- Amazon.co.jp ・電子書籍 (272ページ)
感想・レビュー・書評
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90年代の作品中心ながら、それ程古臭さは感じない。綾辻行人「再生」、井上雅彦「よけいなものが」、岩井志麻子「依って件の如し」の3作が秀逸。
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作者が錚々たるメンツだけあって、さすがの作品群。
「再生」綾辻行人
『眼球奇譚』の方で既読。呪われた肉体を持った美女を妻にした男のエログロ絵巻。伊藤潤二の『富江』を彷彿とさせる展開。
「夢の島クルーズ」鈴木光司
これも何かで既読。東京湾のナイトクルーズに誘われた主人公。クルーズ船が突然動かなくなり、船の持ち主夫婦の夫が潜って見たものとはーー恐怖よりも異常が起こる前と後で主人公と夫婦の力関係が変わるのがむしろ爽快。
「よけいなものが」井上雅人
夜道を歩く二人の男女の会話劇。狐に化かされたみたいなショートショート。
「5月の陥穽」福澤徹三
地方の支店に飛ばされた主人公が誰に知られることのないまま、建物の隙間に落ちてしまいーー恐ろしい。まさかと思うような事故に遭い、誰一人知られることもなく、助けも呼べずって、想像するだけで恐ろしい。
「鳥の巣」今邑彩
友人に誘われたリゾートマンションを訪ねた主人公。そこに滞在しているらしき主婦に誘われ、部屋を訪ねるとーーなんとなくオチは想像出来てしまった。それでも怖かったけど。
「依って件の如し」岩井志麻子
なんとKindle Unlimitedの期限切れで最後まで読めなかった(笑)。すごく気になる。明治初期(日清戦争の頃)、荒村で村人に虐げられながら暮らす兄妹の物語。著者はとかくTVでの「変なおばさん」ぶりがすごくて本当に作家なのかなと思ってしまうけど、時代背景や荒村の厳しい生活の描写がしっかり上手くて驚く(失礼)。とにかく兄妹がかわいそうでなんとかして欲しいと思いながら読んでいたらば、お兄ちゃんが出兵しちゃうし。終戦後も帰ってこないし。での、殺人事件。本当にあともう少しのところで読めなくなったの。←本買えや。
「ゾフィーの手袋」小池真理子
急死した夫の死後も家に棲みつくゾフィーという外国人女性の霊に脅かされる妻の話。これ、夫が優しすぎたのか、それとも本当は深い関係だったんじゃないかと最後までモヤモヤした。手袋の描写が効いている。
「学校は死の匂い」澤村伊智
ちょっとひねた少女美晴が体育館に現れる少女の幽霊の正体を探るうちに、死の真相にたどりついてしまう話。組体操が危険視され始めた時流とうまく絡めている。 -
「依って件の如し」(岩井志麻子)のみ再読。大概忘れていたけど。
「再生」(綾辻行人)、脳内はどうしようもないが、顔はちょっとずつ削いでいけばある程度綺麗になるかも。(ガンバレ!)
「よけいなものが」(井上雅彦)は短いけれど好きな感じ。繰り返し読みたくなる。
その他、何も面白かった。 -
どのお話もスッと世界観に引き込まれて、怖いけど不思議とその先を追ってしまう。面白くてあっという間に読んでしまった。
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前時代の日本を舞台にした「依って件の如し」だけどうにも興味がわかなかったがそれ以外はどれも面白かった。中でも鈴木光司 「夢の島クルーズ」が特に良かった。読み終わった瞬間は「終わり!?」と思ったけど、物語の序盤で話される「欲しいもの」と出来事の間の因果関係がありそうで見えてこない奇妙な符号が気持ち悪く、またストーリー上で「靴」や「裸足」に謎に力点を置いているのも不気味さを加速させ、じわじわ怖い。 そこまでホラーを読みまくってるわけでもない私でも何作か既読の作品があったのでそこは要注意。
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綾辻さんの「再生」が忘れられない。
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鳥の巣
学校は死の匂い -
最高っすね…綾辻さん…
まだ再生しか読んでないがなかなかの劇薬。しかも読みやすくわかりやすい劇薬。
うまいねぇ〜これは大好物。
なんかあまりにもエグいのでもはや爽快な読み心地になってるような。
他の7篇?も楽しみ。これ以上の興奮があるのか…?笑