勉強するのは何のため?―僕らの「答え」のつくり方

著者 :
  • 日本評論社
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535563292

感想・レビュー・書評

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  • 読み返したくなったので、再読。
    再読後のレビューです。

    勉強する意味は、自分で見つける。
    より良く生きるため=「自由」になるため、に学ぶ。

    そして、全ての人がより良く生きたい=「自由」になりたい、ということを互いに認め合うことが「自由の相互承認」である。

    その〈「自由の相互承認」の感度〉を高めるために学校へ行く。


    個人的には非常に納得がいくが、納得がいかない人と腹を割って話したことがないので、納得がいかない人はどのような考えがあるのだろう。
    非常に気になります。

  • なぜ勉強しないといけないのか。
    それは自由になるため。
    そして学校では自由の相互承認を学ぶ。

    一般化のワナに陥らないことと、問いのマジックに惑わされずに共通了解を導きだすことが哲学において非常に大切である。

    Todoは
    物事や言葉の自分なりの正解、共通了解を導き出してみよう。

  • 中高生向けとはいいつつ、大人でもきっと興味深く読めるだろう。どうして勉強するのか、自分にとっての納得解を考えるということを哲学を駆使しながら書いていて、今の教育やこれからの教育などについても言及されていた。学校においての人間関係など難しい問題も多いが、様々な考えを踏まえて教育に向き合いたい。そして自分自身の納得解も考え続けたい。読後、自分の中で少し整理されたような気がした。

  • 哲学的視点
    『納得解(誰もが納得できる解答)』
    から見た 勉強の重要性を
    わかりやすく解説している いい本でした。
    また、子供達が集団で一緒に勉強する
    小・中学校などの義務教育制度で学ぶことの
    メリットとデメリット、
    そして そのデメリットを解決するための
    著者からの提案も示されており
    今後の 日本義務教育の改善に期待できそう
    に感じました。

    教育学の専門家が読むには
    物足りなく感じるかもしれませんが、

    子供や学生、子供を持つ親御さんの中で
    『勉強ってなんだろう、
     なんのために学校に行くの?』
    と疑問に思った人に
    ぜひ オススメしたい本です。

  • なるほどなーと思いました。学歴が必要なのはわかります。しかし、私の疑問の本質は、なぜつまらない学校の勉強をしないといけないのか?でした。解像度が上がりました。答えとして、人間は自由への渇望があるから拘束されるのがキツい。これが腑に落ちました。
    勉強することでメリットとして学歴があると選ぶことが出来ます。これが自分の選択肢の自由度に繋がります。なので勉強は必要だと感じました。
    自分がやりたいことに近づくには、力がいる。その力を得るのが勉強でした。

  • あちらとこちら、どちらが正しいか?じゃなくて、あちらもこちらもできるだけ納得できる、第三のアイデアを考えよう。
    勉強する意味に絶対的な正解はない、と深く自覚すること。(ニヒリズムを乗り越える)絶対的な正解はなく、自分にとっての正解を見つけること。

    唯一絶対の答えを求めて「なんで勉強なんかしなきゃいけないの?」と問うんじゃなくて、「自分はどういう時に勉強に意味があると思えるんだろう?」と問うことが重要。

    ズバリ答えは<自由>になるため。「生きたいように生きられている」の感じるため。

    なんで学校に行かなきゃいけないの?
    わたしたちが<自由>になるための最大の条件が<自由の相互承認>の感度を身に付けることだから。自分の<自由>を守るために相手の<自由>を認めること。学校はその感度をはぐくむためにこそ存在している。

  • 自由の相互承認 の感覚を磨く為に学校に行く という考え方が目から鱗だった。
    子どもも大人も、学校に行く意味をそのように捉えている人がどのくらい居るだろうか。

  • 皆分かり易い回答を求めているので、それを提供してくれる人が求められる社会ですが、そんな中、「一般化の罠」や、「問いかけの罠」を紹介しつつタイトルの問いに絶対的な回答はないことを示し、その上でニーチェのニヒリズムへの対応策から、「自由になるためだ」という一つの解を示すというのは非常に好感が持てました。

    また、何故学校に行かなくてはいけないの?の回答についても、学校に行く理由を「自由の相互承認」の感覚を得るためとまとめていたのは面白いと感じました。

    個人的には皆それぞれが学力や、自由の相互承認の感覚を身に付けるためには、横並びではなく、それぞれに合った速度での学習の方が、不満がなくてよいんじゃないかと思ったりしますけどね。現状の一つの教室に30名ほどの子供を集めて同じスピードで学習させるってのは粗いやり方な気がしています。

  • 読みやすいし面白かった。
    自分が学生の時に知りたかったなぁ。勉強をする意味。

    自分の経験を一般化しない。これ気をつけよう。

  • 一般化のワナや問い方のマジックは、陥りやすい思考ですね。
    気づきができただけでも、これからの人生に違いを与えてくれると思います。
    自分自身、学生時代のときに読みたかったーと思える内容でした。
    自由になるためには。自由でいるためには。自由とはどういう状態なのか。これから未来を作る若い世代に、学生時代から考えて、自ら自由を掴み取ってほしいですね。
    他の著書も読んでみたいです。

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著者プロフィール

哲学者・教育学者。1980年生まれ。熊本大学大学院教育学研究科准教授。博士(教育学)。早稲田大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程修了。専攻は哲学・教育学。経済産業省「産業構造審議会」委員、熊本市教育委員のほか、全国の多くの自治体・学校等のアドバイザーを歴任。著書に『学問としての教育学』(日本評論社)、『「自由」はいかに可能か』(NHK出版)、『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)、『勉強するのは何のため?』(日本評論社)、『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマ―新書)、『「学校」をつくり直す』(河出新書)、『教育の力』(講談社現代新書)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)など多数。

「2022年 『子どもたちに民主主義を教えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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