恋愛をテーマにしたアンソロジー。
小川洋子『巨人の接待』がよかった。
バルカン半島の小国の現地語のみを話す作家の通訳をすることになった主人公と『巨人』の交流を描いた一編。
小川洋子のエッセンスが濃厚に詰まっている。
あえてこれを恋愛というカテゴリに置いたのがすてき。
小池真理子『捨てる』
夫を捨ててひとり東京へ逃げようとする女と、引っ越し屋の青年の話。
全体的な雰囲気がよい。
高樹のぶ子『夕陽と珊瑚』
認知症の老婆と介護士による完全犯罪。
ミステリ仕立てで面白かったけどちょっと安っぽい感じ。
これだけ読んだらイマイチだけど全体の中でアクセントになっていた。
その他、江國香織は不思議すぎて付いていけず、
川上弘美はもっと理解不能。
桐野夏生、高村薫は作風通り、林真理子の性表現は安っぽい。
ハズレはないけど暇つぶし以上にはなりにくい、アンソロジーってそういうもの、まあ期待値通り。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
恋愛
- 感想投稿日 : 2012年12月30日
- 読了日 : 2012年12月23日
- 本棚登録日 : 2012年12月23日
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