(011)わたしが正義について語るなら (ポプラ新書)

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591137352

感想・レビュー・書評

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  • やなせ先生の不器用だが、けっして諦めない生き方に共感。
    恐れ多くもどこか自分にオーバーラップさせてしまう。
    あきらめちゃいけないんだな!

  • やなせさんの「正義」についての考えをまとめた本。生き様が文章に表れているように感じます。愛とは与え続けること…を行動で示すアンパンマン。そのルーツがわかりました。

  • 昨年10月に亡くなった、アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんが正義について語る一冊。私たちのヒーローアンパンマンは、顔はあんパンでかっこよくないし、どんどん顔をあげてしまうし、そんなに強くもない。でも、戦争を経験したやなせさんは、「正義はある日突然逆転する、逆転しない正義は愛と献身だ」と考えるようになり、お腹の空いた子どもにパンを手渡すヒーローを生み出しました。

  • 子供向けに大人気のアンパンマン。
    書かれているヒーロー論に、やなせたかしさんの人情の機微が感じられます。著者の謙虚な人柄が文面からも滲み出ていました。

    正義も悪も完全に区分け出来るものではなく、バイキンマンにだって愛嬌があるように、個々に側面が多様に存在します。

    もし子供が正義を学ぶなら、悪を殲滅するヒーローものより、悪役にもしっかりとストーリー性を持たせて欲しいなぁ。

  • ライトな感覚でサクッと読める本です。
    正義という深くはまりやすいテーマをサクッと読ませるのはすごいと思います。
    一方、もっと深く考えたい方にとっては物足りなさを感じるかもしれませね。

  • 今は亡き著者が、単純に”正義”を綴る書。そのメッセージはシンプルで、「ひもじい人を救う」こと。正義は美ではないし、高潔でもない。善人にも悪は宿るし。そんな事を受け入れながら、皆が、身近な人の幸せを願う。そのサイクルを。アンパンマンのマーチに、すべての想いは入ってた。

    ああ アンパンマン
    やさしい 君は
    いけ!みんなの夢 まもるため

    何となく泣けた。ありがとう。

  • おなじポプラ新書から「わたしが死について語るなら」も出版されており、明らかに出版社にお題をふられて書かれた本だなと思って期待していなかったが、読んでみると非常によかった。
    正義とは自分も傷つかないと守れないという思い、スーパーマンやウルトラマンの敵は戦っても服も汚れもしないのは変だ、さらには怪獣などを子だちの敵としての設定の違和感(ただのヒーローにとっての自己満足な敵設定ではないか?)、という違和感という伏線からアンパンマンが生まれたというのは妙に心に響いた。
    また、やなせさんの生き方が語られており、才能は誰もがパッと開花するものじゃないけど虚仮の一念で開けることもあろうこと、どこからヒット作がでてくるかわからないこと、本業のほかに世界をもつことで本業でも強くなるという人生経験談がとても心に響いた。

  • 正義についてひたすら何か語るというより、正義を一つのテーマに自分のこれまでを取り留めもなく語っているっていう感じ。

    さよならだけが人生だから、その過程をどう生きるか。アンパンのマーチはなかなか深かったのね。

  • はっとした。
    愛と勇気だけが、友達さ。

    この言葉の、意味がはっきりして、すっきりした。

  • 正義は、自分も傷つくもの。
    善の中にも悪はあって、悪の中にも善はある。
    悪は、肯定できないけれど、無くなることは決してない。それが現実の厳しいところ。必要悪。
    正義を全面に出すのは、うさんくさい。

    やなせさん。ぶれない芯と、物事に対する距離感で、すんなりと入ってくる文章だった。

  • やなせさんの語りかけるような一言はシンプルだけど本質をついており深い。
    心の一番奥に人を楽しませたいという心があってその考えに沿ってブレずに生きられている。
    後半は人生について仕事についても語られている。
    虚仮の一念。それが自分なりのメソッドを作る。
    好きなことプラスひとつ武器を持て。
    何のために生まれて何をして生きるのか。その答えをやなせさんは人を喜ばせるということに置いた。それも分かったのは人生のだいぶ後らしい。さあ自分は何のために生きるのか、それを見つけてみよう。

  • 久しぶりに人にオススメしたい本に出会った。

    やなせさんの優しい人柄がにじみでてる文章で正義について語られてます。正義というとなんか小難しそうだけど、そこはアンパンマンの生みの親、やなせさんのわかりやすく平易な文章で書かれてるので大丈夫です(*´ω`*)でも、とても深いことを言っています。

    やなせさんの経歴とかもわかっておもしろいです。学生時代の恋の話なんかもステキ。
    こんなに有名な方なのに、とても謙虚。読んだらきっとこれまで以上にやなせファンになっちゃいます(*´ω`*)

  • 章立て
    第1章 正義の味方って本当にかっこいい?
    第2章 どうして正義をこう考えるようになったのか?
    第3章 正義の戦い方
    第4章 僕が考える未来のこと

    引用(一部)
    正義はある日突然逆転する。
    逆転しない正義は献身と愛です。

    感想
    やなせたかしさんの正義に対する考え方がわかりやすく幼少のころからの出会いなどを通して描かれています。特にやなせたかしさんの人との出会い方や仕事の頼まれ方など、ご本人はなぜかわらないと書いてありましたが、やはりそのくらい謙虚で人から好かれて信頼される人だったのかなということを感じました。
    これを読んで正義の味方になれるなんてことはないと思います。
    しかし、今の時代だからこそ、正義についてここまで確信を謙虚謙遜に突いてくれている書籍も珍しいのではないかなと。

  • 『アンパンマンのマーチ』に込めたやなせさんの思い。胸に沁みました。「愛と勇気を持って人を巻 き添えにしない」生き方ができるよう、努力します。『アンパンマ ンのマーチ』は大好きな歌だけど、ますます好きになりました。 辛い時にはこの歌を歌って、笑って生きていきたいと思います。ありがとうございました。

  • 正義とは痛みを伴うもの。自己犠牲。

  • かの有名なアンパンマンの筆者が書いた新書。

    読んで良かった。

  • 痛みの伴わない正義はない。また、立場によって正義はどうにでも変わる。そんな中で、変わらないのは愛と献身であり、それをアンパンマンを始めとした物語の世界で描き続けた筆者の姿が胸に響く。

  • 傷つくこと無しには正義は行えない。

    [アンパンマンマーチ]にやなせたかしさんの“正義”という言葉に込めたい思いが詰まっている。
    改めて聞くと、何とも良い歌詞だ。

    “なんのために生まれて なにをして生きるのか…”

  • 「正義」だけでなく、人生について語っている。

  • 【読書の経緯】
    ・京都旅行の帰り道、本屋で手にとった
    ・やなせさんが亡くなったこと

    【内容・抜粋】
    ・正義とはかっこいいものでもなく、本当は傷つくもの
     =あんぱんまんの、弱者に顔を与える姿
    ・正義は逆転しうる。逆転しない正義は愛と献身。
    ・善悪ははっきり別れていない=ろーるぱんな
    ・悪人に関して。必要悪という言葉があるが、悪がいるから成り立っている世界。ばい菌が消えると人間も息絶える。 更に、悪役をやらざるを得ない人もいる。(フランケンシュタインの例) 
    ・どうせこの世は幻。目の前のことに楽しめればそれが幸福。
    ・元気がなくても血は元気だな
    ・「未知の世界に興味がある」
    ・クリエーションは人間の創造に似ている。たくさんの精子と卵子の出会いの話。
    ・「愛と勇気だけが友達」→戦うときは周りを巻き込んじゃだめという意味。戦うということは責任をおうこと。
    ・好きなもの以外の武器を持て
    ・身近な人の幸せを願う


    【感想】
    やなせさんは戦争→戦後の日本の高度成長を体験した人。大きく変化する環境と、それに伴う人々・社会の価値観の変遷を経験し、「正義とは何か」を人生のテーマにされたのではないか。

    正義とはきれいなものでなく、つまり人間というものは決してきれいなものではない。それでも皆「幸せになりたい」ということは共通しているものであり、その幸せになりたいという願望を実現させるためには何をするべきか、という問い。それは正義を貫く、すなわち責任を持って悪と戦い、弱者(飢えた子供)を救い、身近な人をはじめ人を喜ばせ、幸せにするというところか。

    体験した戦争の悲惨さを知っている一方で、高度経済成長の銀座に毎日繰り出していたところを伺うと、人生における「粋」だとかそういうものをきわめた人なのではないか、と思う。

    最初はゆるっとした本だなーと思ったが、読了後にアンパンマンのテーマソングを改めて詩として読み返すと、感慨深いものがあった。

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著者プロフィール

1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2022年 『アンパンマンかみしばい③』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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