「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781616384

感想・レビュー・書評

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  • 理解できる部分はあるものの自分が求めていたものとは少し違った。自分より少し上の世代向け。自分の大人像を整理するために活用する。

    ⭐︎読み始めたきっかけ
    会社の中で年齢の割に組織内での振る舞いや考え方がイマイチ、と思う人を見るたび、こんな大人にはなりたくないと感じていた。理想の大人になるヒントがあればと思い手に取った。

    ⭐︎本を読んで
    自分が求めていたのは、大人、老いたときにどうあるべきかではなくて、カッコいい大人であるには、若者として何をなすべきかという視点だった。

    本書の内容
    ・好きなものも若い頃と同じ熱量で続けていくことはできない
    ・自分を育てることよりも後輩を育てることに意識が向いていく
    ・歳をとっていく中で徐々に志向をシフトさせていく必要がある

    割と若々しくあろうとすることが無理をしているというようなネガティブな印象を持たせる表現がされていると感じた。
    自分の中では精神的な成熟と見た目の若々しさを追求したいと思うが、若々しくあるべきと社会的にそう思い込まされてることかどうか判断がつかなかった。

    自分の伸び代より下の年代の伸び代の方が大きいので育てる喜びがわかるようになるといったことが書かれており、同意はできるものの、他人の成長ありきではなく、自己研鑽は続けていくものではないかと思った。

    自分の成長しか考えていない=良くないという主張でもあったので、
    組織で言えばメンバーのマネジメントもできてこそ自身の成熟という意味に置き換えれると思った。

    ⭐︎私の思う「大人」
    人を育てることに目が向けられるのも大事な要素ではあるものの、育てる以前に、まず他者と接する上でのその人の在り方が魅力的かどうか、が問われていると考える。

    人と接する時に相手に安心感を与えたり、物事への動じなさ、適切な対応力、思考力など
    育てるという上から下の関係性でなくても、他者に対して助けとなるような働きかけができる

    ⭐︎私が魅力的に感じない「大人」のポイント
    ・組織においてより良くするための働きかけをしない
    ・他人の立場に立って考えることなく、いつも自分の意見が正しいと思い込んでいる

    「大人」ということばにこだわるよりも魅力的な人をロールモデルとして、真似したり、他者を反面教師に自己研鑽に励むしかないのかもしれない。

  • タイミング的にピッタリな一冊だった。日頃、漠然と思い巡らせていたことをうまく言語化してくれていた。特に、昔の先輩ほど尊敬されようとすることに無理がある、という点に同意だ。環境は目まぐるしく変化しており、先輩として、後輩たちに自信を持って何を伝えることができるのか、考えてみると意外にないことを再認識できた。

  • 「大人である」「大人になる」その一文字の違いには、大きな隔たりがある。

    「大人」になるということは、階段を上がるイメージであったが、いざ迎えてみると、緩やかな坂を登るように、気づいたらなっているものに近かった。それは、年齢で区分された大人であって、この本で語られる「大人」ではない。

    著者は、『世代や立場が違う人に、その違い踏まえて対応すること(P38)』が「大人」の定義と冒頭で述べている。

    そして、「大人になる」ということは、この本によると、人生の主役をやめて脇役に転じ、若者を育てていく側になることらしい。

    このあたりが非常に難しい。なぜなら、いま周りにあるものがほとんど、人生の主役になるように促しているからだ。コマーシャルは、「あなたのよりよい生活を」というメッセージが込められていて、流行は常に追いかけるもののように喧伝し続ける。SNSは、まさに主役になれる為のツールとして機能している。

    それらが決して悪いわけではない。がしかし、人生の主役、ステージから降りること(降りるという言葉のイメージですらも、ネガティブに感じてしまう)を、なんとか引き留めようとする。

    そうして、遅れをとり続けて、気がつけば「年甲斐もなく」と後ろ指を刺される年齢となるのである。

    情報化社会・多様性・考え方のアップデート。どれも、魅力的な言葉だ。

    しかしながら、大人として成熟するには、全てを変えるのではなく、定期的なメンテナンスをする方にシフトし、主役の座を譲らなくてはならないのかもしれない。

    考え方の一つとして、この本はたいへん為になったが、どうしても、主役を譲ることが、今の自分には難しく感じる。こういったところがまだまだ磨き足りないのかもしれない。

  • 20歳の私にはまだ早いかなと思ったけど、そもそも大人ってなんだ?歳をとるってどういうことだ?「これだから若者は〜」と言われるあれはなんだ?などのモヤモヤが少しずつ解消されていく本。著者の熊代さんの経験則が強い部分もある。歳をとりたくない、いつまでも若者でいたいと思っている人には特にすすめたい。

  • 【推薦コメント】
    大学生はまさに大人への転換期であるので、その時期に読む本として最適だと思うから。
    (工学研究科 M2)

    【所蔵館】
    総合図書館中百舌鳥

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000941107

  • この本を読んでまだ自分は若者であると思った。
    アイデンティティがまだ確立できていないし、恋に恋しているし…将来自分がなりたくない大人像にならないために読んでおいてよかった。多くの気づきを得られる良書でした。

  • ところどころでご自身でも書かれていたけど、やはり主観が多めの本だった。
    成熟しにくい社会のシステムになっていることを認識することは大切だと感じる。
    現在22歳の私からすると本当にこの感覚をこの先得る日はくるのか?という部分も多かったので、また数年後に読み直すと違う感覚を得られると思った。

    ===
    P.43
    乳児期(誕生~):信頼vs不信
    早期児童期(18ヶ月~):自律性vs恥、疑惑
    遊技期(3歳~):積極性vs罪悪感
    学齢期(5歳~):生産性vs劣等感
    思春期(第二次性徴~):アイデンティティ確率vs拡散
    初期成人期(20歳~):親密さvs孤立
    成人期(40歳~):生殖性vs停滞
    老年期(60歳~):統合性vs絶望

    P.84
    アイデンティティが確立していない人のほうが、概して「否定に打たれ弱い」

    P.118
    誰かのことを反面教師として敬遠する際、どこか自分に似たようなところがあって苛立ちを感じて~。

    P.139
    あなたが40歳、50歳になったとき、どういったものを年下の人間に差し出せますか?

    P.144
    年下の流行や活動に対する複雑な感情の中には、急激に伸びていく若者が自分に追いつき追い越していくことへの危機感や、自分たちの時代が過ぎ去って次の時代に変わっていくことへの焦り、自分たちの世代には馴染みのない技術や思想を身に付けていくことへの疑念などが含まれていることでしょう。

    P.168
    その人内面に宿る「性格」とは、言動や表情に現れるもの~。

    P.220
    因縁:すべての人、すべてのもの、すべての行いは無限に関連しあいながら過去と現在を作り、それらが未来をも形作っていく。

  • とっても刺さる。分別をついた異性を選べるのが大人。

  • 大人とは、世代や立場が違う人に、その違いを踏まえて対応すること。長く人生を生きてきた人は、それだけで結構すごいということ。

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著者プロフィール

1975 年生まれ。信州大学医学部卒業。精神科医。地域精神医療に従事する傍ら、ブ
ログ『シロクマの屑籠』にて現代人の社会適応やサブカルチャー領域について発信
している。
著書『ロスジェネ心理学』(花伝社)、『「いいね!」時代の繋がり』(エレファントブッ
クス新書)、『「若作りうつ」社会』(講談社現代新書)

「2014年 『融解するオタク・サブカル・ヤンキー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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