ほたるいしマジカルランド

著者 :
  • ポプラ社
3.71
  • (98)
  • (251)
  • (210)
  • (24)
  • (3)
本棚登録 : 2276
感想 : 194
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591169032

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本は読めば悩みが軽くなる本紹介として、YouTuberの動画から知りました。日々頑張っているすべての人におすすめのお仕事小説。

    まず。寺地はるなさんの本、大好きだと思いました!!表装も、素敵で内容もあったかい気持ちになれる本でした。

    感動したところは、たくさんありました。
    いちばんは、掃除のおばさんの篠塚八重子さんのお話。最後に離れて暮らす息子が、おにぎりのサインをしてくれたところは、泣けました。良かったです。

    心に刺さったのは、星哉さんのお話のところ。
    星哉が、子供のころ、何か買ってくれとねだるたびに父親は、必ずといって良いほどケチをつけるようなことを口にして、星哉の心をくじく。「あら、ええもん選んだねえ」そう言ってくれるのはいつも母だった。だから、何か買ってもらう時は嬉しさが、倍になった。

    意外と、日常に転がっている些細な場面いろいろありますよね。気にしないで話していること多いですが、私自身も気をつけようと、はっとさせられました。
    一言の選び方、本当に大切だと思いました。

    それ以外にも、いろんな言葉に痺れて、私の心に響く所がありました。

    世の中は、生きていくこと、仕事をすること、毎日大変な思いで頑張っている人ばかりです。人それぞれ、悩みを抱えて生きています。私も、頑張ろう、前を向いていこう!と思えた、本でした。

    登場人物が、多くて、メモに書き出しながら読み進めました。少し、頑張って読み終わって(笑)、とても好きな本だな、と、しみじみしました。また、寺地はるなさんの他の本も、読みもうと思いました。

    • ムク助さん
      チーニャ、ピーナッツが好きさん
      あまりにも同じ感想を持ったので思わずコメントしてます。

      私も一番心に刺さったのは星哉の両親の話です。
      おに...
      チーニャ、ピーナッツが好きさん
      あまりにも同じ感想を持ったので思わずコメントしてます。

      私も一番心に刺さったのは星哉の両親の話です。
      おにぎりのサインのシーンが一番泣けたのも同じです。
      自分ではうまくまとめられなかったのでレビューには書かなかったのですが。
      チーニャさんのレビューを読んで感動が蘇りました。
      何だか嬉しくてフォローさせていただきました。
      よろしくお願いします^_^
      2022/06/27
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      ムク助さん

      コメントありがとうございます。
      たくさんの感想の中から、コメントしていただき、とても嬉しいです。

      実は私はコメントいただいた...
      ムク助さん

      コメントありがとうございます。
      たくさんの感想の中から、コメントしていただき、とても嬉しいです。

      実は私はコメントいただいたことが、はじめてなもので、舞い上がっています、今。

      ほたるいしマジカルランド、とても良いですよね!!この気持ちをムク助さんと共有できたと、知ることができて、感激しています。

      これからも、ムク助さんの感想や、本棚を拝見させていただき、色んな本を読んでいきたいと思います。
      どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。
      2022/07/05
    • ムク助さん
      チーニャ、ピーナッツが好きさん

      喜んで頂けて私もとっても嬉しいです!
      感激して頂けるなんて・・・^ ^
      思い切ってコメントして良かったです...
      チーニャ、ピーナッツが好きさん

      喜んで頂けて私もとっても嬉しいです!
      感激して頂けるなんて・・・^ ^
      思い切ってコメントして良かったです♪

      私もチーニャさんの感想を参考にさせていただきますね。
      ありがとうございます!
      2022/07/06
  • 遊園地は、すべての人を笑顔にさせる不思議なテーマパークである。

    これは、遊園地で働く者たちの日々葛藤している悩みなどを外部からの見守り⁇によって前向きな方向にと導いていく物語。
    けっして誰かが助ける…というわけではなくほんのちょっとしたきっかけで気づかせてくれるという、
    遊園地という設定ならでは…だと感じた。

    月曜日からひとりずつ繋げて1週間で完結する。

    特に水曜日の清掃スタッフの篠塚八重子さんの話は胸にくるものがあった。
    日曜日の完結で、息子さんの「おにぎりのサイン」には泣いた。

    とても温かな気持ちになった。
    自分自身を否定するのではなく、これが私なんだと言えるようになりたいと思った。
    今さらこの歳で性格を変えようなんて、できるはずもないのだから…。
    まずは、前向きな気持ちで。

  • 皆大好き(関西限定?)“ひらパー”こと〈ひらかたパーク〉。
    昨今は岡田(准一)園長でお馴染みですが、個人的には数年前のブラマヨ小杉さん扮する“ひらパー兄さん”が好きでした。
    と、いうことで、本書はそんな〈ひらかたパーク〉をモデルにしたとされる、大坂北部にある遊園地〈ほたるいしマジカルランド〉を舞台にした群像劇でございます。

    遊園地というと、基本的には楽しい場所ではあるのですが、そこで働くスタッフの方々の心の内は必ずしも明るいものではないようで、彼らの抱える鬱々とした心模様を月曜日から日曜日までの連作で綴られる構成です。
    個人的には、拗らせ男子・村瀬君のパートが好きでしたね。
    ちょっと面倒くさいヤツだけど、色々不憫な彼を応援したくなりました。
    対して、そんな村瀬君が愛してやまないメリーゴーラウンドを担当する三沢(呼び捨て)のパートは、彼の薄っぺらい人間性に「な ん や コ イ ツ(怒)」と、最初は嫌悪感を抱きながら読んでいたのですが、そこは寺地さん、このままでは終わらせません。
    この章の終盤で、仲間の損得勘定なしの素朴な優しさに触れた彼が、大切なことに気づきそうになるシーンで不覚にもグッときてしまいました。
    “まさか三沢君(君づけに昇格)で目頭が熱くなるとは・・”と、彼も根が悪いヤツではなかったってことが解って良かったです。
    そして最終章の「日曜日ーーすべての働くひと」では、ガーデナー・山田さんの奥さん・照代さんが最高すぎてウルウルきてしまったり、ずっとしんどい人生だった清掃スタッフの八重子さんに訪れた、小さな奇跡に胸がいっぱいになったりと、“世の中、捨てたもんじゃないかも”と思わせてくれる素敵な内容でした。

    そういえば、最近遊園地(テーマパークにあらず)に行っていないなぁ・・この本を読んで、何だか遊園地に行きたくなっちゃいました~。

  • 大阪の遊園地の一週間を働いている人を各章の主人公にした構成。
    各章が曜日になっててラスト章が日曜日のライトアップイルミネーションで大円団(*´꒳`*)

    二階建のメリーゴーラウンドの装調も素敵です。

    寺地さんやっぱり良いセリフ出て来ますね〜

    「自分を幸せにできるのは自分だけやもん。
     幸せにするとかなんとか、ちょっと思い上がってる
     んちゃう?」

    私も久しぶりに遊園地に行きたくなりました(〃ω〃)

    • かなさん
      みんみんさん、こんばんは!
      フォローといいねをありがとうございます。
      こちらからもフォローさせていただきますので
      よろしくお願いします...
      みんみんさん、こんばんは!
      フォローといいねをありがとうございます。
      こちらからもフォローさせていただきますので
      よろしくお願いします。
      みんみんさんのことは、あちこちのコメント欄で
      お見かけしていたので嬉しいです(*^^*)

      私もこの作品読み終えて
      遊園地行きたいなぁ~って思いましたよ♪
      寺地はるなさん、私も大好きです!
      2023/12/22
    • みんみんさん
      かなさんありがと〜‹‹\(´ω` )/››
      ふざけたレビューですけどよろしくです♪
      かなさんありがと〜‹‹\(´ω` )/››
      ふざけたレビューですけどよろしくです♪
      2023/12/22
  • 大阪北部の蛍石市にある遊園地「ほたるいしマジカルランド」で働く人々が色々悩みを抱えながらも仕事を頑張る姿が日替わりで描かれる。それぞれが肩肘張って抱えていた重荷が小さなきっかけで軽くなる瞬間が温かくて良い。清掃員の篠塚さんの「おにぎり」が通じた所は染みる。自己評価と他の登場人物視点でとの違いが語られたり少しずつ人々が繋がっていくのも楽しい。名物社長の市子さんが冒頭突然入院するので遊園地が閉園する流れか?とちょっとどきどきしていたけどその状況でも従業員を想い、対応に精を出す姿は素敵だった。もっとエピソード欲しかったな。ところで菊人形あったり出身女優がイメージキャラクターになる遊園地という事で、想像するのは某兄さんがいる遊園地でよろしいですよね?

  • 寺地さんらしく肩の力を抜いて生きていきなさいとエールをもらえる本だった。名物社長の国村市子が率いる「ほたるいしマジカルランド」。市子は『なんのためにもならないものがごくあたりまえに存在する。存在することを許されている。それこそが豊かさだ』と断言している。コロナ禍当初の頃、繰返し、繰り返し叫ばれていた「不急不要以外は外出しないで下さい」を聴くたびに、疑問を持った。誰が不要不急じゃないを選別するのだろうか。新約聖書に「人はパンのみにて生くるものにあらず」とあるように、人間は物質だけではなく精神的にも満たされることを求めて生きているのにと・・・。
    繰り返される日常を淡々とやり過ごすコツは、あれこれ考えずに、今目の前の仕事をきちんとやりとげること。
    目から鱗!

  • みんな違ってみんな良いって本当だなーって思わされる話でした。遊園地で働く個性豊かな人たちのことを、それぞれの視点から描かれていました。

    特に好きだったのは、退職間際の園芸のおじちゃんの話。この著者は一見無愛想だけど、実は愛情深いおじさんのキャラクターがいつもとても良い味出してる気がする。だいだい好きな登場人物になる。笑
    今回も最後の奥さんとのエピソードで心があったかくなってやられた。あの夫婦最高!

    でも1個気になったのは、清掃のおばちゃんのこと。なんか元旦那に言われてたのむかつくし、もっと幸せになって欲しい。女性のことを見下す男性が大嫌いなんだと改めて分かった。本読んでるだけでむかつく。野上の食堂のおばちゃんと今後もあたたかい交流がありますように…

    好きなものを話す時ってたしかに笑顔になるし、幸せな気持ちになるよね。人に接する時にも、その人の好きなものを聞くのって結構良いのかも。

  • 寺地はるなさんの長編小説。
    『夜が暗いとは限らない』と似た感じで、こちらもとても良かった!

    ◆あらすじ
    地方都市の遊園地『ほたるいしマジカルランド』で働く人々の群像劇。

    ◆目次
    ・月曜日 萩原紗英
    ・火曜日 村瀬草
    ・水曜日 篠塚八重子
    ・木曜日 山田勝賴
    ・金曜日 国村佐門
    ・土曜日 三沢星哉
    ・日曜日 すべての働くひと

    ◆感想
    ・月曜日 萩原紗英
    軽い気持ちで面接を受け、バイトでマジカルランドに入り、今は社員としてインフォメーションで働く紗英。幼い頃から母には、"パッとしない子"と評され、友達からは"紗英は真面目だから"と言われてきたが、物覚えがよく、仕事に対して誠実で、細かいことにもよく気づく紗英。香澄のことを客観視できるところ、落とし物のウィッシュリストを興味本位で覗いたりしないところ、蛍石西校(仮)に最後まで付き添う姿勢など、好感が持てた。

    ・火曜日 村瀬草 
    普段『パールのドールハウス』という人形が機械で動くだけのアトラクションを担当する村瀬は、プライベートでマジカルランドに来て、運悪くメンテナンス中で閉鎖された空間のトイレに閉じ込められてしまう。運動音痴で不器用で少し僻みっぽい性格でもあるけれど、メリーゴーランドへの愛が人一倍強いところが憎めない。好きなものがはっきりしているって眩しいね。再就職で、村瀬野働きぶりを佐門が正しく評価していてよかった。

    ・水曜日 篠塚八重子
    清掃係の八重子。モラハラ夫と離婚し、一人息子の大翔を幸せにできなかったことを悔やみながら生きている。八重子が育児に不安になり、志賀さんの誘いでネットワークビジネスに手を出し、転落していってしまったことの一端は夫にもあるのに、八重子が全てを失わなければならなかったというのはとても切ない。最後の、野上の店主の優しさが沁みた。

    ・木曜日 山田勝賴
    マジカルランドの植物を管理して42年を迎えた山田。部下の佐竹の無断欠勤の理由を聞く中で、血のつながらない娘 玲香との関係性を振り返る。

    ・金曜日 国村佐門
    マジカルランドの社長を母に持つ佐門。
    血の繋がらない佑は、自分が楽しいかどうかを基準に行動し、誰とでもすぐに打ち解けることができる性格。自分と比較して、ずっと遊園地の仕事に向いている彼に対して羨望と憎悪の感情を持っていた。高校時代に恋心を抱いていた木村幹との関係を回想しながら、恋人であるあおいと向き合う決心をする。
    "互いに知り得ない「これまで」以上のこれからを、たくさんのはじめてで彩っていこうと思った。"これすごく良かった。

    ・土曜日 三沢星哉
    資産家の祖父を持つ三沢は、家から近いのとネタになりそうという理由で、マジカルランドでバイトを始めて1年になる。担当は村瀬が憧れるメリーゴーランド『フローライト・スターダスト』。
    ある日、Twitterを通して気になっていた桜華がマジカルランドに現れるが、想像していた女性と違ったことにショックを受ける。
    メリットとか見返りとかを求めずに自分を気にかけてくれる人の存在って本当に大きいよね。

    ・日曜日 すべての働くひと
    寺地さんの作品で好きなのは、この最終章で群像劇の結末がしっかりと描かれるところ。山田の妻のように、自分の退職の日に、サイリウム振り回して、引退ライブや、お勤めご苦労様です、なんて陽気に言ってくれる人、最高すぎる。
    "ともに生きていくものに、重要な意味なんかなくていい。価値なんかなくていい。食べて寝て働いて。ただそれだけ繰り返して死んでいくなんてあんまりだから。なんのためにもならないものが、ごくあたりまえに存在する。 存在することを許されている。それこそが豊かさだ"この市子の捉え方、すてき。

  • 寺地はるなさん、2冊目。
    前に読んだのが普通だったので、ちょっと不安を覚えつつ。
    ほんわり系苦手なんで、怪しみながら。

    最初はお仕事小説だなぁという感じ。
    読み進めていき、これはつまんないかも、この先読めるだろうかと不安になりつつ。

    でも中盤からはすっ飛ばすこともなく読めました。
    おまけに最後は
    ウルっときて泣いちゃいました。笑

    いろんな人が出てきて、みんな違ってみんないい。
    みんな違うから面白い。
    そうやなぁと思った。

    ちなみにこの本には女優さんが出てくる。
    私がずっと好きなのは黒木華ちゃん。
    全然関係ない。笑

  • みんな違ってみんないい。みんなそれぞれの人生があり、ドラマがある。他人と比べなくてもいい。
    久しぶりの読書でした^. .^ ੭

全194件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。

寺地はるなの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×