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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596552150

感想・レビュー・書評

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  • 【今週はこれを読め! ミステリー編】ブロック編のアート・アンソロジー『短編回廊』 - 杉江松恋|WEB本の雑誌
    https://www.webdoku.jp/newshz/sugie/2021/06/10/120933.html

    短編回廊 アートから生まれた17の物語|ハーパーコリンズ・ジャパン
    https://www.harpercollins.co.jp/hc/books/detail/13817

  • ある絵(あるいは、一部、彫刻のような美術作品)をモチーフにした短編小説を17人の作家に書いてもらい、それを1冊の本にまとめあげるというコンセプトに基づいて編まれた短編集の2冊目。編者は2冊とも同じくローレンス・ブロック。
    1冊目の書名は「短編画廊」といい、エドワード・ホッパーというアメリカの画家の描いた絵を題材にしたもの。
    本書、2冊目は「短編回廊」という書名で、誰のどのような作品を選択するかは、それぞれの作家に任されている。マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーバー、ジョイス・キャロル・オーツなどの有名作家が1冊目に引き続き、この2冊目にも作品を寄せている。もちろん、編者のローレンス・ブロックも。
    作家のイマジネーションが跳ぶ様が垣間見れて面白い。

  • ローレンス・ブロックの編纂による美術品にまつわるアンソロジーの第二弾。書き手は、ブロックと交流のある著名な作家や著述家達で、基本はこのアンソロジーの為に書き下ろされた何れも宝珠の短編ばかり。
    前作は、エドワード・ホッパーの絵画に触発されて書かれた作品集『短編画廊』。堪能できた一冊だった。
    そして本作。前作のヒットに続く第二弾の企画段階から完成にいたる経緯と熱い思いが詰まったブロックの序文から始まる。少々言い訳じみた文章なのにこの作品のコンセプトに魅せられた作者たちの内容にすぐにでも触れたくなる気にさせられる。心が踊る。
    今回は、一人の画家の縛ることなく、豪華で広範囲な美術品にインスパイアされた短編たち。
    ゴーギャン、ゴッホ、ルノワール、ボッシュ、ダリなどのビックネームの絵画以外に、ラスコーの壁画、北斎の版画、ミケランジェロ、ロダン彫刻と、贅沢そのもの。そんな内容の本につけられた邦題は『短編回廊』。
    それぞれギャラリーとミュージアムを彷彿させるタイトルが、これまた上手い。当然、内容は満足の一言。


  • 順番としてはアートが先に存在していて、物語はそれにヒントやインスピレーションを得て、更にこのアンソロジーのために創られたはずなのに。まるで作品の解説だったり、小説が先で挿し絵として描かれたかのような錯覚に陥るほど。
    名画にはそれを見る人の想像力を掻き立てる何かがあるんでしょう。そしてそれを受け止めるアートと小説家の組合せとはなんと相性の良いことか!装丁も印刷も手ざわりも良く、丸ごと一冊どの作品も妖しく美しい。
    編者ローレンス・ブロックの著書はチェックしていたのに不覚にも(!)見落としていたエドワード・ホッパーをテーマとしたアンソロジーの第一弾を読むのが益々楽しみに。

  • 『短編画廊』が面白かったので、第2弾を出してくれないかなーと思っていた。こちらは、作家によって選んだ画家はそれぞれ。そしてそれぞれ面白かった。
    特にジェフリー・ディーヴァー、デイヴィッド・マレル、ジョナサン・サントロファー、サラ・ワインマンが◎だったが、特にジョイス・キャロル・オーツがさすが。

  • エドワード・ホッパーの絵だけでまとめた「短編画廊」に続く、第2弾。今回は作家が選んだ絵について寄せられた短編。短編はどれも2017年に書かれている。

    「第三のパネル」マイクル・コナリー 
    絵はボッシュの「快楽の園」の右端の地獄の図。これはコナリーが刑事ボッシュの命名の元になった絵だ。なんとも不思議な余韻を残す短編だ。

    ロサンゼルスから100キロ以上南に離れた場所で、男4人が残虐に殺されている。地元警察が現場検証をする中FBIからディクスンがヘリでやってきた。ディクスンは、手はねじ曲げられ、腕は切り落とされ壁にナイフで刺された、その死体をみながら、丸めたボッシュの「快楽の園」の右翼の絵をみせ、ほら、左下の絵と同じでしょう? という。

    表紙はマグリットの「光の帝国」1953-54作
    短編は「ガス燈」ジョナサン・サントロファー 

    そのほか絵が目にとまったものは、

    ジョージア・オキーフ「RED CANNAS」1927作 には
    ゲイル・レヴィンの「ジョージア・オキーフの花のあと。
    画面いっぱいに赤い花。

    ダリの「THE PHARMACIST OF AMPURDAN SEEKING ABSOlUTELY NOTHING」1936作 には
    ウォーレン・ムーアの「アンプルダン」
    ダリの絵が今まで見た事が無いものだった。

    バルテュスの「LES BEAOX JOURS」1944-46作 には
    ジョイス・キャロル・オーツの「美しい日々」
    足を投げ出した少女の絵。

    葛飾北斎「神奈川沖浪裏」1830-32作 には
    S・J・ローザンの「グレートウェーブ」

    リリアス・トランス・ニュートンの「NUDE IN THE STUDIO」1933作 には
    サラ・ワインマンの「ビッグタウン」
    ソファの前に立つ緑のサンダル以外は全羅の女の絵。

    2021.5.26第1刷 図書館

  • どの作品も高水準。
    (でもランズデールがやっぱ好き)

  • 新年1冊目はローレンス・ブロックがアートをテーマに編んだアンソロジーの2作目である。
    1作目である『短編画廊』(既読)は、エドワード・ホッパーの絵画にインスパイアされた17の短篇が収められていた。今回は、アートという以外の制約はない。誰のどんな作品でも構わない。基本的には絵画だが、彫刻や壁画を基にした作品も収録されている。どれもおもしろかった……といいたいところだが、半分くらいの作品はぼくには合わず残念だった。
    ちなみに、本書は発売日前に予約して購入したのだが、積読期間が長すぎて昨年末に文庫化されてしまったのには泣けた(;_;)。

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著者プロフィール

ローレンス・ブロック Lawrence Block
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、100冊を超える書籍を出版している。
『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、
第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。
1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している。

「2020年 『石を放つとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ローレンス・ブロックの作品

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