あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439817

感想・レビュー・書評

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  • ぎゃー!あかんあかん!
    番頭はん、何てこと考えてらっしゃるのー!!

    そりゃもう聡明な幸っちゃんならしっかり五鈴屋の暖簾を守ってくれるご寮さんになってくれるだろうけど、あんな色狂いのあほぼんの元に嫁入りするなるなんてありえないよー。

    ってのが、ラストを読んだ今の率直な感想。なんて次巻が気になる終わり方!

    それにしても当たり前なんだけど、この時代は女性はもちろんのこと男性も、自分がやりたいことを自由にできる人なんてなかなかいなかったんだなぁ。
    目の前の生活に一心に取り組みながら、日々小さな幸せ(寒いよるに食べる屋台のうどんとかね)を楽しみつつ一生懸命生きる人たち。かつての日本人の勤勉さってほんとすごい。

  • あかーん!!!!!!!
    治兵衛はん!それだけはあきまへん!
    色狂いの4代目にこのかわゆいかわゆいお幸ちゃんを差し出したら、わてが許しまへん!


    最後のシーン、、、

  • これから幸の人生がどうなっていくか期待!

  • 今の時代がどれだけ便利で、色々なことが当たり前にできてる時代なのか、改めて考えさせられました。幸がこれからどうなっていくのかが楽しみです!!

  • 幸のみんなから好かれる性格というかなんか羨ましいなって思う。でもその分別れの時とか悲しいんやろうなって…自分より年下の幸がもう1人で働いて暮らしているっていうのがすごいなって思った。

  • 大好きな江戸グルメ小説「みおつくし」シリーズの高田郁先生の次作シリーズ。
    こちらも商売物ですが、食ではなく、着物でした。
    舞台は大阪、江戸時代の商売の本場は江戸街でなくて大阪なんですよね。大阪を舞台にした商売ものは江戸よりシビアというか、縛りも厳しくて途中でのし上がるのは大変なイメージです。
    天保の飢饉で親兄弟を亡くし、9歳で大阪の呉服問屋、五十鈴屋の女衆として奉公にあがった幸。
    女に学問、女に金勘定を任せるなんて認められなかった頃に、只ならぬ才を魅せる。
    父親が学者という遺伝なのか、頭も良く、のちに番頭候補となるべく丁稚奉公している男の子よりも飲み込みが早い。それでも奥の女衆としてしか働く事ができないのが可哀想。
    でも、そこは高田先生の作品ですから、これから幸がのし上がっていくのでしょう。
    五十鈴屋の若旦那が放蕩者なのが、いかにも取って代わるイメージしかないです(笑)
    あいも変わらず、女性が逞しく頼もしく、強い高田作品は読んでいて元気になるし引き込まれます。
    1巻ずつ読むよりも、まとめ読みしたくなります。

  • 幸が、9歳から大変な苦労をするが、知識欲を絶やさないことには、感心する。
    次巻以降の幸の活躍に期待してしまう。

  • みをつくしシリーズを読了してしまい、ロスになってこちらを読み始めたため、どうしても比べてしまいます。

    同様に女主人公が才を発揮してゆくストーリーではないかと推測しますが、前作と比べると、主人公の魅力の少なさ、全体的に重く暗い雰囲気、登場人物らへの魅力の少なさ、退屈なシーンが目立つ、など、いまのところ面白さを感じきれないのが正直な感想です。

    ただ、ネタバレが見えない程度にレビューをチラッと見てみると、今後面白そうな展開になりそうではあるので、期待を込めて星4にしました。

    もう少しコミカルな描写もあるといいのになぁ。今後に期待します。

  • 旱魃と飢饉で飢える貧困、そして、女性が学問をできない社会であるなど、江戸時代の厳しい現実が描かれる。その中で翻弄され、耐える主人公の幸。
    この巻では、まだ、運命や社会に翻弄されるだけの幸だったが、次巻以降で立ち上がっていくのか。スカッとする様なカタルシスは味わえずに、物語はまだ動き出していない。今後の展開にむけた、静かなる序章といった、静謐な出だしでした。ドラマのおしんの様な壮大な物語が予感される。

  • 面白いって聞いたから、読んで見ました。やっぱり良かった。幸の行き方が気になる。ヤバいやつだ〜。続編、買ってしまいました。

  • あきんどもの。主人公が9歳から奉公に出される。好きだった兄がなくなり、家を継ぐものがなくなり、追われるように奉公に出る。このあたりの筋運びの達者なこと。奉公先ではまちがって4人もの女衆が来ていて、その中で4種類の半襟を出せさて選ばれせる。その中で金額と思われる小さい数字の地味な黒を幸は選ぶ。大きいつづらと小さいつづらの話のようでうまい。奉公先人物のかき分けもうまい。

    今のところ10冊出ているそうで、これからが楽しみだ。



    『津門村を出る時に、初めて郷里に向き直り、両の手を合わせて深々と頭を下げた。

    自分を育んだ村への謝意を表したのでは決してない。あまねく神仏に加護を願ったわけでもない。どれほど懇願したところで、神仏は聞く耳を持たず、無慈悲にも大事なものを奪い去っていく。それが九つの身にも重々に染みていた。

    幸は、ただ、津門村の田の神に祈ったのだ。

    どうか、この村に豊穣をもたらしてください、と。もう二度と、幼な子が小石をしゃぶって飢えを凌ぐようなことのないように、と。』

  • 高田郁さんの別の本を読んで、こちらにも興味を持ちました。

    何も考えずのらりくらり子ども時代を過ごした私からしたら、とても考えられないほど厳しい幸の人生。それでも、賢く明るく前向きに生きる幸。応援せずにはいられない...!

  • 着物好きな友人がオススメしてくれた本

    おもしろかった!

    舞台は大阪
    摂津の津門村で学者の父親の元に生まれた幸
    享保の大飢饉、父親の死などから呉服商「五鈴屋」に奉公に出されることに。そこで番頭・治兵衛に才を認められて…

    舞台が関西ということでなじみのある場所の名前が出てくるのも楽しい。

    続きが楽しみ!

    で…読みだして気が付いた!
    そういえば「みをつくし料理帖」最後まで読んでなかった~!

  • 物がさっぱり売れない享保期に生を受けた幸。
    父から「商は詐なり」と教えられて育つが、
    齢9つで大坂天満の呉服商「五鈴屋」に奉公へ
    出されることに。番頭に才を認められ、徐々に
    あきないに心を惹かれていき…。

  • 先日、数年越しでみをつくしシリーズを読了して
    「なんで今まで読んでへんかったんやろう…」
    ていうぐらい、面白さに打ち震えたのは前述の通り。

    ただ、時代小説という(わたしにとっては)難易度の高い著者だけに、
    「おもしろかったから別タイトルも読もう!」
    と、気軽にいけるかどうか…。

    と、いう不安を抱えつつ、図書館で予約してみたところ

    な ん で 今 ま で 読 ん で へ ん か っ た ん や ろ う(二回目)

    これは、面白い! これも、面白い!!

    みをつくしは料理道の話やったけど(そんな言葉ないやろ)、こちらはお商売の話。しかも舞台は大坂ってことで、こちらのようがより馴染みがあるかもよ~! まだ一冊しか読んでへんからわからんけど、ソッコーで続きを予約した! んもうシリーズイッキ読みする!


    主人公がわかりやすく聡いのは読んでて小気味よくて好き。
    昨今はそういうのを「主人公補正」と、いう(場合もある)らしい(笑)けど、わたしは好きやなあ。主人公には、他人にない才能がある、ていう流れ。

    幸ちゃんの場合はどうなんやろう。彼女自身の努力も十二分にあると思うけど、天性のものも持ってるよね。
    天分もある働き者って、何なら一番の理想かもしれん…。

    そして菊栄さんの「図太さ」(いい意味の)をわたしも目指したい。

    厚かましい、と、いう意味ではなくて、「腹をくくる」かつ「おおらかに生きる」って感じと受け取った。
    すばらしいな。

  • 作者の「みをつくし料理帖」シリーズが良かったので、読み始めました。やはり面白い!

    主人公の幸は、奉公先の呉服商「五鈴屋」で女衆でありながら、徐々に商いに心惹かれていく。
    娘の行く末が気になって仕方ない。

  • 学者の元に生まれ育ち、勉強に興味があるものの女性ということで、学ぶことを認めてもらえなかった幸。秀才だった兄 雅由を病気で、父を流行病で亡くし、9歳で五鈴奉公に出ることになる。
    奉公先では、店を支えてきたお家さんの富久、番頭の治兵衛、現店主の四代目徳兵衛(長男。商才は乏しく、商いについては次男 惣次に任せている。女遊びに明け暮れ、嫁に来た紅屋の菊栄と離縁してしまう。)、次男 惣次(商才があり、実質的に五鈴屋を支えている。長男とよく喧嘩をしている。短期。)、三男 智蔵(読書家で、商いをしないため、家の人から心配されている。菊栄から小説を書いたらどうかという提案を受け、書いていたところが惣次にばれて家を出る。)

    まず女性が勉強できなかった時代は、女性に求められたのは、家事ができることか子供を産むことだけだったと知り、今の世の中に感謝しました。
    印象的だったのは、幸が奉公に出るときに母 房が白米の大きなおにぎりを持たせてくれたことでした。飢饉で米がない中で、母が子を思う気持ちや頑張れという気持ちが伝わり、感動しました。
    飢饉とか関係なく物流が発達したことで今はお金さえ出せば食べ物が手に入る時代になったことに感謝し、食べ物を粗末にしないようにしようと思いました。
    読んでいると、いつもは気にしたことのない両替商の始まり、手形、物流についても知恵を得ることができるので、読んでいて楽しいです。
    幸が嫁に行くのか、続きがすごく気になります!

  • 10巻まで読んで、登場人物確認のため読み直したくなった。最初に読んだ時よりも知識が増えている分、細部に面白く感じた。

  • 学者の家に生まれ、恵まれた環境から、家族の重なる不幸によって、大阪天満の呉服屋に奉公に出される。
    不遇な環境でも、笑って前に進む幸に励まされた。

  • 妻が高島屋の紀伊國屋書店で買って来てくれる
    盆休み 一気に読む 
     読み物としては 退屈しない

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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