- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591169032
感想・レビュー・書評
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常識ってなんなんだろう、と読んでいて思った。
親から言われ続けて身についた考え方や、世の中の人はきっとこう捉えるに違いないという思い込み。
そういうものに縛られすぎて、自分で自分を苦しくさせているのかもしれない。
好き、いいな、楽しいな、と心が動いたものを純粋に味わう方が、そして他人が心動かされたことをただただ「いいね!」と言える人であるほうが、人生はもっと喜びに満ちるはず。
まずは子どもがお小遣いで買うものを否定しないことから始めよう。
そして、幼いころ思い描いた仕事には就けなかったけど、これからも目の前に出されたお題に誠実に向き合って取り組んでいきたいと思った。
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色も形もそれぞれ違う、けれども全て美しい石。違う輝きで見る者を楽しませる。私達もそうだ、それぞれ違う良さを持ちそれぞれ違う美しさを持つ、その美しさを持ち寄って複雑に絡まりながら働いてく、生活していく。彼らと同じ様に。
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偶然、孫たちと遊園地へ行った日から読み出した。
メリーゴーランドもイルミネーションもリアルタイム。
何処にでもいる人々、でもみんな同じゃなく、各々バックグラウンドがあってひとりの人。
人から見たらなあ~んだ、と思うことだって本人には無くてはならない大切なことだってある。
それに気が付いて自分なりに精一杯生きていこうとする人達が遊園地のイルミネーションのようにキラキラ輝いているように感じた。
また遊園地へ行きたいなあ。 -
大阪にある遊園地「ほたるいしマジカルランド」を舞台に、名物社長や、幾人かの従業員それぞれの視点で話が描かれている物語。
それぞれの思いは千差万別で、とても日常的で、身近な事として描かれている感じで、そこがこの作品の良さなんだろうけど、私個人的には全体的にちょっとつまらなくて退屈だった。
でも、そういった日常的に訪れる毎日にも些細な変化があり、豊かさがある。自分は自分。どんな人にだって大小抱えているものがある。そういう忘れてしまいがちな当たり前の事に気づく、小さな物語の集まりが、大きな1つの物語になっているような一冊に感じました。 -
遊園地で働く人々の悲喜こもごも
と、言ってしまえばそういうことなのだけど
当たり前だがそれぞれの人生がある
そんなことを改めて考えさせられる
みんな頑張ってるんだってことを。
人間がいとおしくなる一冊。 -
寺地さんの本は、読み終わったらいつも「この本抱きしめて寝よう…」て思う。この物語に、この人たちに、出会えてよかったっていつも思う。そうだよね、そうなんだよね、うん、私も頑張るね、なんかもうダメダメだと思うこともたくさんあるけど、と力を抜いて、背筋を伸ばせる。
こういう物語で涙が浮かぶ。ぎゅってなる。そういう物語が、私は本当に好き。 -
図書館でジャケ借り。
初めて読む作家さんだったけどとっても読みやすかった~
お仕事小説ってやっぱり好き。
明日からはいつもよりも丁寧に生きようと思える、
背筋がすっと伸びるお話だった。
クセが強いけど魅力的な登場人物が多く、
最後までおもしろく読めたのがよかった。 -
サクサク読めた。
主役にならない普通の人たちの物語。
他人にはわからない悩みや想いをそれぞれ抱えている。
心の中にある言葉に出来ないモヤモヤは、他人の些細な一言で、気付かされたり、元気になれるもの。
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ほっこり。
ほたるいしマジカルランドで働く人達を描いた連作短編集。
庭師の山田さんの話が好きでした。素敵な奥さんにほっこり。娘さんとも上手くいくといいな。 -
様々な登場人物が、厚みのある、これまでの人生をきちんと重ねてきたキャラクターとして書かれていて、読み応えがあった。
若い女の子も、定年間近の庭師も、社長の息子も、とても魅力があって、舞台が遊園地というのもあってとても楽しく読み進めた。
私は小学生の子供がいるからどうしても母親の立場の人を特に思い入れ深く読んでしまうけど、八重子さんの他には山田さんが好きだなと思った。
最後の八重子さんのシーン、グッときた。
映画にしたらあれがクライマックスやなというくらいいいシーン。
あと照代さんの一言も、とても素敵で。
私も夫が定年退職するときに言おうっと。