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- / ISBN・EAN: 4988104065643
感想・レビュー・書評
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事件は冒頭で起こり、後は、自首するか、捕まるか、逃げるかという流れ。落とし所をどうすると見ていると、被害者と加害者の親の生き様が描かれ、ラストに向けて交錯させるのが作者の上手いところでしょう。ただ、映画では、それほど成功はしていません。妻夫木と深津は、それぞれが持つ孤独と閉塞感をすごく上手く出しています。地方に暮らす選択肢のない人生がやりきれません。
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トミーさん吉田修一いいですよね。大好きです。吉田修一いいですよね。大好きです。2020/05/15
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myjstyleさん最近では「国宝」が良かった。物語を語るのが上手な作家さんですね。最近では「国宝」が良かった。物語を語るのが上手な作家さんですね。2020/05/15
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映画の予告を見て、人を殺めた若者が苦悩する映画・・・
そんな何とも陳腐な先入観しか持てずにずっとスルーしていた。
観始めるとそんな一面もあるけれど
その先入観が薄っぺらだとすぐにわかった。
誰かにとっての最悪な人が
あなたには最愛の人でした。
そして誰かの最愛の人が
あの人の最悪の人だったりもするのでした。
人は単純に善人と悪人のレッテルは貼れない。
二面性を内包しつつ更に十重二十重に折り重なって生きている。
そのカオスが人間の群れの正体か。
主人公はいるものの大きく誰かに偏ることなく
均等なウエイトで描かれていると思いました。
誰かに重きを置いてしまうと関係に善悪が付いてしまう。
人間の持つ二面性がテーマのこの作品には
均等さがポイントなのかもしれない。
浅い感じが残るのはこの方法の副作用なのだろうか。
妻夫木の、柄本の、樹木の、深津の・・・
様々な人々の、様々な思いが、交錯している映画でした。
音楽も良かった。 -
土木作業員の清水祐一(妻夫木聡)は、長崎の外れのさびれた漁村で生まれ育ち、恋人も友人もなく、祖父母の面倒をみながら暮らしていた。
佐賀の紳士服量販店に勤める馬込光代(深津絵里)は、妹と二人で暮らすアパートと職場の往復だけの退屈な毎日。
そんな孤独な魂を抱えた二人が偶然出会い、刹那的な愛にその身を焦がす。
だが祐一にはたったひとつ光代に話していない秘密があった。彼は、連日ニュースを賑わせている殺人事件の犯人だったのだ……。
数日前、福岡と佐賀の県境、三瀬峠で福岡の保険会社のOL・石橋佳乃(満島ひかり)の絞殺死体が発見された。事件当日の晩に佳乃と会っていた地元の裕福な大学生・増尾圭吾(岡田将生)に容疑がかかり、警察は彼の行方を追う。
久留米で理容店を営む佳乃の父・石橋佳男(柄本明)は一人娘の死に直面し、絶望に打ちひしがれる中、佳乃が出会い系サイトに頻繁にアクセスし、複数の男相手に売春まがいの行為をしていたという事実を知らされる。
そんな折、増尾が警察に拘束されるが、DNA鑑定から犯人ではないことが判明、やがて新たな容疑者として金髪の男、清水祐一が浮上する。
幼い頃母親に捨てられた祐一、をわが子同然に育ててきた、
祐一の祖母・房枝(樹木希林)は、彼が殺人事件の犯人だと知らされ、連日マスコミに追い立てられていた。
一方、警察の追跡を逃れた祐一は光代のもとへ向かい、佳乃を殺めたことを打ち明ける。光代はその事実に衝撃を受けるが、警察に自首するという祐一を光代は引き止める。
生まれて初めて人を愛する喜びを知った光代は、祐一と共に絶望的な逃避行へと向かうのであった。
やがて地の果てとも思える灯台に逃げ込んだ二人は幸福なひとときを迎えるが、その逃避行が生んだ波紋は被害者の家族、加害者の家族の人生をも飲み込んでいく……。
いったい誰が本当の“悪人”なのか? それが、一番のテーマです。
被害者の女性は、ナンパされた旅館の女将の息子と加害者の二股をかけていた。
加害者の祖母に言葉巧みに健康食品を売りつけた男。
被害者をナンパした軽薄な旅館の女将の息子。
底の浅い正義感で被害者、加害者家族を裁くマスコミと世間。
彼らに罪は、無いのか。
加害者と彼を愛した女は、同じ種類の孤独と閉塞感を感じていた。どうしようもなく惹かれ合った彼らを責められるだろうか。自首しようとした加害者を引き止めた彼女は、悪人なのか。見た人に重い問いかけを突きつける問題作です。
加害者の孤独な男を丁寧に内に秘めた孤独感を持った不器用に愛を求める人間として演じた妻夫木聡、加害者をひたむきに愛する女性を丁寧に自然体で演じた深津絵里、柄本明さんや樹木希林さん、加害者を幼い頃に捨てた母親を演じた余貴美子さんなど、素晴らしい演技を見せてくれます。
ヒリヒリするような切ない映画ですが熱い感情を呼び起こす映画です。 -
本を読み終えたので、映画を観た。
感想は。。
どっちかといえば、映画を観て~本。の流れの方が良かったかも。
というのも、映画では、かなりの部分を時間にあわせて省略していながら、セリフは本のままだったりするから、祐一と光代の関係性が、浅いのに、セリフは重い。。みたいな、本を読んでるからこそ感じたのかもしれないけれど、ちょっとアンバランスだったのが、気になった。
とはいえ、深津絵里と、樹木希林の演技力がやっぱりすごかった。
深津絵里と、ゼロの焦点での木村多恵の演技。
素朴で人の良い女を演じさせたら、どっちが上手だろう?!ってくらい、この二人のこういう役どころでの演技力はすっごいなー!って思ったのでした。
残念ながら。。
本との差が大きすぎたので、☆が下がったということなんで。。
本を推します!
・・・・・・
って書き終えて、他の人のレビューを観たら!!
☆一つつけるあたしが悪人みたいに思えるほどの絶賛だったw
ま、いいや。
☆は変えませんが、本が面白い。ってことは確かだよー。 -
満島ひかりの演技がすごかった、殺人がダメなのはもちろん当たり前のことだけど登場する人皆悪人で環境が変わっていれば違った人生だったのかなと考えされられた