あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439817

感想・レビュー・書評

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  • みをつくし〜シリーズを読んでる間も、高田さんの別作品を読んできたので違和感なくスッと高田ワールドへ入り込めた。
    読む人によっては説明的と言われる方もいるが、この細かな作者の気配りが物語の登場人物にまで乗り移って優しい世界を作り出してるんだと思う。
    ただ、みをつくしシリーズとは違いこちらはなかなかの闇な環境に主人公が置かれていて、とりあえずの一冊のはずがやはりこれも全読みしなければ、となってしまった。

    さて、大阪天満橋が出てきたら何処かで澪ちゃんとすれ違わないだろうかと笑

  • 知恵。知恵が欲しいと彼女は言う。今よりもっと図太くないと生きられない時代に、自分を守る武器としての知恵。現代も変わらずやはり知恵はいろんなことを豊かにする、と改めて思う。

  • みをうくし料理帖に続いての髙田郁さん。あきない正傳金と銀シリーズ第1巻。学問で生計を立てていた兄と父の相次ぐ死。口減らしのため大坂天満、呉服商五鈴屋に5年無給の奉公に出された幸。もっと辛い話ばかりと想像していましたが、賢い幸と一緒にあきないの道を学びたくなりました。目指せ最新作6巻まで

  • 学者の娘が、父と兄を亡くし、五鈴屋という呉服商に女衆として奉公に上がる事に。
    父から「商は詐なり」と教えられて育った主人公の幸が、自分で見た事をその聡明な頭で考え、徐々に商に惹かれていく。
    女衆は商いには関わる事が出来ないにもかかわらず、番頭に才を認められて、少しずつ知識を広げていく。

    店主の廓通いにより、ご寮さんの菊栄が出ていってしまい、これからどうなるのか…。
    素敵なご寮さんやったのにな。

  • 享保の後の元文の大阪商い物語
    幸は呉服屋の五鈴の女衆に奉公している。
    主は女道楽で嫁に去られ、業績も傾いていて内紛のある店で、さあどうなる?

  • 久しぶりの高田郁先生の小説
    時代小説といえば江戸ばかりだけど、大阪で商人を描くのは高田先生しかないね
    商売話がなかなか出てこないのは子供時代から描くからだけど、朝ドラの原作を狙っているのかな(笑)

  • 1巻かと思いきや、シリーズでした、嬉しい。

    昔の人は薬も点滴も手術もないし、本当あっけなく死んでしまう。。

    主人公の頭の良さが大坂呉服屋でどう活かされるのか楽しみ。
    とりあえず跡取り息子のしょうもなさが半端ないけれど。。

    お嫁さんの、たった2年、本人にとってはしんどくて長い2年というのが。。そうだよなぁ。。

  • 江戸時代の大阪商人の様子が活き活きと描かれており、なかなか面白い出足でした。

  • 新たに読み始めたシリーズ本。
    前シリーズの「みをつくし料理帖」を読む前にこちらで高田郁 初読です。
    ギスギスした人付き合いの描写がなく、あってもマイルドな表現なので読みやすい。

  • 借り物/江戸時代中期の商いのお話。故郷から大坂へ奉公に出された幼い幸が健気で、それだけで応援したくなる。続きが気になるなあ…智ぼん、戻ってきてほしい!
    歴史がとんでもないレベルでだめだめなわたしにも読みやすかった。時代小説、という新しいジャンルへの道が拓けてうれしい。

  • 三代続いている
    小さな町の「呉服屋」を継ぐために
    知り合いの若者が
    故郷に戻ってきました

    親父さんとは別の近くの場所に
    自分の店を開きました

    何か開店のお祝いと思って
    迷わず
    どうぞ、この一冊を
    と 紹介しました

    「いゃあ 幸が健気ですねぇ」
    「普段、あまり本は読まないのですが
     これは 効きますねぇ」
    とのこと

    数日して
    この若旦那の店に立ち寄ったところ
    第二巻以下、最新刊まで
    早速、レジの横に並んでいました

    もし
    その本の並ぶ光景を
    見られたら
    この 若旦那のお店かも
    しれませんよ

  • 幸の今後が楽しみ。

  • みをつくし料理帖をテレビで見て、気になり、同じような時代もののストーリーだったので、読んでみた。朝のテレビ小説にもなりそうな、女一代記の始まりの予感。

  • ううむぅ.....面白いじゃないか。
    面白すぎて読むの止められん。
    1日で読んでもーた。

    落として持ち上げて、だんだん上向きになっていく様子を
    頑張れ「サチ」と心底応援してしまいます。

    この人の本はキャラが光ってるよなー。
    キャラ立ちが素晴らしー。
    2巻も楽しみだ。

  • 学者の子として生まれた幸。
    飢饉が起き優しく利発だった兄が、続いて父が死ぬ。
    女は学問が必要ないという時代に幸は知識が身を助けると
    信じている。
    今後奉公先の五鈴屋で幸はどうなっていくのか楽しみ。

  • 知識欲が無くなった時に人の成長は終わるのかもしれない。それは世の中の難しい難題に挑むって事ではなく、身の回りの身の丈に合う疑問をひとつひとつ溶解していく欲。これを続ける限り人は成長していく。高田郁の新シリーズに大いに期待。

  • 「みをつくし料理帖」「銀二貫」の作者の作品なので。

    物語の進む速度が、上の作品の間ぐらいだが、ちょっと物足りないというか、速すぎるというか。
    とはいえ、人々の心持ちを美しく描くさまは相変わらずだし、
    四人もいた女衆候補の中から選ばれた場面は圧巻。

    話とはまったく関係ないが、むかしむかし、学校で先生に言われたことを思い出した。
    「日本は使える土地も狭いし、資源の少ない国だから、頼みは人的資源だけだ。だから勉強するように」
    それは多分私だけではない。
    日本のあちこちで多くの子ども達が同じことを言われていた。
    現在の様にソフトが日本を世界に知らしめてはいなかったが、
    製造業ではすでに世界一の分野がいくつもあり、ハードでは世界を席巻していた。
    それでも、学びは大切だと言われた。

    その通りだよ。
    別に国のために学ぶ訳ではない。
    学んでも、人生の問題が全て解決するわけではない。
    それでも、学べる環境にあるなら、その間だけでも学ぼうよ。
    学びたくても学べない人たちが山ほどいたのだから。
    今でも世界にはたくさんいるのだから。

    そんなことを思いめぐらしてしまうほど、
    幸の気持ちが痛いぐらい伝わってきた。

  • 時代物としてはすごく読みやすい印象。
    源流編ということもあり、今回は物語の序章。
    今後の話に期待感はあり。

  • 『銀二貫』やみをつくしシリーズでもお馴染みの大坂・天満を舞台にした物語が始まった。故郷での相次ぐ不幸から、商家に奉公する幸を取り巻く人々の多くが意地悪でなく、五鈴屋のお家騒動があるものの、安心して読み進められた。「あさが来た」の大坂言葉が本書を読む上でとても参考になる。商家の番頭、手代、丁稚、女衆などの動く様は、枝雀の落語を彷彿とさせる。

  • 商人の世界の話。続き作品のようなので全巻揃った時に一気読みしようと思います。

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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