小惑星探査機 はやぶさの大冒険

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838721030

感想・レビュー・書評

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  • 途中でやめ

  • 報道の断片では解らなかった小惑星探査機~打ち上げ直後のイオンエンジンの一つが不調。姿勢制御のための3つのリアクションホイールの一つが故障し,ついで二つ目が故障,これは接着剤の不具合に由来するものだった。探査機から放出されたロボット・ミネルバはイトカワ方面ではなく,宇宙空間に放出されてしまった。1回目のランデブーは到着していないと考えていたら30分も100℃のイトカワの表面にタッチしていた。化学エンジンのバルブが破損し低温度になり,姿勢制御はキセノンの生ガスを噴射するしかなくなっていた。弾丸は発射されなかった。イオンエンジンは全機が不調に陥りAのスラスターとBの中和器を組み合わせる1機のみとなり,2007年の帰還は不可能となる。はやぶさの回転数は落ち続け電波の送受信も不可能となる。太陽光の輻射圧で僅かずつ加速。オーストラリアの砂漠には計画通り着地する~扱いが小さいなあと思ったのは私と同じような印象を持ったマスコミの責任かも知れない。小さいからやむを得ない気がする。はやぶさの飛行を支えた人間の叡智こそが褒められなくてはならない。そして回収したカプセルから太陽系誕生時のかけらが回収されたニュースに触れ,うれしく思うのは,この本を読んだお陰だ

  • 小惑星イトカワにいって、砂でもかけらでも良いから採取して、再び「地球に戻る」という大変な使命をおったはやぶさは、著者からも宇宙研からも人格があるように扱われているため、読み始めは違和感があったのですが、終盤はやぶさと通信が途絶えたあたりから、わたしも「はやぶさ、返事をしてくれー」という気持ちになりました。地球の引力を使って加速し方向転換するスイングバイなど、物理の話ははてなでしたが、登場する先生もスイングバイって覚えればOKですと細かいこと理解しなくてもインタビューが進んでいくことがオモシロかったです。はやぶさの計画自体に推進力のイオンエンジンだの、ウーメラに落ちたカプセルの素材の高熱に対する耐久性だの、それぞれの分野の研究者の実験が凝縮されており、1つの成功の功績は計り知れないようでした。あわせて千葉市科学館でプラネタリウムプログラムのはやぶさを見ましたが、こっちも大変な迫力でした。もちろん、見ている者は「はやぶさ、君は…」と擬人化された語りに感情移入します。スイングバイが計算上の誤差がほとんどなく正確に行われ日本の技術者の能力に感心しきり。

  • ありがとう。

  • はやぶさのカプセルの中身がイトカワのものだったというニュースをみて読み直ししました!いや〜おつかれさまはやぶさ!次のはやぶさ2号にも期待してます 11月18日

  • 感情が揺さぶられる。制限された容積に込められた英知と予見と不屈の数々。今日11/16「微粒子はイトカワ由来」と発表。『直径0.01ミリ以下の微粒子約1500個を回収。電子ビームを当てて成分の分析ができる走査型電子顕微鏡で全個数を調べた』に更なる敬意と敬服。

  • ブログにレビューを書きました。
    http://yo-shi.cocolog-nifty.com/honyomi/2010/10/post-9f8b.html

  • 冒険の裏に緻密な計算有。冒険+細心=大冒険・・て感じ。

  • ドキドキ、ハラハラの連続。あのイトカワへの往復がこんなにたくさんの難関をくぐり抜けた上でのものだったと教えてくれます。はやぶさの最後を見届けた著者の興奮も伝わってきます。
    カプセルから何か素晴らしいものが見つかる日がくるのが待ち遠しい。

  • 2010年6月13日に、実に7年ぶりに地球に帰ってきた「はやぶさ」の大冒険を、その7年前にさかのぼって、実にわかりやすく山根さんは書いてくれました。わたしは、6月にYoutubeで、はやぶさの大気圏再突入の映像を観た時よりも、この本の内容の方に感動しました。宇宙空間を航行中のはやぶさは、世界初の偉業を何回か達成するのだけれど、たまたまその時に起きた国内の別の瑣末なニュースのせいで、はやぶさのそのニュースは注目されなかった。とにかく「姿勢」を保つことが重要で、その為の装備がはやぶさには沢山ついている。そしてその沢山ゆえに苦労したことや、危機一髪のところで助かったエピソードが紹介されている。「重力」というものの持つ意味をあらためて認識した。ああ、地球に生まれて良かったなぁ。そして、りょうまさん。いやはやなんとも、よい本を教えてくださいました。技術屋の端くれであるわたしの心を強く揺さぶりました。技術屋人生30年ですが、まだまだ遣るぞぉー、と年甲斐もなく思ってしまいました。わたし宇宙にはてんで関心ないわ、と思っておられる方も是非この本わ読んでみてくだされい!

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。1947年東京都生まれ。獨協大学経済学部特任教授、宇宙航空研究開発機構(JAXA)嘱託、理化学研究所相談役、福井県文化顧問、月探査に関する懇談会委員(内閣府)、生物多様性戦略検討会委員(農林水産省)、日本生態系協会理事、NPO子ども・宇宙・未来の会(KU-MA)理事などを務める。日本の科学者・技術者を取材した20冊を超える『メタルカラーの時代』シリーズ(小学館)、『環業革命』(講談社)など著書多数。山根一眞オフィシャルホームページ http://www.yamane-office.co.jp/

「2017年 『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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