ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る

  • 楽工社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903063485

感想・レビュー・書評

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  • 行動経済学の入門書としてこれがふさわしいのかどうかわからないが、経済活動に関わる心理学の一部分はなんとかわかったように思う。いや、まだノートもまとめてないしわかってないと思うんだけど、興味を持って最後まで読めたし、おなかが減っているときに買い物すると、たくさん買ってしまうことは理解した。
    これからノートにまとめてよく考えてみます。

  • 行動経済学の創始者にして、2002年ノーベル経済学賞受賞の
    カーネマンの受賞スピーチや、論文のうちの一端を
    収録したもの。

    詳しい目次はこちら。
    http://www.rakkousha.co.jp/books/isbn48-5-daniel.html

    本書に取り上げられている論文は決して難しい数式や用語を
    使っておらず、とても平易に、しかし驚かされるような
    知見が明らかにされている。

    19世紀型経済学の「合理的人間行動」でのみ捉えていた経済学を
    「生きものとしての人間の認知とふるまい」というモノサシから
    再考を迫った、カーネマンやトヴェルスキーの業績は
    実に大きいなと感じさせられた。

    個人的には、4章の「主観的な満足の測定に関する進展」で
    心理学者ダン・ギルバートらが述べる「Happinessの認知」
    について取り上げられ、
    「どう我々は考えて社会の中でふるまうと満足なのか、
     あるいは政策はどうあるべきか(カーネマンは、不幸の最小化を提示する)」
    というところまで踏み込みがされているのが面白かった。

    カーネマンの研究は、進化論がベースにあることも
    私としては大いに受け入れやすい。
    動物が持っている「知覚」が、「直感」になって、
    その先に「推論」が人間だけが持つ能力として備わっており、
    直感は「正確な理解」とまるでかけ離れてしまうこともよくある
    (ヒューリスティックのためにバイアスがかかる)
    というのは、あーなるほど、と思う。

    生物として生きるか死ぬかを決めて行動するのに、熟慮などしては
    いられない。
    私たちは祖先からずっとそうだったけど、今日の経済的社会では、
    生きるか死ぬかを迫られるケースはあまり多くはなくて、
    経済的判断や「満足」の達成には、推論を活用すべきことのほうが
    ずっと多い。
    でも、自動的に働いてしまう直感に引き摺られて、なんだか傍目から見ると
    おかしな選択をしてしまうことがよくある…。

    カーネマンが教えてくれることのひとつは
    「認知の仕組みを認知しておくと、だいぶ人生も変わりますよ」
    ということなのかなと思う。

  • 経済学というものが如何に役立たないものかと実感した。ノーベル賞に経済があることが全く意味のないことに思えた。

  • ★限定合理性の地図。人は何かを判断するときに、絶対値ではなく比較や変化で判断する。限られた認知・推論能力にもとづいて意思決定を行う。
    ★知覚や記憶は平均でものを捉える。
    ・人は自分の好みを意外とわかっていないし、将来自分が何を好むかの予想にも失敗する。
    ・高収入は人生の評価を高めるが、感情的満足は高めない。
    ・人生の満足を高めるためには、
      1.時間の使い方を変える。(時間は究極の気象資源。)
      2.人生を悪くするようなことではなく、豊かにする事柄に注意を向けるべき
      3.注意を払い続けるような活動に時間を投資すべき
    ・プロスペクト理論…効用の担い手は変化や得失であり、富の絶対量ではない。
    ・不確実な状況では、人は何かを得るときよりも、失う場合の方に強く反応する。
    ・人は意思決定をする時、損失の領域ではリスクを追求sし、利得の領域ではリスク回避的。
    ・ホット時とコールド時の共感性のギャップ。

  • 人は理性的に判断をしているつもりが
    かなり間違った判断をしていることが多いと言う
    単純な実験をして証明している
    無意識の選択は同じような判断でしていると言うことか
    そう言う思考回路の癖を研究するのが心理学なんだね

  • 資料ID:21100797
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  • 心理学の専門用語になれないと、すんなりよむのは難しい。
    訳語がまずいのか、自分の知識が少ないのか、もう少し心理学分野の本を読んでから再読しよう。
    プロスペクト理論、フレーミング、メンタルアカウントと第四章の内容をもっと学びたいと思った。

  • 満足度を決めるのは変化であって、状態ではない。
    富の例がわかりやすくて、長期的なスパンで絶対的な量が多いよりも、その時々の変化に満足度が変化する。たとえば、400万持っている人が300万に財産が減ったのと、100万持っている人が110万に増えたのでは、明らかに[300万>110万]なのに、満足度は後者のほうが高いっていう例。また、同等の利得と損失では損失のほうに過敏に反応することも改めて納得。学生のとき、無差別曲線とか2国経済を想定するとか経済学の講義を聞いてどうもしっくりこなかったのは、抽象化して考えるのが得意ではなかったからだと思う。
    でも、この本にあるような行動を経済的事象に結びつけて考えるのは楽しく、自分がアクセスしやすいものを回答としてしまうアンカリングや、「腹ペコの買い物客」の例で試食って店側にとっては悪影響なんちゃうって考え込んでしまう自分が、あのとき研究対象間違えたなって語りかけてくるよー。
    あと頭に浮かんだのは、なぜか「臥薪嘗胆」。宝くじに当選して、一時満足度が急激に高まったとしても、1年後にその満足度を維持できているかと聞かれたら、おそらく違うと答える。たぶん薄れていく。満足度が高くても低くても、一時の変化を維持し続けるのは、難しいと思うんだ。だから「あの時悔しかった気持ちを思い出して頑張れ」っていう指導はもう自分には出来ないなーとかなんとか。

  • 放送大学「心理学実験3」ヒューリスティックに関する参考文献。

  • 人生録と講義録だった。
    興味のない内容だったので全部読まずに返した。

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著者プロフィール

心理学者。プリンストン大学名誉教授。2002年ノーベル経済学賞受賞(心理学的研究から得られた洞察を経済学に統合した功績による)。
1934年、テル・アビブ(現イスラエル)に生まれへ移住。ヘブライ大学で学ぶ。専攻は心理学、副専攻は数学。イスラエルでの兵役を務めたのち、米国へ留学。カリフォルニア大学バークレー校で博士号(心理学)取得。その後、人間が不確実な状況下で下す判断・意思決定に関する研究を行い、その研究が行動経済学の誕生とノーベル賞受賞につながる。近年は、人間の満足度(幸福度)を測定しその向上をはかるための研究を行なっている。著作多数。より詳しくは本文第2章「自伝」および年譜を参照。

「2011年 『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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