日本人はなぜ存在するか

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797672596

感想・レビュー・書評

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  • 氏の専門がそうだから仕方ないのかもしれないが、表題は違う方が良いと思われた。

    内容的には非常に読みやすく書いてあるし、でも知的好奇心をくすぐる箇所も至る所にあり一般教養の書としては秀逸だとも思う。

  • 前書きで書いているように、人文学のカタログのような本。
    むちゃくちゃ面白いし、役に立つ。誰だ人文学なんて不要だから学ぶ必要ないなんて言ったやつは(怒)。
    「やっぱ(人文学に限らず)学問って大事だよなあ。しっかり学んでる人ってすごいなあ」
    と思わせてくれる良書。筆者の本はハズレがない。

  • 冒頭の「グローバル化とはハイコンテクストからローコンテクスト社会への変化である」というような言葉に引き寄せられた。
    この本に度々出てくる「再帰性」という言葉。自分自身は何にでも批判的な目で物事を判断している、というのが思い込みであったことに気づかされた。○○だから△△ではなく、△△であることから○○であったのではないかという推測や類推している可能性について深く考えるべきではないだろうか。
    日本人はなぜ存在するか?というテーマを題材に考えさせれる本。

  • 社会学における再帰性の概念を、日本人論において議論する。
    通勤電車2往復で読み終えた。

    以下、メモ:
    グローバル化とは、ハイコンテクストの社会がローコンテストに移行すること。(コンテクストとは文脈、前提とする知識や価値観)

    再帰性
    社会学は再帰的に考える。認識が事実を変える。

    有標、無標
    どこそこの文化と呼ぶのは有標化する営為。
    西洋・白人・男性の文化は無標のスタンダード。

    Historyはstoryを含む。Narrationの中にnationは宿る。

    すべてが再帰的で自分の責任であることを知って苦しんでいるのが 後期近代。

  • 2011年からの思考停止状況って何かなと思っていたのがスッキリした。現実に対して規律の再設定しなくちゃいけないことでね。揺らぎ、不確実な再帰性だからこそ、新たな設定が必要で人々を後押ししてくれる本

  • 高校生以上が対象のおかげでついていけた。
    再帰性の話はまさに啓蒙であった。頭に栄養と刺激をもらった。

  • 再帰性について良く分かりました。

  • 借りて読んだ本。

    「日本人は○○」「日本人だから○○」「日本人なら○○」
    という感じで勤勉な性格だとか、
    戦後復興や産業の特徴を語られると
    「そうか?」「他の国も同じでは」と思うことがあったが、
    日本人ということだけではなく、最終的に人間は
    ということを様々な角度、話題から切り込んで読みやすい。

    こういうのは教えてもらって、その人の考え方を記憶したり
    言っていることが分かった、で終わらせないで、
    「では、その考え方で自分はどう考えるのか」
    (考え続けるのか)が、生きていくうえで大事なんだろうね。

  • 「日本人とは」という命題を様々な角度からローコンテクスト化して説明している一冊。分かりやすい文章で面白かった。とくに「国籍とは」「日本民俗とは」の章に関しては、最近思うトコロがあったばかりなので、とても興味深く読めた。
    …と同時に、学生の時『文化人類学』や『日本文化論』といった講義をとっていたハズなのに、全く身に入っていない自分が情けないなぁ…と(  ̄▽ ̄)
    與那覇さんのような先生がいたら、も少し楽しく講義受けてたのかも…なんて思ってみたり(笑)いろんな意味で収穫の多い一冊となりました。

  • f mar 17,14 at arc
    b in apr 14

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。専門は日本近現代史。2007年から15年にかけて地方公立大学准教授として教鞭をとり、重度のうつによる休職をへて17年離職。歴史学者としての業績に『翻訳の政治学』(岩波書店)、『帝国の残影』(NTT出版)。在職時の講義録に『中国化する日本』(文春文庫)、『日本人はなぜ存在するか』(集英社文庫)。共著多数。
2018年に病気の体験を踏まえて現代の反知性主義に新たな光をあてた『知性は死なない』(文藝春秋)を発表し、執筆活動を再開。本書の姉妹編として、学者時代の研究論文を集めた『荒れ野の六十年』(勉誠出版)が近刊予定。

「2019年 『歴史がおわるまえに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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