ウナギ 大回遊の謎 (PHPサイエンス・ワールド新書 58)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569796703

感想・レビュー・書評

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  • どうやってウナギの天然卵を発見したかというだけでなく、どうして今まで見つからなかったのかについて、その時々の作業仮説に基づいて述べられているのが、night scienceの記録として面白かった。

  • おもろい。自然科学にはロマンがある。

  • ウナギは淡水魚と思っている人が多いが、実はニホンウナギは遠く数千キロも離れた太平洋のど真ん中で毎年、産卵していた。本書は、大海原で親ウナギが産卵する瞬間をピンポイントでつかまえたい、この究極の謎に挑んだ科学者たちの冒険の記録だ。度重なる失敗にもめげず、海山仮説や新月仮説や塩分フロント仮説などで絞り込み、ついに世界初、親ウナギの捕獲と天然卵の採取という金字塔樹立までの足跡を追う。

  • ウナギの卵発見譚。
    ウナギの生態には謎が多く、「ウナギは何を目印に産卵場所に集まるのか?」「親ウナギの回遊ルートはどこか?」「なぜウナギは大回遊するのか?」といった当然の疑問は未だ解決の目を見ておらず、2009年にようやく天然の卵が発見された。アリストテレスが「ウナギは泥から生まれる」と言ってから2000年以上を経ての快挙だ。何故こんなにも長い間ウナギの天然卵は発見されなかったのか。本書には発見に至る確かな足跡がある。
    『発見譚』以外の要素は薄めではあるが、これなくしてウナギは語れない、抑えておくべき一冊。

  • 【不思議だな】
    ウナギってあたりまえのように売っているけど、謎めいているのですね。
    謎を解き明かそうとする探究心に感銘です。

  • 人類はどんなに陸の上で威張っていても、海の中のことは何にも知らない。
    ウナギという身近な魚さえどこで、どのように産卵するかすら分からない。その謎に挑んだ研究者。海流や塩分濃度を考慮に入れても、結局は卵や稚魚が網に入るかどうかの運だのみ。誠に海は広い。
    一人の研究者の研究史としても面白かった。
    資源が減り続けるウナギ。安く完全養殖が実現するといいな。

  • story of Japanese scientists who devoted themselves to pinpointing eels' laying eggs place in the western Pacific Ocean.
    impressed by their persistent endeavor and pure passion.
    they concluded that the very place was where West Mariana Ridge and the salt front, or shio-me, meet together and their hypothesis turned out true.
    this kind of reseach will contribute to preseving eels as a vital food resource and developing complete eel farming.

  • 世界で初めて天然ウナギの卵の採取に成功した研究者の記録。広い太平洋で僅か10km四方の産卵場所を特定するなど、すごい大発見である。
    天然ウナギの生態を調べる事で養殖の効率を上げる事が可能らしい。という事は、調査に対する執念=美味しく安い鰻をたくさん食べたい、という事なのだろうか?確かに第一次海洋調査の懇親会は鰻屋だったと書いてあるw
    資源が枯渇する前に早く養殖技術を確立してほしいものだ。

  • ウナギの生態が近年まで謎に包まれていたというのは,よく知られた話だが,「では,どの辺が謎だったの?」と聞かれると,上手くこたえられる人は少ないだろう.
    ウナギは回遊魚である.海で生まれ,河に遡上し,産卵のためまた海に帰る.そこまで分かっていながら,生態が謎に包まれているとされていたのは,数千キロにもわたる大回遊を行っているにもかかわらず,産卵ポイントがごく狭い領域に限られており,しかもそれが毎年転々とするので,産卵している姿や卵の姿が捉えられていなかったからである.本書では,ウナギの卵発見に至るまでの,世界の(そしてとくにアジアの)研究者の取り組みが,比較的詳細に描かれている.ちょっとした謎解きのような感覚で読めるだろう.

  • 20121001

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著者プロフィール

東京大学名誉教授・前日本大学教授

「2019年 『ウナギの科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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