あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439817

感想・レビュー・書評

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  • 時代小説は苦手なジャンルで、今まで手を出したことはなかった。
    友人にハマってる、と教えてもらい、一応、勧めてもらったから読んでみた。
    おもしろい!
    言葉遣いも、わかる程度の書き方なので、難しいことがわからなくても大丈夫でした。

    今、最新刊は9巻まであるけど、図書館ではなかなか回ってこない様子なので、とりあえず5巻まで借りてきて手許にあるが、このあとは購入するかも…

    多分、最初の1巻を読んだままのイメージで、女衆として郷里から口利きに連れられ大阪にきた幸が主人公で、奉公先で活躍していくのだと思う。
    でも、こんな時代に読むと、なんとも心あたたまるいい文章とテンポで、一日で読み終わった。

    使うことがなくても、知恵があることが人生において大切なこと。
    私の心にも刻んでおこうと思う。

    次を読むのも、本当に楽しみです。
    この作家さん、他にもたくさんのご著書があるので、制覇する楽しみができました!

  • 2020年8月29日、読み始め。

    この作品の始まりは、1731年(享保16年)。
    1732年(享保17年)は、享保の大飢饉があり、その辺のことが、49頁に書かれている。享保の大飢饉は、冷夏と稲の害虫「ウンカ」の大発生が原因。


    ●人物メモ

    ・幸(さち)---武庫郡津門村(むこぐんつとむら)生まれ。第1巻では、7歳の少女として登場。

    ・文次郎---綿買い商人。幸よりも30歳位年上。

  • 2020.07.30

  • 【読むべき本は、読むべき時にやってくる】

    「商いは詐」
    そう言われて育った学者の娘・幸は、思いもよらぬ不幸に見舞われ、大阪の呉服屋へ奉公に上がる。それが波乱万丈な人生の幕開けだった…という第1巻。
    なぜ今まで手にしなかったのか、と改めて思った。
    私の父は学者だ。就職氷河期、両親には研究者になることを望まれたが、普通に就職を決めた。最初の仕事は、呉服を含む伝統工芸品の営業。物語の中で語られる呉服の歴史や奉公人の教育風景に、そこはかとない懐かしさを覚えた。
    物語に引き込まれた私は、すぐに図書館で続巻の予約をした。

    ▷8巻までの感想を『note』に書きました。
    https://note.com/323_word_colour/n/n8d9a8b26a321?magazine_key=m49098f5eb3ca

  • 大飢饉や家族との別離を経て
    齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる
    慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、
    番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。
    「BOOK」データベースより

    ほんでな、ほんで、この呉服屋の3人息子が絵に描いたようなアホなんですわ。
    ということで
    とうとうこのシリーズに手を出してしまった。
    たくさんの読友さんがレビューをあげていて
    面白いことはわかっていた。

    そして読んで幸の故郷はなんとご近所ということがわかる。

    巻頭の地図みたらさ、
    甲山も廣田神社も西宮神社もあるしさぁ、
    俄然身近!

    そうなんだぁ、
    ここから天満まで行ったんかぁ、
    それは遠いなぁ。まだ子どもやのに。

    と、私、宮っ子、幸を応援する所存です。

  • 兄のすすめで読み始める。学者の子として生まれた女の子、幸が享保の大飢饉で父・兄を亡くし、9歳にして呉服屋に奉公としてでる、という江戸時代のシリーズもの小説。あまり時代ものに触れてこなかったので、女性の置かれた立場であったり、食にまつわる暮らしぶりであったりが仔細に描かれていてとても面白い。そして純粋な幸に感情移入してしまう。

  • この後の「幸」が早く知りたい!

  • おもしろーい!女衆として呉服屋に行くことになった幸。その呉服屋の主人3人息子が、お互いに息が噛み合っておらず呉服屋は資金繰りに右往左往することに…。幸が商いとは何かを学んでいく主なストーリーと、江戸時代の文化・風習が垣間見えるサブストーリー。思わず続刊を買いました。

  • 2020.4.15完了
    読み始め、なんとなく面白くなさそうな気もしていたが、四代目のだらしないあたりから話の読みやすさは断然上がる
    これから幸の運気は上がるんだろうから、話の運びは見えてきてしまうが、がんばる彼女に期待したい

  • 実家の不運に見舞われたが故に大坂の商家に奉公にあがった幸。
    故郷を離れる姿に涙が出ました。
    女衆の立場でありながらも持ち前の聡さと利発さで商売の世界を覗いていきます。
    時代の変化と阿呆ぽん、これから苦難の道が待ち構えていそうです。
    幸ちゃん頑張れ。
    幼い彼女を応援したくなります。

  • お手元にハンカチとティッシュが必須となりますーっ。

  • 高田郁さんの作品はハズレがない

    学者の父に、
    「誰かの汗の滲んだものを右から左へ動かすだけで金銀を得るようなそんな腐った生き方をするのが商人だ。商とは、即ち詐(いつわり)なのだ」
    と教えられた幸が、齢9つで大坂の呉服商五鈴屋に女衆として奉公することになる
    番頭治兵衛は
    「商人は、正直と信用とを道具に、穏やかな川の流れを作って、お客さんに品物を届ける。問屋も小売も、それを生業に生きるさかい、誰の汗も無駄にせんように心を砕く。それがほんまもんの商人だす」
    と幸に語る

    果たして、『商』は、詐なのか!
    知恵は生きる力。知恵を授かりたいと願う幸が、五鈴屋で何を見、どんな活躍を見せるのか、これからが楽しみだ

    しっかりとした時代考証に裏打ちされた描写で、読者の知的好奇心を満足させてくれる
    この作品でも、商家の三度の食事内容やら婚礼の模様、商人の仲間(今でいう組合)などとても興味深かった

    また、背景の描写が彩り豊かで、魅了された
    「朱と黄とが混じり合ったような夕陽の輝き、あれが金色。川面の煌びやかな色、あれが銀色。どちらも天から与えられた美しい色なんだ」

    空は漆黒から濃紺へと色味を移し、東天の端が薄く紅を差し始めた刻、熟した梅のふくよかな甘い香りが、予期せぬ臨終の悲しみを慰めるように漂っていた

    想像力を働かせて、じっくり味わいたい文章も素敵だった

  • 2020年初読は「みをつくし料理帖」の次シリーズ。
    主人公の幸の地元が武庫川周辺でちょっと馴染みのある場所なのが嬉しかった。

    江戸時代、女性は良家に生まれ良家に嫁いで跡継ぎを生むことだけが存在意義で、それ以外の女性は一生鍋の底を磨いて暮らさねばいけない。女に学はいらない、と言われていた時代。そんな時代に、学ぶことの楽しさに気づき、学びたいと願う幸や、主人の放蕩に愛想をつかしてさっさと離縁してしまった菊栄さんはかなりのニュータイプの女性だと思う。
    また、士農工商という身分制度があり、学者であった幸の父が商人を毛嫌いし見下していたりと、当時の時代背景がよくわかる。
    小さな幸が、貪欲に学んでいこうとする姿が健気で可愛らしい。また幸を囲む周りの登場人物たちも皆魅力的でした。
    幸の将来には様々な苦難が待ち受けていそうですが、亡き兄の「知恵は生きる力になる」という言葉を胸に、どんなふうに道を切り拓いていくのか、とても楽しみ。
    2020年も良い本読むぞ~。

  • みをつくし〜シリーズを読んでる間も、高田さんの別作品を読んできたので違和感なくスッと高田ワールドへ入り込めた。
    読む人によっては説明的と言われる方もいるが、この細かな作者の気配りが物語の登場人物にまで乗り移って優しい世界を作り出してるんだと思う。
    ただ、みをつくしシリーズとは違いこちらはなかなかの闇な環境に主人公が置かれていて、とりあえずの一冊のはずがやはりこれも全読みしなければ、となってしまった。

    さて、大阪天満橋が出てきたら何処かで澪ちゃんとすれ違わないだろうかと笑

  • 大塚製薬エクエルのサイト(新井見枝香選書)のチャート診断で「知的な思考力タイプ」向けとしておすすめされた本。

  • なんか……ずっと説明……

  • みをつくし料理帖シリーズが良かったので、読みました。

    応援したくなる頑張り屋の主人公。
    先行きがあやしくなりながらも、主人公が活躍できるようになる予兆を感じさせて次巻へ。

  • 知恵。知恵が欲しいと彼女は言う。今よりもっと図太くないと生きられない時代に、自分を守る武器としての知恵。現代も変わらずやはり知恵はいろんなことを豊かにする、と改めて思う。

  • みをうくし料理帖に続いての髙田郁さん。あきない正傳金と銀シリーズ第1巻。学問で生計を立てていた兄と父の相次ぐ死。口減らしのため大坂天満、呉服商五鈴屋に5年無給の奉公に出された幸。もっと辛い話ばかりと想像していましたが、賢い幸と一緒にあきないの道を学びたくなりました。目指せ最新作6巻まで

  • 学者の娘が、父と兄を亡くし、五鈴屋という呉服商に女衆として奉公に上がる事に。
    父から「商は詐なり」と教えられて育った主人公の幸が、自分で見た事をその聡明な頭で考え、徐々に商に惹かれていく。
    女衆は商いには関わる事が出来ないにもかかわらず、番頭に才を認められて、少しずつ知識を広げていく。

    店主の廓通いにより、ご寮さんの菊栄が出ていってしまい、これからどうなるのか…。
    素敵なご寮さんやったのにな。

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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