(011)わたしが正義について語るなら (ポプラ新書)

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591137352

感想・レビュー・書評

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  •  アンパンマンについては、ほとんど知らない。ただ、子供が保育園のお遊戯会でアンパンマンの歌を歌い、踊ったときには、思わず涙した。子供とアンパンマンの相乗効果は偉大なのである。
     やなせさんはなぜあんなに明るいのだろう。なぜあんなにやさしいのだろう。そして、なぜあんなに強いのだろう。
     幼くして両親と別れ、出征して戦地を生き延びたつらい経験がアンパンマンの底抜けの優しさと明るさに結晶していく軌跡がうかがい知れる本だと思う。
     若い人にも老いた人にもおススメの一冊です!

  • アンパンマンの誕生のこと、やなせ先生の思う正義のこと、やなせ先生のこと。
    少しずつ色んなところで知っていたこと、知らなかったこと。
    まとめて読むことで、やなせ先生は本当に素敵だな、と実感した。

    「正義」は、とてもシンプルなもの。

    やなせ先生は、逆転しない正義は献身と愛、だと云う。
    だからこそ、「傷つくことなしには正義は行えない」し「正義でいばってるやつは嘘くさい」。

    決して説教くさくも、押し付けがましくもない。
    むしろ、やなせ先生にだったらちょっとぐらい説教されたいのに、と思うくらい。

    「正義はある日突然逆転する」って、本当にそうだよねー。

  • ○20131207
    なぜアンパンマンなのか、なぜバイキンマンなのか、少しわかった。
    やなせ氏のやさしさに、考えに触れることができた。

    「愛と勇気だけが友達さ」
    本当の意味が書かれていた。
    揶揄していた自分が恥ずかしい。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000068481

  • 肝心な正義について語る場面が最初と最後の少しだけだったので残念です。

  • 口語で書かれているので読みやすい。アンパンマンは食べられることで顔を失くしてヒーローから無になる、というようなことを言っていて、氏の正義に関しての考え方が表れているなと思った。

  • 世の中には、善も悪も、強さも弱さも、面白みも悲しみも、永遠も一瞬も、白も黒も、全てが必要であり、何かを消し去るのが正義なのではない。目の前で困ってる人に手を差し伸べることこそが大事なんだ。これが、この本を読んで最も強く感じた事です。

  • 「正義とは何か。絶対的な正義なんてないし、正義はある日逆転する。
    正義のためには悪人がいなくちゃいけないし、悪人の中にも正義がある。
    正義を生きるのは大変だけれども、その中で僕たちが目指すべき正義とは――。
    私たちの絶対的なヒーロー「アンパンマン」の作者が作中に込めた正義への熱い思い!」

  • 「正義はある日突然逆転する。
    逆転しない正義は献身と愛です。」
    「自分なりの戦い方で戦えばいい」

    悪を全くなくすよりも、一人一人の良心的選択が増えていけば、いい

    その人にとっての「正義」が「善」だと決めつけて
    誰かを傷つけていないか…

    大きな大成を成すよなことではない
    目の前にいる、飢えに苦しむ子供に、パンを差し出せるようなことが
    正義であり、愛だ

  • めちゃくちゃいい本。
    みんなに読んで欲しい。本当に。

  • やなせたかしが、手塚治虫と机を並べて絵を描いていた、という話は意外だったし感動した。

  • #わたしが正義について語るなら
    #やなせたかし
    #ポプラ新書
    #読了

    確かに遅咲きなやなせさん。人生どこで流れが変わるかはわからない。戦争を経験した書き手は本当に貴重。
    とにかく続けること。そしてそれ以外に何か一つ強みを持つこと。正義とは痛みを伴うこと。
    たくさん学びがありました。

  • アンパンマンを中心としたやなせたさしさんの考える正義について書かれている。
    やなせさんが戦争体験者だということは知っていたから本当のアンパンマンを私は裏のテーマがあるはずだと読む。
    所謂アンパンマンはすごくポップで私はあまり好きではない。
    やなせさんは正義について語りながらも絵本作家という自信の職についても書かれている。その職の中で一番ではない。やればやるほど他者との実力差が見えてくる。しかし続けていると上手くもなると。
    でも続けるだけではダメで何か別の武器をもたないといけないとも。それは詞であったり、美術品であったり、エッセイであったりしたと。
    現在のウクライナ侵攻に思い、積ん読から手にした。ズバババと秒速で読むこのが出来た。

  • ボロボロのマントをまとって、恥ずかしそうに自分の顔をさしだすアンパンマン。
    アンパンマンは、普遍の正義の象徴。

    やなせさんの経歴は詳しく知りませんでしたので、大変興味深かったです。
    無名の漫画家だが、どういうわけか不思議な仕事が舞い込んでくる。それも、もちろん才能ですね。

    そして、アンパンマンマーチは改めて、切なくて素敵な歌詞だと思いました。

    前向きになる力をくれる本です。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/769326

  • 元々、アンパンマンのテーマソングの深い意味は知っていたのだけど、この本を読んで、さらにやなせ先生の謙虚さや、劣等感から来る公平性というか、世の中をフラットに見てる視点を感じたような気がする。

    とりわけ才能があるわけでない、と言い続けるやなせ先生の、凡人の中でも突出したいと思って食らいついて、努力と鍛錬から練り上げた「万人に伝わる表現方法とやなせ哲学」のようなものが、アンパンマンをはじめとする先生の作品に込められてて、
    でも、その哲学を押し付けるのではなく、あくまで、楽しい&身近に感じられるモノとして、世の中に残すことをしている先生の軸を感じた1冊でした。

  • やなせたかしさんの書いたお話、小学六年生の国語の教科書に「サボテンの花」がある。短い物語の中に、生き方や在り方を考えさせられるすばらしい作品だと思う。

    子育てをして通ってきたアンパンマンの世界は、自分が子どもの時に見たアンパンマンと違う見え方があった。

    今回、この「わたしが正義について語るなら」を読んで、やなせさんの生き方や考え方がアンパンマンという作品に投影されていたことを、改めて深く感じた。平和を愛し、戦争はよくないと強く考えていながら、声高にそれを叫ぶのではなく、エンターテイメントの中で、人を喜ばせる道を貫き通したやなせさんの生き方が素敵だし、やなせさんに教わった「愛と勇気」を自分ももち続けていきたいと思う。

    (昔、そこまで言って委員会という番組の中で、山口もえさんが、アンパンマンの素晴らしさを語っていた。その当時も、なんとなくそうだなぁと共感したが、今ではまったくその通りだと思っている。)

    ※メモ
    15 ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです。
    19 戦争をしている国同士は両方正義だ、悪い奴をやっつけると正義が勝ったのだと言って戦っているけれど、子どもたちのことは見てやらない。
    21 正義はある日突然逆転する。逆転しない正義は献身と愛です。
    29 完全に善の人はいない。→ロールパンナ
    37 フランケンシュタイン プロメテウス
    42 勉強でも一番にはなれないし、どうしようもない。→マンガにある程度役立つ
    73 宮城まり子の仕事を手伝っているうちに、エンターテイメントのショービジネスの基本は、まず目の前の客をなんとしてでも喜ばせることだと悟りました。
    90 良い通俗生
    110 面白いにちょっと悲しい部分
    120 必要悪
    122 愛と勇気だけが友達さ→自分一人で戦う覚悟
    124 悪口を言う相手を助ける 愛
    125 愛には、いさましさも含まれていて、勇気には、やさしさが含まれている。
    136 好きなもの以外の武器を持て
    145 学校で管理を厳しくすると生徒は嫌になる、うんとゆるやかにしちゃうと今度はいい方向に行くかというと行かない。
    148 人生の楽しみの中で最大最高のものは、やはり人を喜ばせることでしょう。

  • わかりやすく納得感があった気がするけど、もうあまり覚えてない。そのうち再読したい。

  • 人生には後から考えると分かることがたくさんある。という最初にある言葉は印象深い。

    アンパンマンの原点は作者の戦争体験から来ている。
    善悪は難しい。チリンのすず。という著者の絵本を読みたくなった。

    様々な経験をされた著者だから分かることががあるのだと知る。また様々なご縁が大切であること。準備をしておくこと何でもチャレンジしてみること、それが後につながること。非常に興味深い。

    正義とは何か。傷つくことなしに正義は行えない。

    愛と勇気だけが友達さ。
    これは戦う時は自分一人だと思わなくてはいけない。道連れを作るのはよくない。ということ。

    虚仮の一念。とにかくやり続ける。

    好きなものを以外の武器を持つ。
    職業(本筋)にプラスできる何かを持つ。

    アンパンマンがまた好きになります。

  • なんのために生まれて
    なにをして生きるのか

    やなせさんの人生のテーマ、
    今も子どもにたくさんのものを
    与えてくれている人でさえ
    ここについて悩み続けたことを知れて、
    私もこれからも真剣に悩み続け、
    自分にできることを見つけたいと思う。

    その過程でも、できることはたくさんある。

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著者プロフィール

1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2022年 『アンパンマンかみしばい③』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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