あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2016年2月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758439817
感想・レビュー・書評
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高田郁さんの別の本を読んで、こちらにも興味を持ちました。
何も考えずのらりくらり子ども時代を過ごした私からしたら、とても考えられないほど厳しい幸の人生。それでも、賢く明るく前向きに生きる幸。応援せずにはいられない...!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
学者の家に生まれ、恵まれた環境から、家族の重なる不幸によって、大阪天満の呉服屋に奉公に出される。
不遇な環境でも、笑って前に進む幸に励まされた。 -
この後の「幸」が早く知りたい!
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商人に対して嫌悪感を持つ父のもとに生まれながら、皮肉にも大阪の商家におなごしとして勤めることになった主人公。
逆境の中、「知恵がよりよく生きる力になる」そのために学問をしたいという思いは強く、わすかながら理解者も現れ、この先の展開が楽しみ。
おなごしは、一生商売には関われませんが、今後どんな展開で活躍するのだろうと、期待がいっぱい。
物が売れない時代にどんな工夫やアイディアが飛び出すのかも楽しみ。 -
20170821 高田郁さんの新しいシリーズ。澪つくしからの流れで読んだので最初は少し戸惑った。これからの展開の伏線もたくさん撒かれたと思うのでこの先が楽しみ。
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『みをつくし料理帖』の高田郁の新シリーズ。小料理屋の話だったそれに対し、本作は呉服商で奉公する娘の物語。個人的には料理の話のほうが楽しいですが、どちらも商いの話には変わりなくて面白い。
世は江戸中期、享保年間。摂津・津門村に学者の子として生まれた幸(さち)。七夕の短冊に書いて願うのは「知恵」。知恵がつけば世界は広がる、生きてゆける。そう考える幸は幼いころから文字に興味を示し、本を読みたがる。しかし、大飢饉が起こり、大好きな兄を失うことに。残った家族とも別離を余儀なくされ、わずか9歳にして大坂・天満の呉服商「五鈴屋」へ奉公に出され……。
おなごが知恵を持つものではないと思われていた時代のこと。言葉遣いも美しく、見るからに賢そうな幸は同性から反感を買ったりもしますが、幸か不幸か幼いせいで世の中に疎く、嫌みを言われてもその言葉の意味を真顔で考えます。呉服商の三男坊や番頭から才を認められ、こっそり本を読む機会を与えられることも。まだまだ始まったばかり。いったい何巻まで続くのか不明ですが、次巻への期待が膨らみます。 -
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物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。果たして、商いは詐なのか。あるいは、ひとが生涯を賭けて歩むべき道か―大ベストセラー「みをつくし料理帖」の著者が贈る、商道を見据える新シリーズ、ついに開幕!
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主人公の幸が七歳のときから物語は始まる。幼いころから、読み書きに興味を持ち、なんとかして知恵をつけたいものだと思っていたのだが、飢饉による窮乏で大阪の呉服商・五鈴屋に奉公に出ることになるのである。学びたがり屋の幸が、慣れない商家で辛い思いをしながら成長していくという話なのかと思って読み進めたのだが、さにあらず。同じ女衆にいじめられるわけでもなく、幸の興味をさりげなく応援してくれる人もいたりして、あれこれ助けられながらしっかりやっている。ただ、商いも順風満帆とは言えないようだし、現当主の悪癖や、兄弟たちとのすれちがいもあったりと問題を抱えているのである。今篇では、五鈴屋崩壊の危機とも言える事態になり、五鈴屋の要石とも言われている番頭の治兵衛がどうやら妙案を思いついたところで終わっている。なるほどそういう道筋になるのか、とわくわくするようなラストである。続きが愉しみな一冊である。 -
物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。
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みおつくしシリーズのファンなので、この本の最初の地図などとっても懐かしく、また物語が始まるんだとワクワクしながら読んだ。
12章のどれもにウルっときたり心の底からあたたかくなったり、そしてこの時代の暮らしぶりや背景がていねいに描かれていて早く続きが読みたいと思わせてくれる。 -
学者の父、優しい兄を相次いで亡くし、母と妹と別れて大阪の呉服商五鈴屋に奉公に上がる事になった幸。
一生下働きの女衆として働く立場に置かれながら、持ち前の明るさと知識欲で、自らの運命を切り開いていく。
「みをつくし料理帖」の澪と同じく、きっとこの先、幸にはこれでもかこれでもかと事件が降りかかり、その度に知恵と工夫で乗り切っていくんだろうなー、と思いつつ…
うむむ、澪と違って見た目も美形なので、この先男にも苦労させられそう。 -
学者だった父と勤勉で優しかった兄を亡くし、天満の呉服屋「五鈴屋」へ女衆として奉公にあがることになった幸(さち)。「商いは詐(いつわ)りなり」と商人を嫌っていた父のことばとは裏腹に、幸は商いとは何かを考えている。番頭の治兵衛はそんな幸に遠回りではあるが丁稚奉公の男児たちと同様に商いの心得を説いていく。
4代目徳兵衛・二つ名は阿呆ぼん。何故にそんなに阿呆ぅなのか。顔と精力だけしか取り柄なし。お棚潰れるわ! 阿呆ぼんのお嫁様・菊栄の人柄にホッとする。幸にしてみれば姉のような心持ちだっただろう。
次男・惣次の仕事は出来るがギャンギャンした性格にイラっとさせられるが、そこに意味があることを知るのは次の巻で。
本ばかり読んでいる三男智蔵に、亡き兄の姿を映しつつ、仄かな想いを持つ幸。
治兵衛の父のような優しさと厳しさが染みます。 -
書店にて、急ぎながらもサクッと楽しんで読めるものを探していて、アッ高田郁さんの新刊だ♪と手にして読みはじめてからこれはみをつくし料理帳に次ぐ新シリーズ!と気付きました。(遅い)
主人公の幸が、多難そうな先行きをどう乗り越えて何を目指すのか、みをつくしシリーズと同様に、いや、幸の年齢が幼い分まだ見えないからそれ以上に生き様を応援しつつ、自分も励まされながら読んで行くんだろうなと思うと嬉しくなった。
期待大♪ -
高田さんの待望の新作……
ちょっと、『花燃ゆ~吉田松陰編~』と『あさが来た』を掠めるけど、
この作家さんは、作品出すまでに、めっちゃ調べて調べて、練って練って書くひとやから、「あれ……既視感……」とか言うたあかん
ほんで、やっぱり、主人公は、一旦どん底まで墜ちるけど、大丈夫、最後は幸せになるから
という、ダメ出しをしても、ぐいぐい先を読ませる。
面白い!
ただ、☆ひとつ減らしたのは、最期が雲行き怪しい感じで終わったから。
友蔵心の俳句……違う(ちびまる子のじいちゃん違う)、智蔵さん……がな
まあ、彼と離ればなれにはならなあかんのやけど、
ほら、江戸時代って、女子供に主張なんて許されへん時代に、なんて終わり方を……!
と、そこだけ。それだけ。
いっぺん読んでみて!関西弁も堪能して!! -
兵庫県に今津の近くに生まれた幸という女の子が天満の呉服屋に奉公に出て、御寮人さんが実家に帰ってしまうまで。
突然の不幸に見舞われた少女が立ち上がって頑張っていく物語になっていくんだろうなあと想像がつく。けど、これからも読んでしまうんだろうと思う。
花登筺さんの再来かもしれない。 -
大切な家族を失ったのち、商人の家に奉公に出された幸。
まずは、大まかな人物紹介といったところ。
「知恵」は身につけておいて損はない。 -
2024.01.25 ★3.6
↓↓↓内容↓↓↓
物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。果たして、商いは詐なのか。あるいは、ひとが生涯を賭けて歩むべき道か―大ベストセラー「みをつくし料理帖」の著者が贈る、商道を見据える新シリーズ、ついに開幕! -
時代小説は初めて読んだが、読みやすく主人公の幸の今後の成長が楽しみになった。
登場人物のキャラ設定も際立ち、昔の古き良き習慣や他人を思いやる気持ちなど、心温まる気持ちになった。 -
大阪、天満の呉服商五十鈴やに女子衆として預けられた「幸」成長物語。