初恋

著者 :
  • リトル・モア
3.52
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本棚登録 : 827
感想 : 173
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898150641

感想・レビュー・書評

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  • ようやく映画も見た。ストーリーの印象が全然違ったので、改めて読み返したい。

  • 三億円事件の犯人は、恋をしていた少女だった。
    ショッキングな告白から始まるこの物語。
    あるのは、少年、少女達のどこにもやれない孤独、焦燥、衝動。
    こうしてひとつの物語が終わるのなら、それでもいい気がした。

  • 大きな事件の背景にある、繊細な普通の女の子の描写が魅力。

  • 真実は何も分からないまま。
    いつか幸せになれたらいい。
    やんわりと。

  • ある少女の初恋の一コマにすぎない「三億円強奪事件」



     ある日(といっても、12月10日に違いない)、無目的につけたテレビから流れたのは、三億円強奪事件の特集。熱に浮かされたようになって見入った後、その熱の正体である物語を開きました★

     作者名は、主人公と同じ中原みすず、プロフィール非公開。
     1968年12月10日、東京都府中市で起きて日本を震撼させた、三億円強奪事件の実行犯は、自分だと思う……。
     という衝撃的な前ふりに続いて扉は開かれ、みすずとともに読み手もまた、薄暗いなかでいつもの連中がたむろするジャズ喫茶へと誘われるのですーー

     学生運動が激化した時代の、「あの頃の新宿」の猥雑なムードを、気取りのない分どこか品の良さを残す文章ですくいとりながら、彼女は告げます。
     三億円強奪事件は、愛に餓えていたたった一人の少女が、「権力に頭脳で勝負を挑みたい」という大学生に強く惹かれた、ただその想いから成し得たことだった、と☆

     その恋については熱っぽく、犯行についてはどこかさらりと書かれています。驚くべきは、彼女が実行犯だという点ではありません。〈意外な真相〉で人の度肝をぬきたがるような、あざとい作品ではないのです。
     事件の顛末はわりと早めに書き終えられていて、後日談が長い☆ 高校生の女の子が愛する人に認められたいと願う、そのまっすぐさが生み出す、底なしのエネルギー。想いが発したとてつもない輝き、高熱、光量、喪失の痛み。これが実話かどうかさえ、どうでもよくなっていきます。

     荒唐無稽と笑われるでしょうか。三億円強奪は、確かに当時の日本を騒がせました。でも、時代を揺るがせた事件より、一人の少女の中では初恋のほうがはるかに大きいということ、個人的な体験が社会現象を凌駕するということ。少女のこころを忘れない人が読めば、唇をかみしめて強く頷くはず★
    『初恋』を、ノンフィクションとしてではなく優れた少女小説として、愛したいです。

  • おはなしは本当につまらないのです。
    そのあたりが本当のはなしっぽいところでもあるんですが。
    ページ数も少ないし、文章は拙いし、真犯人が書いているって
    まぁ信じてもいいかな。
    でもなぁリアルタイムでこの事件しらないし、もう風化しすぎちゃって今更ねぇという感じ。

  • 読みやすく心地よかった。
    これくらい区切られるとちょっとした時間に読めていいです。

    3億円事件の方の話だと思ったら初恋の話でした。

  • きれいな表紙だなあ。

    内容は、主人公や周りの人の心の動きがいまひとつよくわからなかった。長編で書き込んだほうが面白かったかも??

  • あの三億円事件をつづった本です。女子高生のみすずの視点から描かれています。

    これは、再読です。最初に読んだのは、去年、宮崎あおいちゃん主演の映画が公開されていた頃。そのときはさらっと読んじゃってたので、もう一回かりてみました。

    私は「府中三億円強奪事件」の実行犯だと思う。

    “かんたんにまえがき”の中にあるこの一文が、とっても印象的。これって、本当の話なんでしょうか。
    ネットでちょっと調べてみたんですけど、ここに出てくるジャズ喫茶Bとか、登場人物とか、実在する。。。みたいなことも書いてあったりして。そこんとこも、考えながら読むと、面白かった。
    この事件を、私は、リアルタイムでは知らないんだけど、このお話の通りに進んでいけば、何の矛盾もない、と思う。
    ホントに、この事件の実行犯が女子高生だったら、すごいことですね。

    この本の中で、みすずが岸に言われるままにこの計画にのったのは、なぜだろう。好きだと自覚できないほど、岸のことが好きだったから?誰かに必要とされたことが、うれしかったから?
    どっちにしても、切ないなぁ。
    で、岸も多分、みすずが好きなのに、こんな大変なことをさせたのは、何でだろう・・・

    事件を終えたあと、なんとなくばらばらになっていく仲間たち。自分の気持ちに気づいても、どうしようもない環境。岸の抱えてる問題もなぞのまま。
    なんとな~く切なさの漂っている本でした。

  • 東京都府中で起きた3億円強奪事件。その犯人が自伝を出版。で、タイトルは「初恋」で、中身は青春恋愛小説。

    3億円事件の真相は、バイク好きの女学生が身近な男性への想いだけで行動した結果だった。この衝撃的な発想は斬新。

    しかし、小説は歴史ミステリーではなく、主人公みすずの純愛が中心に描かれ、3億円事件は脇役。実行犯である主人公があの事件は本当に起こったことなのかと語り、事件後の現金がどうなったかということにも触れない。

    じゃあ、純粋な恋愛小説なのかというと、これまた最後にドンデン返し。そして、最後に残る謎はこの著者が本当に3億円事件の実行犯なのかだ。

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