決戦!本能寺

  • 講談社 (2015年11月18日発売)
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本棚登録 : 262
感想 : 38
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「覇王の血」(織田信房)/伊東潤
「焔の首級」(森乱丸)/矢野隆
「宗室の器」(島井宗室)/天野純希
「水魚の心」(徳川家康)/宮本昌孝
「幽斎の悪采」(細川幽斎)/木下昌輝
「鷹、翔ける」(斎藤利三)/葉室麟
「純白き鬼札」(明智光秀)/冲方丁

幽斎の短編を既読だったので、あれっ、いろんな作家さんの描いた本能寺の変絡みの短編の寄せ集めなのかな、と思ったけれど、
発行年をみてこちらの企画が先にありきで、こういった企画で描かれた作品を集めたものが、木下さんの「兵」だっとという背景を知った、なるほど。

はじめて作品に触れる作家さんも半分くらいいたのだけれど、こういう企画にお声がかかるくらいだから、この方が描くなら読みたいと読者に思わせる編集側の色眼鏡に叶う名手揃いということなのだろうな。
いまちょうど大河も明智光秀だし、本能寺を舞台に描くからにはすべての作品に信長と光秀はもちろん、登場人物はかなり重なって出て来るわけで、それぞれの書き手の描くキャラ設定の違いなども味わえるし、
どんな名将であれ悪鬼の面も仏の面も弱い面も持っていたであろう人間らしさを、複数の視点観点から見せられるのはとても深い読み応えがあった。
私は冲方さんの描いた光秀がいちばん好きだったなあ。きっと賢過ぎたんだろうというイメージそのままだった。
決戦シリーズ、島津一族だけでやってほしいなあ
ローカルでも企画してくれないかなあ。面白かった。満足。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史系
感想投稿日 : 2020年1月29日
読了日 : 2020年2月5日
本棚登録日 : 2020年1月29日

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