- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569607269
感想・レビュー・書評
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昔は今の観念でいう「差別」はなかった。弱者利権が新たな差別を生み出している。語調がやや堅くとっつきにくかったのが難。
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事例によって共感できる箇所とできない箇所があった。
でも読んでるときに沢山考えた本だった。
結構昔に出された本だったのね~。読んでよかったとは思うけども。
「今の時代誰でも‘弱者’になりうる」かぁ…うーむ… -
[ 内容 ]
「弱者に優しい政治を」「差別のない明るい社会を」といった、だれも異議を唱えることのできないスローガン。
しかし、現代社会における「弱者」とは、ほんとうはどういう存在なのだろうか?
本書では、障害者、部落差別、マスコミの表現規制など、日常生活で体験するマイノリティの問題について、私たちが感じる「言いにくさ」や「遠慮」の構造を率直に解きおこしていく。
だれもが担う固有の弱者性を自覚し、人と人との開かれた関係を築くための考え方を「実感から立ちのぼる言葉」で問う真摯な論考。
[ 目次 ]
第1章 「言いにくさ」の由来(「弱者」というカテゴリー個別性への鈍感さ ほか)
第2章 「弱者」聖化のからくり(建て前平等主義部落差別をめぐって)
第3章 「弱者」聖化を超克するには(共同性の相対化言葉狩りと自主規制問題)
第4章 ボクもワタシも「弱者」(既成概念の見直し新しい「弱者」問題)
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
弱者、この本が取り上げるのは例えば被差別部落出身者や障害者なんだけど、彼らについて語るときに感じる遠慮みたいな、それは何だろうから始まる。
三つ挙げていて、その一つがある時代で広く支配的な「正しさ」の共通観念に人々は支配される。言ってみればちょっと流行った「空気」ってヤツ。
二つ目が「言ってみても問題は解決しない」とゆうあきらめ、もう一つが切実さの欠如、メディア情報の氾濫。
現代社会のいたずらな弱者の記号化みたいな、例えば電車の優先席とか、そこを問題にして何が弱者かを問うことから始めるべしとする。
情緒のファシズム、ことさらな言挙げや賛美が「弱者」に聖痕を残し不必要な境界線を引く可能性を指摘。
出生前診断と中絶について、それは障害児を持つ親と同じ直線上にある考えで、ナチスの優生思想的な差別には直結しないとゆう議論。『五体不満足』のことさらな明るさに対しても。
それとアイデンティティの主張で差別が不可欠になってしまいつつある被差別部落の話。マルクスが指摘した下部構造が上部構造を形作るとゆうものについて。差別ー被差別のパラダイムで物事を考えているのは現在のおれたちでその考えを過去に戻ってあてはめることはできないこと。小林よしのりの部落フェスの主張が現在では意味を持たないこと。
個別性と普遍性、言葉狩り、生産年齢人口の見直し、ハゲ、デブなどのエロス的領域の弱者など幅広く扱っていてとてもおもしろかったし勉強になった。
たださーっと読んだので細かいところの論理の整合性とかはあまり見なかったですけど。例えばガラス張りになった駅とか。ありゃ誰かが落ちたら他の客や経済全体への悪影響があるからと思うんだけど。 -
20100114
違う考え方を知る本。買った方がよい。買え。
鋭い指摘で「弱者」への「差別」を疑う本。
エリートの弱者切り捨てな話ではない。
在日・同和の「しるし」や、ハゲは性的問題だから差別じゃないとか。脳みそコネコネな論点提示が気持ちいい。 -
まぁこういう意見もありますよね。
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所謂マスコミの勝手に作った差別を本書に表している。
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弱者というか、この社会の人間関係などを書かれている本。
主に「弱者」=「差別」だとも感じられる内容で
よんでいて、心が痛くなったりもしましたし、いらだちを
感じる部分んもいくつかありました。
また、共感できるところもありました。
このような本はなかなか読まないけれども、
今回読んでみて、よかったと思います。
今まで、小説や物語などしか読んでなかったので、これを機に
このような本も読んでみて、社会のことをもっと知りたいと思います。
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弁舌鋭く意地悪だがこの本に限っては頷くばかり。
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「差別」というわかりにくい概念を、そのわかりにくい部分について感覚的な視点から解明している本です。
弱者とかそうゆう問題ではなく、「自分はほんまにかわいそうな人間やねん」と思ってる人が一番かわいそうです。
差別問題に違和感を感じている人なら、大方同調できるのではないかと思います。