姑の遺品整理は、迷惑です

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575241532

感想・レビュー・書評

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  • まだ母は健在ですが、こうならないようにいらないものを処分しないとなぁと思いました。
    もう「あるある」ばかりです。それに整理だけですが、疲れるんですよね。親族だとどうしても捨てられないという気持ちもわかります。
    でもこの団地は人間関係がきちんとしている地域のようでうらやましいです。

  • 読後感のいい作品です。垣谷美雨さん「姑の遺品整理は、迷惑です」、2019.2発行。姑、多喜が78歳で急死、エレベーターのない団地の4F、望登子の遺品整理二ヶ月半の物語です。前半は物の多さに途方に暮れ、きちんとしてた実母と比較し、義母を嘆く望登子。後半は団地の人々から義母への感謝の声の多さ、そして人柄の良さが知らされ、遺品整理によって、義母を、実母を理解することに。義母と実母の日記、日記のスタイルは違えど、共に、家族や隣人への愛が詰まってました。

  •  最初は、垣谷さん、あたしに取材に来たのかしら?と思えるほど共通点が多くて。笑っちゃいましたね。「安物買いの銭失い」を絵にかいたような義母でした、はい。いまだに1割も片付いておりません。お鍋も薬ももちろん下着も半端ない多さです。ただ彼女のように都心ではないので、車で運べます。一軒家なので階段の上り下りもありません。でも、「お義母さん、もう少し片付けておいてくれてもよかったんじゃない?」というつぶやきは同じですよ。

     後半が違うんだな(当たり前だけど)。夫が毎週末に通うとか、近所の人から「恩返ししたい」なんて申し入れがあるとか。たいていはそんなどんでん返し的なものはないでしょうねえ。

     とにかく、自分は息子たちに迷惑をかけたくないなと固く思いましたよ。まず、夫のアマゾン依存症を何とかせねばですけどね。先は長いです。

  • 姑が突然死し、姑一人で住んでいた団地の一室を片付けることになった主人公。
    最初は、姑の飼っていたうさぎに対する悪口(汚い毛布・・・笑)とか、姑に対する文句が軽快で笑えた。
    実母は立派だった、それに比べて・・・と文句ばかりだったのが、姑の生前の善行が明かされていくにつれ、実母と姑、どちらが良いのかわからなくなっていく。
    立派過ぎる人は周りにも厳しい、周りを追い詰める、というのはそうだと思う。
    主人公も、実母とは同居することなく距離があったから、一生憧れ、尊敬するすばらしい母として見ていられたのだろうと思う。
    キャラクターは違えど、実母も姑も、人を思ってのことだから、どちらが良い、悪いということはないんだろうね。
    どちらが楽か、ということはあるにせよ。

    「終活」という言葉が生まれてしばらく経つけど、本当に終活してる人はどれだけいるんだろう?
    不動産は負動産と言うらしいけど、姑の遺品整理を急いだ理由は賃貸だからであって(明け渡しまで家賃がかかりつづけるから)、持ち家ならそもそも遺品整理を急ぐ必要もなかっただろう。
    結局、なにごとも「一長一短」。これに尽きるのだ。

    冷静で合理的な人物として書かれていた実母の日記には泣けた。
    私も、こどもが生まれたとき同じように思ったよ。
    昔の人は「こどもは3歳までにすべての親孝行をする」と言ったらしいけど、それは「3歳までの子どもがかわいいから」ではなく、生まれたことによって親の孤独をなくしてくれたことが親孝行なんだと、私は常々思っている。
    この本の登場人物たちと、最後にこの感情を共有できた気がして、涙が出た。

  • 初めて読む著者の作品だったけど、あるあるすぎて(当事者になったことはないのに)面白かった!舅のネクタイなどを処分したことを夫に報告すると「ネットで売ればよかったのに」「なにかに作り直せばいいのに」とか自分はやらないくせに文句言うくだりとか。いざ遺品整理に連れていくと何も捨てられず自室にいらなそうな土産物のガラスケースや親の給与明細の束を持ち帰ったりするあたりとか…。
    それでも夫とのなかはわりと良好で、友達もいて、誇りだった実母にちょっと寂しくさせられたり、うざい姑だったのに、そういうところに救われてた人に囲まれていたんだと実感したり。終わり方もまとまりよく、TVドラマ化しそう。サクサク読めて後味もよし。
    ほかにも気になる時事問題のタイトルがよく見られるので読んでみよう。

  • 迷惑やというセリフが最初は嫌だったけど
    後半義母の生き方がわかってきて
    このセリフが減っていくのが良かった。
    物をためる義母が嫌なのはわかるけど
    急に死んだらそうなるよ。
    物なしですっからかんに生きるのは難しい。
    身体が動くうちに整理しないといけないということはわかった。

  • タイトルに惹かれて読み始めました
    自分自身と重ね合わせた、うなずくことばかり
    夫に対して、お前が片付けろよ!って
    声を大にして言いたい

  • 実践片付け本ではなく、フィクション片付け本。心温まる片付けストーリーを描くこちらの著者の方!

    毎度毎度わたしはハマってます。

    今回の片付けストーリーは姑。

    遺品整理を題材に物語が進むんだけども、遺品整理の大変さも去ることならが、ゴミとして出すものに対して思う感情やら、体力的なものでくる限界、精神的なことでの限界が描かれており、リアルな遺品整理体験できます!!!!!!!

    ご近所の方がドラミちゃんのように現れて助けてくれたり、しょうもないものを思い出だからと何でもかんでも持って帰ろうとする夫が立ち塞がったり。

    これは一読に値する片付け本!

    この方の
    あなたの人生片付けます
    という本も、一押しです!!!!!

    この本の中の一節。

    親子ってなんだろうね。
    18年くらい一緒に過ごしたけど、物心ついてからとなるともっと短くて、


    っていう一文で。確かに、、子どもたちと一緒に過ごせる時間ってあと何年あるんだろうって思わずにはいられない一節でした。

    忙しい忙しいじゃもったいないなぁと。息子4歳あと10年も一緒に遊べるかな?
    娘9歳、もしかしてあと5年か、、、、

    大切にしたいなぁ。と思います。

  • 題名からして面白い予感しかない。

    姑だけじゃなく、実母でもありうる話だなと。







    数時間で一気に読み終わりました。

    とにかく言いたいのは、この本は教科書に載せるべき。

    片付け本として。

    人としてどうあるべきか。

  • 3DKのエレベータもないマンションでひとり暮らしをしていた姑が、急逝した。
    主人公は嫁として、遺品整理に通うのだが、あらゆるものが過剰にある家で途方に暮れるばかりだった。

    うん、わかる。
    ある年齢以上の女性によくある、捨てられない症候群。
    いつか使うことがあるかもしれないから。

    対して、主人公の実母は、がんが判明してから亡くなるまでの1年半で断捨離を敢行し、誰にも迷惑をかけなかった。

    安物買いの銭失いの姑。
    いいものを大切に長く使う実母。

    対照的なふたりの母。
    最初は姑に、実母を見習えと心の中で毒づいていた主人公の望登子だったが、あけっぴろげで人付き合いの多い姑と、誰との間にも一線を画し本音を見せなかった母の生き様をみるにつけ、彼女の心は揺れる。

    仕事が忙しいという理由で遺品整理に関わらなかった夫が、あれもこれも思い出の品だから捨てないと言っていたのに、実際に自分の家に持ち帰ってみて、ようやく捨てることができるようになるくだりとか、実際に整理に出向いて初めて重労働であることを理解する辺りが、リアルで面白かった。
    特に息子は母親に思い入れが深いらしいからね。
    現実的にばっさりと切り捨てることができんのでしょう。

    マンションを引き払うころには、望登子にも姑がどうやって近所の人たちと暮らしてきたかがわかり、自分も隣家の子どもとかかわりを持つようになる。

    どんなに立派に生きていても、人はひとりだけで生きていくことはできないのだから、迷惑をかけたりかけられたりしながら人と関わることも必要なのだと思う。
    それもまた豊かな生き方と言えるだろう。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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