女が読む太宰治 (ちくまプリマー新書 109)

  • 筑摩書房 (2009年5月9日発売)
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本棚登録 : 209
感想 : 40

山崎ナオコーラの文章が結構好きかもしれないと思った。
それに彼女がレビューを書いていた「駆け込み訴え」大好き。


「はいはい、申し送れました」の下りは私もぞっとした。
この時のユダの気持ち、なんかとってもよく解ってしまうんだ。
大好きで大好きで、それゆえに何だかどうしたらいいか解らない。
この気持ちがどうにもならない。苦しい、ただ苦しい。
そして最後に見るぞっとするくらいの人間っぽさ。
たまらんねえ。黒くて汚い感じが、たまらんよ。

山崎ナオコーラとの見解はちょっと違ったけど、やっぱ好きだ。



それから平ら安寿子の文章も良かったなあ。


「心の芯をぎゅっとつかまれて、凄いエクスタシーだ。」
「そのことが恥ずかしい、口惜しい、それなのに忘れられない。」
「セクシーなことなんてひとつも書いてない『女生徒』で官能直撃、悪い人だ。」


私の気持ちを代弁してくれてありがとうございます!!!笑



太宰の小説って、別に情事について細かく説明されている訳じゃやないのさ。
なのに、なのに、なぜかものすごい色気を感じてしまう。
とりあえず、良いです。


これから太宰を読もうとしている人にも
何から読もうか決めるのにオススメです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 昭和文学。
感想投稿日 : 2010年8月16日
読了日 : 2010年8月16日
本棚登録日 : 2010年8月16日

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