あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)

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  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439817

感想・レビュー・書評

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  • あきんどもの。主人公が9歳から奉公に出される。好きだった兄がなくなり、家を継ぐものがなくなり、追われるように奉公に出る。このあたりの筋運びの達者なこと。奉公先ではまちがって4人もの女衆が来ていて、その中で4種類の半襟を出せさて選ばれせる。その中で金額と思われる小さい数字の地味な黒を幸は選ぶ。大きいつづらと小さいつづらの話のようでうまい。奉公先人物のかき分けもうまい。

    今のところ10冊出ているそうで、これからが楽しみだ。



    『津門村を出る時に、初めて郷里に向き直り、両の手を合わせて深々と頭を下げた。

    自分を育んだ村への謝意を表したのでは決してない。あまねく神仏に加護を願ったわけでもない。どれほど懇願したところで、神仏は聞く耳を持たず、無慈悲にも大事なものを奪い去っていく。それが九つの身にも重々に染みていた。

    幸は、ただ、津門村の田の神に祈ったのだ。

    どうか、この村に豊穣をもたらしてください、と。もう二度と、幼な子が小石をしゃぶって飢えを凌ぐようなことのないように、と。』

  • 物がさっぱり売れない享保期に生を受けた幸。
    父から「商は詐なり」と教えられて育つが、
    齢9つで大坂天満の呉服商「五鈴屋」に奉公へ
    出されることに。番頭に才を認められ、徐々に
    あきないに心を惹かれていき…。

  • 10巻まで読んで、登場人物確認のため読み直したくなった。最初に読んだ時よりも知識が増えている分、細部に面白く感じた。

  • 妻が高島屋の紀伊國屋書店で買って来てくれる
    盆休み 一気に読む 
     読み物としては 退屈しない

  • 「みをつくし料理帖」シリーズの次に手に取りました。料理の次は“商い”。これまた面白くてページをめくる手が止まりませんでした!

    『知恵は、生きる力になる』
    幸の兄 雅由と五鈴屋の三男 智蔵。二人の言葉と優しさが重なり胸がいっぱい。
    自身は辛くても奉公人への気遣いを忘れない福久、時に粋な心遣いをみせ面倒見の良い治兵衛
    、共に女衆として奉公するお竹さん&お梅さん、歳の近いご寮さん。(阿保もいるけど)幸が奉公先で良いご縁に恵まれて良かった。

    波瀾万丈な人生の幸。人との出会い、言葉との出会い、そして何より商いとの出会いが幸を成長させどんどん魅力的にしていく。
    ずっと見ていたくなる幸の人生と商いの物語。
    面白かった!映像でも見たくなる作品です♪


    『知恵は、生きる力になる。知恵を絞れば、無駄な争いをせずに、道を拓くことも出来る』

    『知恵は、何もないところからは生まれはしまへん。知識、いう蓄えがあってこそ、絞り出せるんが知恵だすのや。商いの知恵だけやない、生き抜くためのどんな知恵も、そないして生まれる』

  • 3年以上前に読み始め、みをつくし料理帖とパターンが同じ気がして、途中でやめたものを最初から読み始めた。みをつくし料理帖と完全に分けて考えれば純粋に面白いので、今後、読み進めていこうと思う。

  • 新シリーズが並んでいたので・・・。

    オオサカ、作者さんは好きなんでしょうか。
    方言がかわいいけど。
    商人のおはなしになるそうで。賢い幸がほんとう可愛い。

  • 摂津の村で学者の娘として生まれ
    貧しいながらも幸せに暮らしていた幸。
    飢饉と流行病の波が押し寄せ
    父と兄を相次いで失った彼女は
    残された母と妹のため大坂で奉公人として働くことに。

    つれられて向かった先は四代続く呉服商。
    今までと違う華やかな商人の世界にとまどう幸だったが
    持ち前の頭の回転の良さで
    女主人や番頭の心をつかんでいく。

    一気読み必至の新シリーズが開幕しましたな!
    高田さんの物語は本当に主人公が頑張り屋さんでいいわ。
    そしてまわりに誰か必ず
    手を差し伸べてくれる人がいるのも。

    今回は呉服屋さんが舞台だけど
    幸が、まかないごともする女中のため
    やっぱり美味しそうな食べ物が
    なんやかや登場するね〜。

    それにしても気になるところで以下次巻に…。
    うう〜ん。またしても意に添わぬ相手と
    縁が結ばれそうでヒヤヒヤする。

  • 物事を知ろうとする貪欲さが美しい。商いについても学べる。面白い。

  • 【所蔵館】
    総合図書館中百舌鳥

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000940697

  • タイトルから名前に金と銀がつく二人の物語かと思ったら全然違った。

    主人公の幸は苦境にもめげずに持ち前の好奇心と知識への渇望で道を切り開いていけそうな感じだけど、一巻目にして結構展開早いなぁ。 

    菊栄はあのままなのか? 友蔵と幸の今後は? 亡くなってしまった幸の父は過去に何があってあんなに商いを敵視していたんだろ。 気になる事ばかりだ


  • 「みをつくし」が面白かったので、こちらも読んでみました。続きが楽しみです。

  • すごく面白い。

  • ま、まだ途中だけど全巻買いに走った。
    面白い!話の運びが軽やかで無駄なくかつ情感たっぷり、文章も削ぎ落とされており素晴らしい!!
    幸ちゃん可愛い!
    最高!

  • 登場人物や場面の描写がとても魅力的で
    冒頭からすぐに驚くほどのめり込んだ。
    幸がとても賢く、愛らしく、
    家族で過ごしていた頃の部分はほとんど
    涙なしには読めないほど感情移入してしまった。
    兄の気持ち、父の気持ち、そして母の気持ち。
    どの場面でも幸のことを思うと本当に
    泣けて泣けて涙が止まらなかった。
    五鈴屋に行ってからも利発に成長し、
    物語もどんどんおもしろくなり、
    まだ1巻だと思うと楽しみでたまらない。

  • 最初は少し読み難いかなと思ったのだが、読み進めるにつれて面白くなってきた。
    幸のこれからが楽しみだし、智蔵や国に残した母や結も心配だ。

  • 幸が成長するのは楽しみのような、損な役回りに振られそうな?

  • 時代小説は苦手なジャンルで、今まで手を出したことはなかった。
    友人にハマってる、と教えてもらい、一応、勧めてもらったから読んでみた。
    おもしろい!
    言葉遣いも、わかる程度の書き方なので、難しいことがわからなくても大丈夫でした。

    今、最新刊は9巻まであるけど、図書館ではなかなか回ってこない様子なので、とりあえず5巻まで借りてきて手許にあるが、このあとは購入するかも…

    多分、最初の1巻を読んだままのイメージで、女衆として郷里から口利きに連れられ大阪にきた幸が主人公で、奉公先で活躍していくのだと思う。
    でも、こんな時代に読むと、なんとも心あたたまるいい文章とテンポで、一日で読み終わった。

    使うことがなくても、知恵があることが人生において大切なこと。
    私の心にも刻んでおこうと思う。

    次を読むのも、本当に楽しみです。
    この作家さん、他にもたくさんのご著書があるので、制覇する楽しみができました!

  • 2020.07.30

  • 【読むべき本は、読むべき時にやってくる】

    「商いは詐」
    そう言われて育った学者の娘・幸は、思いもよらぬ不幸に見舞われ、大阪の呉服屋へ奉公に上がる。それが波乱万丈な人生の幕開けだった…という第1巻。
    なぜ今まで手にしなかったのか、と改めて思った。
    私の父は学者だ。就職氷河期、両親には研究者になることを望まれたが、普通に就職を決めた。最初の仕事は、呉服を含む伝統工芸品の営業。物語の中で語られる呉服の歴史や奉公人の教育風景に、そこはかとない懐かしさを覚えた。
    物語に引き込まれた私は、すぐに図書館で続巻の予約をした。

    ▷8巻までの感想を『note』に書きました。
    https://note.com/323_word_colour/n/n8d9a8b26a321?magazine_key=m49098f5eb3ca

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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