(011)わたしが正義について語るなら (ポプラ新書)

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591137352

感想・レビュー・書評

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  • なんのために生まれて
    なにをして生きるのか

    やなせさんの人生のテーマ、
    今も子どもにたくさんのものを
    与えてくれている人でさえ
    ここについて悩み続けたことを知れて、
    私もこれからも真剣に悩み続け、
    自分にできることを見つけたいと思う。

    その過程でも、できることはたくさんある。

  • やなせさんは若い頃に戦争に行って正義について考えるようになり、アンパンマンや、たくさんのキャラクターを書く中で、考えた事をまとめた本です。
    今、私達が生きている社会は、世界の戦争や環境問題、不安な政治、怒りの気持ちになる事が毎日起こっています。
    第4章のぼくが考える未来のこと 身近な人の幸せを願う より
    さよならだけの寂しげな人生をごまかしながら生きている。怒るよりも笑いたい。人生なんて夢だけど、夢の中にも夢はある。悪夢より楽しい夢がいい。すべての人に優しくして、最後は焼き場のけむり。誰でもみんな同じだから焦ってみても仕方がない。
    怒るより笑って生きる人生を送れるような生き方をしたいと思いました。まずは身近な人を喜ばせるという事を心がけてみようと思いました。

  • 人生は儚く淋しさに溢れていて
    諦念の上で過ごしている。
    愛という名の勇ましさと勇気という名の優しさを抱えた孤独な戦いを続けるアンパンマンの正義に願いを託す。
    正義は簡単に逆転するけど、献身と愛の正義は逆転しない。
    全ての芸術も、文化も誰かを喜ばせたいと思って
    さよならだけの人生をごまかすために生きている。
    だからそんな芸術や文化を否定したくない。
    芸術や文化は誰かの救いになる。
    いつか自分を傷つけたものも、将来の自分を救うかもしれない。
    正義は狂気で覚悟が無いと語ることはできないのかもしれない。

  • 才能に溢れた多才の人というイメージだったけど、本人は全否定。
    いやあ、正義が消えて久しいということが良く分かった。

  • 言わずと知れた、アンパンマンの作者のエッセイ?自伝?
    読みやすくて頭に入ってきやすい。
    さすが、子どもに訴えかけるお話を書く人だと思いました。
    ラストに『アンパンマンのマーチ』の歌詞が載ってるんだけど、初めてちゃんと読みましたが、ちょっと感動する良い詞ですね!
    「愛と勇気だけが友達って、食パンマンやカレーパンマンは友達じゃないのかw」とか突っ込んでて申し訳ありませんでした。

  • 言わずとも知れたアンパンマンの作者、やなせたかしさんの本。私がこの本を手に取ったのは、亡くなってから数日後。
     
    本書には、やなせさんの幼少のころの話、上京してからの話、手塚治虫さんと一緒に仕事をした話、アンパンマン誕生のきっかけ、そしてやなせさんの思う「正義」について書かれています。

    ブログにて詳しいレビューしています*
    https://happybooks.fun/entry/2014/05/22/000000

  • やなせさんの正義観に共感。そして、アンパンマンができるまでの道のりに引き込まれる。国民的ヒーローが、まさか「フランケンシュタイン」や「風と共に去りぬ」の影響を受けているなんて思わなかった。正義に対する価値観は、良いとか悪いとか安易に判断できるものではないだろうが、そもそも私はこの方のモノの捉え方・考え方が好きということがわかった。蓋を開けると、一般のビジネス書より響いてくる部分が多かった。

  • アンパンマンはただ楽しく描いてヒットしたアニメではない事がよくわかった。
    映画などでのヒーローは、目を見張る活躍をするが、派手で格好がいい。

    しかし飢えに苦しんでいるような子供のことは助けない。
    自身の体験から、本当に辛いのは飢えることであるとの考えから、本当に苦しんでいる弱者を己の身を削って助けてあげるような正義の味方がアンパンマンなのだった。

    アンパンマンは「強くない」のだ。

    それは火事の家の中にとり残された子どもを助けるために、家に飛び込んでいく弱いお母さんとも似ている。誰にだってヒーローになれるけれど、追い詰められないとわからないといいます。

    ほかに感じたのは、やなせさんは90歳になっても人気のアニメを書き続け、また2000を超えるキャラクターを誕生させただけあって、アニメや漫画だけでなく、芸術や絵画、人間の心理、感性などに対する造詣が深い。

    なんのために 生まれて
    なにをして 生きるのか
    僕はみんなが楽しんで喜んでくれるのが一番嬉しい。でも、すぐにそれがわかったわけではないんだよね。

    →きれいごとかもしれないが、自分はやはり、病気に苦しみ悩み・不安を抱えている患者と家族を、精神面、知識、技術で支えることで、少しでも苦痛を和らげ、できれば病気を治して、喜びを与えることが嬉しい。

    この世界は”虚仮の一念”と言って、そのことばっかりやっていればなんとかなるものです。その途中はもちろん辛いですが、どうして耐えられるかというと結局は好きなんだね。

  • やなせたかしは「優しさ」の人。誰にでも愛を持てる生き方こそほんとうの強さだと思います。

  • やなせさんの反省について学べた

  • アンパンマンで描かれている正義が、作者の戦時中の体験にから形成されたものだとは知らなかった。

  • ●正義はある日突然逆転する。逆転しない正義は「献身」と「愛」です。

    ●傷つくことなしには、正義は行えない。

  • 2014.03.07 Facebookの佐藤宏樹さんのタイムラインで見つける。

  • ・アンパンマンのマーチを見る目が変わった。作品の背景を知るだけで、こんなに見え方が変わるのは本当に面白いし、芸術というのはその背景の理解こそが重要なのではないかと思った。(e.g.絵画、音楽、詞etc)
    ・やなせたかしさんの自己認知の高さに驚いた。自分が子供の頃どんな子で、どんなエピソードがあって、それを今の自分と紐づける形で意味付けがされている。
    ・戦争を乗り越えた歴史から、アンパンマンとスーパーマン等その他ヒーローとの違いは、大それたことを成し遂げるのではなく、目の前のリアルな問題、”餓え”に焦点をあてているということ。

  • 優しい文体で包まれているよう
    しんみりと染みる言葉たち
    この本に出会えてよかった

  • 正義はある日突然逆転する。逆転しない強いは検診と愛です 必要悪と言う言葉がありますね。つまり光がなければ影もないし、影がなければ光もない この世界は虚仮の一念といって、そのことばっかりやっていれば何とかなるものです 人生なんて夢だけど、夢の中にも夢はある

  • 中学生が読むにはお勧め
    といわれ,さがしてきたのですが,

    正義の味方
    食べれない苦しさ。口に入れられない苦しさは一度だけあります。
    アンパンマン,が最強かな。

  • これから何度も読み返す、付き合いの長い一冊になりそうだ。

  • サラッと読める。

    戦争体験抜きにやなせさんを語れませんが、千夜一夜物語、フランケンシュタイン、風と共に去りぬといった古典や名作を読み込んできた素地があったからこそ、アンパンマンで大爆発したんだと納得。

  • 学生時代から遡り二度目の読了。
    こんな内容だったか?と思うほど新鮮だった。

    やなせたかしさんの、飢えの体験から産まれたアンパンマン。飢えた子供を助けるために。
    飢えることの苦しさはわたしに分かるわけがないから、あれこれ言いたくないけれど。
    その魅力があることには間違いない。

    ロールパンナの持つ二つの心の表しているものとは。
    悪い心、良い心。

    『悪人と言われている人の心が全て悪ででくているとは思えないのです。
    悲しいけれども悪役をやらざるを得なくなっている人もいるのです。』
    これがわたしの中にも、ずっとずっとある。
    だから、やなせさんの文章は、心にスッと入ってくる。

    『あっちもダメ、こっちもダメとやってるうちにやっと座り心地のいいところに行き着いた』
    私にとってのそれは、どこなんだろう。
    そんなところへ、行きつきたい。

    アンパンマンのマーチ。深い。。

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著者プロフィール

1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2022年 『アンパンマンかみしばい③』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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