源氏物語の54帖のなかから、9人の作家がそれぞれ好きなものを選び仕立て直した作品集。
豪華な作家陣にひかれて手に取ったのだが、なんとも読みごたえのあるぜいたくな一冊だった。
原作に忠実に淡々と訳しているものから、砕けた口調のもの、時代や場所の設定を変えて独自の物語にアレンジしたものまで、作者の個性ごとに読み比べができるのも楽しい。
なかでも、女性のしたたかさを仕込んだ角田光代、桐野夏生がおもしろかった。この二人は日頃から好きな作家なのだが、こういうところでもぴんと来るんだ、と妙な部分で納得も。
原典のあらすじが添えてあるのは助かったが、人間関係がややこしく、原典に精通しているわけではない私には、人物の相関図がほしかった。
あとは、ぜひ続編を読んでみたい。
源氏物語は長くて手を出せずにいたが、最近角田光代の訳が出たので、これを機会に挑戦してみようかな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
アンソロジー
- 感想投稿日 : 2019年8月22日
- 読了日 : 2019年8月22日
- 本棚登録日 : 2019年8月20日
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