何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉1 (ちくまプリマー新書)

制作 : 桐光学園  ちくまプリマー新書編集部 
  • 筑摩書房 (2015年1月8日発売)
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本棚登録 : 1147
感想 : 89
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さすがあちこちで(入試問題なんかでも)引っ張りだこの人たちの話だから、なるほどな、と思うところ多数。それぞれの専門や自分の若い頃を踏まえて、中高生にこれからどう生きるのかを考えさせる。
著者毎にお薦めの本が三冊紹介されており、これはこの著者たちが中高生の時の愛読書だから難しいものが多いのだが、今学者として活躍している人は中高生でもこれくらいは読んでいたんだよ!という刺激になればいい。若い頃は無理して難解な本に挑戦するパワーがあるからね。私もそうでした。そして「大人になったらまた読もう。そうすればきっともっとわかるに違いない。」と思った。しかし実際は大人になったら難しい本にじっくり取り組む時間も体力もなく、学生の頃読んだ哲学書なんか前文で夢の世界に連れて行かれちゃうから、本当に無理しても若い時に読んだ方がいいし、読んで(かじった程度のものだけど)良かったと思っている。
七人の学者が語っていて難易度もばらばらだけど、どこか心に響くところはある。一気に読まず、時間をかけて、一日一人分くらい読むといいと思う。今福龍太の「わかりやすいことには気をつけろ」、本川達雄の仕事について、鷲田清一の「私たちは「市民」ではなく「顧客」になってしまった。」とか、ホントにそうだなと、高校出て数十年経つけど改めて心に刻みました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年4月7日
読了日 : 2019年4月7日
本棚登録日 : 2019年4月7日

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