- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784891945695
感想・レビュー・書評
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私が求めていた記述が見つかったのでメモ。
淀川長治さんのように哲学をもってポジティブに語れればよいのですが、悩みのるつぼの金子勝さんのようにエピソードと絡めて読み解くということを実験的に行っています。
というわけで、少々辛口目になりますが、エピソードをば。
私がかつて知り合った中に、小学校5年のときに父親が蒸発してしまい、以来母子家庭でしかもパチスロ中毒者の母親と生活保護暮らしという、劣悪な環境に身を置く粗野な人がいました。
名前は川渕麗渚(仮名)。北海道豊平区在住。夜間高校に通っていたその人は、毎日納豆飯とカップラーメンで凌ぐ貧しい暮らしを忘れるため「つまらない人生を楽しく」と刺激を求めてスマホを片手にSNS依存して生きていましたが、ある時「幸せになれない」と自覚し始めたようです。
実は不幸な出来事があり、その人と出会って以来感じていた「貧困のせいでは」という直感が当たったことを、美輪さんはその出来事を見ていたかのように、この本は教えてくれたのです。
ある時、その人はさんざん人を攻撃しておきながら「じゅうぶんすぎるくらい、人から好かれないんだってわかった。幸せになれないんだってわかったの」といけしゃあしゃあとメールで泣きついてきたのです。
p50-52
「本人たちはナウぶって、若ぶっているつもりでしょうが、まるでただのバカとしか思えません。敬語も女性用語も使い分ける頭がないのです。そして学ぶつもりもないのです。それでどうにか用は足せるし、男の子にも不自由しないからだそうです。
しかし、その男の子の方が問題です。思春期の男の子なんてものはただただ、セックスする相手が欲しくてたまらないだけで、女なら誰でもいいのです。
頭の中や顔はどうでもいいのです。まあかわいいに越したことはないでしょうけど、そんなことより簡単にセックスさせてくれる、乳房と女性器さえあれば誰でも何でもいいのです。それを女の子の方は、自分自身が愛されてるんだと思い込むから悲劇が起きるのです。
男の子は性欲を満足させるまでは、女の子をちやほや大事にするけれど、セックスに飽きてくると今度はそろそろ女の子の頭の中や心が気になってくるのです。性欲でのぼせ上がっていた頭が冷えてくるからです。
そうしてやっと見えるようになった男の子の幼い眼に映るのは、ファッションだけは一人前に着ている蛮族の若いメスなのです。そして、そのお洒落した動物は、自分と同じ男の言葉をガサツな調子で喋るのです。
(中略)
男の子は、ああよかったとばかりに逃げ出しました。女の子は、なぜ捨てられたのかわかりません。」
ネットで気を大きくした川渕は、思い上がるも、自己中心的に振る舞ったツケで現実では使い捨てにされたのです。そして身から出た錆として、今度は自らがリンチに遭い、高校を中退することになりました。
当然でしょう。見も心も『蛮族の若いメス』なのですから、これっぽっちも価値がありません。顔はブスで、口は汚く、最低限の教養もなく、品性下劣のバカなのですから。
しかし、当の本人はそんなこともお構い無しにけろっと立ち直りを見せました。こちらに一言たりとも詫びることなく、異常に自己愛の強い川渕は、自分のやったことを棚上げにして誹謗中傷を繰り返します。
異常に性欲の強いその人は、またしても奔放な性生活をおっ広げているのでしょう。卑しい動物以下の生態です。
p168-169
「その反面、若いということを自慢する人たちもいます。芸能界でも、まだ二十歳を越したばかりのタレントを評して、十五か十六くらいのタレントが、"オジン"だとか"オバン"だとかいって、軽蔑して勝ち誇ったような顔をしています。まるで鬼の首を取ったように。
(中略)
事実、そう言って若さを自慢して先輩をけなして若ぶっていたタレントが、何年か経て偶然あった時、見るも無残なダダ老けの中年になっている哀れな姿を見たことが、今までに何度もあります。
そんなに若いのが偉いのであれば、この世でいちばん赤ん坊が偉いのであります。
しかし若いということをどうしてそんなに自慢顔するのでしょう。まるで自分の才能か、努力した結果、手に入れた功績ででもあるかのように。
自分の力で勝ち取ったわけでもない、ただの自然現象、天然現象にしかすぎないのに。他にも自慢するものが自分には何もないから、自然現象の力をまるで自分の力のように見せかけて、そうするのでしょうか。
特別に秀でた才能とか、頭が良いとか、努力家だとか、その他、人間として内面的に誇れるものの持ち合わせがないので、きっと若さだけを自慢するのでしょう。若さだけが頼りなのでしょう。」
いぜん川渕は、長電話をかけてきて、失恋話を聞かせてきました。
高校中退した後勤めだした職場の上司(44歳のオヤジ)に片思いしているのだが、その上司は母親と懇ろで、敵視されていて、恋が実らないとヒステリーを起こしてました。
そのひと月後、カケホプランにしてなかったらしく、電話代が9,000円請求がきたそうで、その一部を負担するよう言ってきました。
しかし私は入院していたため返答ができなかったところ、川渕は無視されたと逆上してTwitterに誹謗中傷の書き込みをしていました。カネを負担しなかったからという理由で貧乏呼ばわりすらしていました。
さんざん私を見下し都合のいいやつとみなしていたのです。
ちなみにこの引用箇所をメールしたところ、とつぜん発狂してきました。電話をかけてきたので出るとびーびー泣いていました。彼女は、弱っちいカスだからこそ、下劣なマネができるのです。みなさん、反面教師にしましょう。
美輪さんの言葉にこういうものがあります。
まるで、彼女のような人へ贈った言葉のようです。
「自分に思いやりが足りない人は、相手に思いやりを求める。こういう人は、誰からも思いやりを得られません」
乞食のようにうまい汁を吸うことだけ考え、平然と他人を利用し傷つけられる良心の欠如した脳みそしか持ち合わせない彼女にピッタリの言葉だと思います(当人には理解できないかもしれませんが)
思えば、ほぼ同時期に似たような人と私は出会っています。共通点は、学なし、ビンボー、自己中、DVなどなどピッタリ当てはまります。
ここでいう思いやりとは、自らを高める努力のことを言うのでしょう。
著者は「文化資本がないから」不幸は訪れるのだと言います。
文化資本がないから頭の中の思想は貧弱になり、家系は貧相になるのです。ですから、貧困は連鎖する。
彼女は、パチスロ中毒者の母親を持つ労働者階級の生まれのジャンキーなのですからハイカルチャーとは無縁の俗物なのですが、川渕のような人たちがこの道理に気づき、修正できるかで、社会の格差は自らの手で是正できるのでは。そう思わせてくれました。
(不注意で消してしまったので修正して再投稿しました。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
生きてゆくのが楽になるキーポイントが美輪さん流に
解かれている。
美輪さんだからタブーなことも言えてしまうのだろう。
神がかり的な方ですね。
懐古にモノをとらえているところはちょっと同感できませんでしたが。 -
美輪さんのことは、どういう人なのか今までよくわからなかったが、成る程こんなことを考えている人なのかと思った。オウム心理教のことを、言葉はちがうがとにかく施設も麻原も品がなく貧乏臭いと言っていて洋服や建物や雰囲気を変えたらもしかしたら信者はもっともっと拡大していたかもと書いてあったが、美輪さんが教祖の美輪教とかあったら美しいし、どんどん広がりそうだなと思った。何事も何人も貧乏臭くてとんちきなのは嫌だ、というところは同意。
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要点まとめ
・頭はクール心はあたたかく。いつも点検する習慣をつけること。
・朝顔洗ったあと、寝ジワを伸ばす。
・背骨を縮ませないようにする習慣。腰をスッと上に伸ばして、ぼんのくぼをギュッと
上へまっすぐに引っ張り上げるとお腹がへこむ。
・両足を肩幅ぐらいに開いて、両腕はボールはさめるぐらいに脇から軽く離す、
背骨から頭の先までまっすぐにし、鼻からゆっくり空気を吸って口からすこしずつ息をはく。
眼球はまっすぐ。真っ赤なドロドロの太陽を描き、かかとのほうから意識で吸い上げていき、
鼻から息をする。足の裏から膝、お尻、腰、背中、首のうしろ、頭のてっぺんまで
吸い上げストップし、充満させてから口か鼻から息を薄く吐き、おろしていき最後はつま先から出す。
・頭が大地に近いほどマイナス思考になる。
・人間の体は肉体と精神でできている。肉体だけが栄養が行き届いて、精神のほうは栄養失調。
精神のビタミン剤は文化。
・よい香りは悪霊を払う。
・いい本を読んで質のいい音楽を聴く。いい文化をふだんから仕入れていると
その人となりがそのまま出てくる。
・人間保護色論 その人となりということ
・賭けごとで家を建てられた人はいない。 -
これは口述筆記?
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美輪明宏さん。
あなたの毒舌さ。
この世に対するストレートな感情。
昭和の時代には人間であるべき最も大切なことを
教えてくれる本です。
勉強になります。 -
自分の好きなもの、良いと思われることをひたすら褒め、逆のものは悪く言ってるように思えてしまったのは、私がゆがんでいるからなのだろうか。中にはハっとする文章もあったが、この前までついったーにあった美輪さまbotが1日1回つぶやいてくれる名言のようなものはあまり見当たらず残念。何はともあれ日々美しく過ごしていきたいもんです。
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さくさく読めます。
読んでいる最中、美輪さんの声で
文章が再生される感覚がありました。 -
シャンソン歌手で俳優である美輪明宏氏の、1998年の著書。
タイトル通り、人生に大切なことを書き記したエッセイ集、というよりお説教集であり、立派な自己啓発本。
壮絶な苦労をしてきた美輪様だからこその言葉の数々が、心に響きます。
残りの人生、挫けそうな時には、ページを開いて読みたい、と思わせてくれました。