の目的共有
・何を決めるのか?
・誰がどうやって決めるのか?必要な情報は揃っているか?
・参加者は何を期待されているか?
原因広く洗い出すためには、
状況の映像化。問題が起こったシーンをイメージして、問題を言語化する
あえて逆を考える。逆にどういった状態になれば問題が生じないのか?
案の評価結果は、ゴールではなく、議論の出発点。評価基準の重み付けや、課題の重要性・緊急性、など勘案して決める必要がある
意見が出たときは、
・何について?どの論点?
・何だと言ってる?
・なぜそうだと言ってる?
・何のためにその発言をしている?
集団の進化ステップ:烏合の衆→対立→団結→変革 -
立場上、会議をファシリテートすることが多いのですが、
この本に書いてある内容は、すごく腹落ちしました。
とはいえ、実践出来ているかと言えば、また別の話。
誰に参加してもらうべきか、議論する内容の組み立て方、
どんな展開が行われるかといったシミュレーション、
どれも重要な内容ではありますが、ファシリテーション
だけを仕事にしているわけではないため、どうしても
準備がおろそかになってしまいます。
とはいえ、準備したほうがうまくいくのは事実なので、
時間との兼ね合いで何から取り組めばよいのかと、
優先順位を決めて準備して会議に臨んでいきたいと思います。
この本の良いところは、準備以外の会議進行における、
さばきの部分にも触れてくれているところかなと思います。
【勉強になったこと】
・ファシリテーションの本質は、会議に参加している
メンバーから意見を「引き出し、決めさせ、自ら動く
ことを助ける」ことである。
・会議をする意義は、1人で決められない・考えきれない
多くの物事を決めるために、前提の違うメンバーが
集まって決定していくことである。
また、決定した内容に対して腹落ちしてもらうため。
・合意形成のステップ
場の目的の共有・合意→アクションの理由の共有・合意
→アクションの選択・合意→実行プラン・コミットの
確認・共有
・人は自分が十分に理解・納得・検討する時間を
与えられずに判断を求められると強いストレスを感じる。
・多くの人は議論に参加する際、無意識に場の空気を探り、
それに適応しようとする。
そのため、会議の冒頭の空気は極めて重要。
・合意形成のステップを細分化することで、
合意に向けた会議の構成を詳細に考えることが出来る。
・人は多くの場合、何らかの問題・課題に直面すると、
どうしたらよいのかから考えてしまいがち。
そうではなく、問題の本質を捉えるためにも、
What→Where→Why→Howの順番で整理するとよい。
・因果関係が成立するのは以下の3つがそろったとき。
相関関係がある
時間的前後関係がある
第三因子が存在していない
全てを確認する時間はなかなか無いので、上位2つだけ
でよいから確認するという姿勢を怠らないこと。
・本当は言いたいことがあるのに言えない人に対しては、
発言を躊躇する原因を取り除くことが重要。
場合によっては、個別にヒアリングするといったこと
も効果的。
・ファシリテーターは議論している内容を完全に理解
出来ない可能性も十分にあり得る。そんなときは、
知ったかぶりをするのではなく、素直に確認する
姿勢を見せることで、理解も深まり信頼も得られる。
・メンバーは話したいことを整理して参加しているわけ
ではないため、話している内容が重要だったとしても、
内容が理解しづらいこともある。
そんなときは、何が足りないからわかりにくいのか、
といった視点で傾聴し、聞いた内容を補足するような
質問を投げかけるようにするとよい。
・メンバーの発言を引き出す方法
①発言に対する意欲を高める
話しやすい、興味を持ちやすい論点から始める
個人名で呼びかける
立場・役割から発言を促す
②発言をしやすいような刺激を与える
論点を具体的に絞る
反対意見、別の意見を求める
事例を紹介する
制約となっている条件を除外する
・今、ここで議論すべきではない論点を見極めること。
見極めのポイントは、今議論しても結論が出せない、
そもそも議論すべき内容ではないの2つ。
・議論すべきではない論点が話されている場合は、
議論を止める必要があるが、議論を遮られることで、
人は以下のような不安・不満を感じてしまう。
- 自分の意見が他人から否定された
- 自分の意見や論点には価値がないと見なされた
- 自分の意見を理解してもらえない
そのため、無理に議論を止めるのではなく、
話している本人に議論を止める必要性に気づいてもらう
といったアプローチが大切。
まずは共感し、その論点を話す前に話すことがある
ことを提案するといったアプローチが有効。
・会議の最後は、決まったことはもちろんのこと、
決まらなかった内容に対してもケアすること。
決まらなかった内容については、何がないから決められ
なかったのかを振り返り、それを解決するための
アクションプランについて合意すること。
・本来は会議をコントロールしないほうが会議はうまく
進むもの。自発的に話してもらう、まとめてもらう
といったことを会議参加メンバー自ら出来るように
仕向けることがファシリテーターの腕の見せどころ。
ファシリテーターはメンバーのロールモデルであり、
サポーターであることが最も大切。 -
私には難しかったかも…もう少し噛み砕いた本を読めば良かったです。読んでる最中に眠く…。
内容自体は良いのは分かるのですが…理解するには何度か読み直す必要がありそうです。 -
章の最初のストーリーが悪い例なんだろうけど、投げっぱなしで理想の進め方が示されないまま。
その後ととの関連が分かり難い。
対立のコントロールは具体的な気がする。
質問の例は多い方か。
途中読んでて眠くなったけど、薄いのでそれほど時間かからなかった、それは良かった。
同じ内容というかこの本をベースにもっと分かり易くしたら強くなりそう。図が分かり難い。もっと図を追加した方が良いと思う。 -
すごく勉強になる良い本だった。でもわかるとできるは違う。私、一向に上手にならない。困った…
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《ファシリテーションの全てが1冊で学べる良書》本書は、ファシリテーターに必要な技術を、基礎スキルから上級テクニックまで、幅広く網羅している。これを読み、内容をもれなく実践できれば、完璧と言えるのではないかと思えるくらい、充実した内容だった。これほどに密度の濃い本は久しぶりで、これからも長く頼りにしたい、非常に心強い1冊である。ただ、ファシリテーションがいかに複雑で高い能力を要するものかもよく分かった。1回読むだけではとても身に付かないので、実践を繰り返す中で確実に身につけていきたいと感じる。
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著書の先生の授業を受講して、テンションが上がって購入(ただ、受けた授業のテーマはこれとは違うのだが…)。
当然と言えば当然であるが、過去に受けた「ファシリテーション&ネゴシエーション」の復習のような内容。
ノウハウ本なので、いきなり全てやるのは難しく、自分の気になったところをピックアップ。
「仕込み」と本番の「さばき」の二章立てなのだが、自分がファシリテーションをした場面を思い出しながら読むと、どうも今の自分には「仕込み」に課題があるらしい。
・「仕込み」=議論の出発点と到達点を明確にする、参加者の状況を把握する、議論すべき論点を洗い出し・絞り・深める
・参加者の把握は、話されるテーマから、何を知っているのか、どのような考えを持っているのかを考えるのがポイント
・論点とは「その意見や主張がどういった問いに答えているのか」ということ
・いろいろあるが、絶対に忘れてはいけないのは、「議論の到達点」と「重要な論点とその関係」
ちなみに、先生曰く、帯裏にキーフレーズが隠れており、電子版より本を買った方がよいとのことです。 -
図書館で借りた。
いつからかビジネス・社会人において、「ファシリテーション」が一つの必須技能みたいに広まった気がする。ファシリテーションはよく「上手く会議などを回す司会者」的な説明・解説がされるが、本書は会議運営に加え、「仕込み」が大事であると説く。それはたしかに、私もそう思う。
全体の半分近くを仕込みに対する説明・解説で費やす構成なのが本書最大の特徴。後半の「さばき」に関しては、他のファシリテーションの本にもありそうな内容という感じで、そこまで珍しさや意義は感じなかった。
また、本のタイトル通り「教科書」チックに構成されているのも特徴だ。ノートに整理したくなる、非常に綺麗なまとまりを感じた。 -
ファシリテーターの教科書と言うタイトルの通り、議論や会議をいかに進めてさばくかと言う目的に対して、押さえておくべき基本やさらにレベルアップするための基本的事項、技、テクニックを網羅しているような本。
3、4年前にもこのような内容の通信教育を受けたけれども、この本で充分だったなぁと思う。
ファシリテーターは、単なる会議の進行ではなく、課題解決のステップをであると捉えた方が良さそう。
印象に残ったのは、上司と部下の関係の人が会議の間に入る場合、上司におもんぱかって、部下が発言できなくなった際、部下の人の意見を出す方法とか。 -
グループが機能するためには、ファシリテーターのスキルがとても大事。事前の準備から実際にどのように場をさばくかまで、詳しく書いてある。すぐにできるとは思わないが、知っていると知っていないでは違うと思う。
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仕事がらファシリテーションが必要なときがあり購読
引き出し、決めさせ、自ら動くことを助けるがファシリの本質
そのためには腹落ちが必要
事前の仕込みと実施中のさばきが必要
仕込みは、議論の出発点と到達点を明確、参加者の状況を把握、議論すべき論点を広く洗い出し、絞り、深める
詳しくはこちら
https://blog.hatena.ne.jp/takeoido/takeoido.hatenablog.jp/edit?entry=4207575160644992275 -
全ビジネスマンにおすすめ
ただし、クリティカルシンキングの習得が大大大前提だと感じる。
この書籍マスターし、社内でも力を持てれば、相当イケてる感出せると思う -
ファシリテーターとして必須な点として、
まず、議論の出発点と到達点を明確にすること。
参加者は何を知っていて、何を知らないのかの認知レベルを押さえること、併せて、それぞれの意見や態度押さえる。
議論は、広げてから絞る=議論すべきもの、すべきでない物、確認するもの、おいておくものを分類していくこと。
なぜから始めるのではなく(この議論になりがち、、)どこが問題となっているのか、何が解決すべき問題なのかから議論を始めること。 -
ファシリテーターの役目とは何か、どうやってファシリテーションしていけばいいかを、論理立てて文章化した本。
今まで何気なくやっていた会議進行。これが体系化されており、目からウロコな内容が多かった。
今の自分が出来ている事も多数あったが、全く出来ていないことももちろん多い。この本で学んだことを早速活用して、身に付けて行けるようにしたい。まあ何回も読み直して愚直に経験を積んでいくしかないな。 -
議論を取り仕切るファシリテーターの務めが分かりやすく書かれており勉強になった。
身につけるにはとにかく実践あるのみ。