モモ: 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

  • 岩波書店
4.19
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001106879

作品紹介・あらすじ

時間におわれ、おちつきを失って人間本来の生き方を忘れてしまった現代の人々。このように人間たちから時間を奪っているのは、実は時間泥棒の一味のしわざなのだ。ふしぎな少女モモは、時間をとりもどしに「時間の国」へゆく。そこには「時間の花」が輝くように花ひらいていた。時間の真の意味を問う異色のファンタジー。小学5・6年以上向き。

感想・レビュー・書評

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  • 効率を追い求めるあまり心の余裕を失っていく現代人を諷刺した、ちょっぴり辛口のファンタジー。「親が子供に読ませたい本」というのはよく聞くが、これはもしかすると「子供が親に読ませたい本」かもしれない。私はか大人になってから読んだので、子供がこれを読んでどう感じるのか本当の所はわからないけれど。

    ひとの話を無心に傾聴するという特技だけで勇敢に戦うヒロイン・モモをはじめ、脇役の大人も子供たちも、美点も欠点もひっくるめて実に魅力的である。私のイチオシはカメのカシオペイア。30分先のことまでなら正確に予見できるという頼もしいような心もとないような微妙な能力を持ち、しかもその戦い方は、敵がどこを通って追いかけてくるかを予見してその場所にうずくまり、敵が自分につまずいて転ぶのを待つという前代未聞の戦法である。こんなに健気でキュートな戦士がほかにいるだろうか!

    ところで、大型書店のレイアウトは大体どこも同じだが、私が足繁く通う某書店では、絵本・児童文学コーナーは店の一番奥にある。そこに辿り着くには、1階の話題書コーナー、文芸書コーナーを通って2階へ行き、ビジネス書コーナー、参考書コーナーを経由して2階の端っこまで行かなければならない。

    その間に必然的に多くの本のタイトルを目にするのだが、改めて眺めてみると、これがまた何とも示唆的なのである。「必要な知識を15分でインプットできる速読術」「本当に頭がよくなる1分間勉強法」「残業ゼロ! 仕事が3倍速くなるダンドリ仕事術」等々。「時間をお金で買う技術」なんてのもある。絵本コーナーでは、賑々しい音や光の出る幼児向け絵本(電池式)が目につく。それらを横目に通り過ぎてようやく児童文学コーナーに着くと、奥の棚にひっそりとこの本が置かれているというわけだ。

    時短系ハウツー本を否定できるほど、私は高尚な人間ではない。とはいえ、やはり殺伐とした感は否めないそれらの本をかきわけて行った突き当たりにエンデの「モモ」があるという事実は、私の心をほんのりと暖かくしてくれる。もちろんそれは、単に本屋のレイアウト上の必然に過ぎないのだが、発行されてはすぐに消えゆく流行本の間をすり抜けて最奥部に辿り着いた者だけが「モモ」を読むことができるというのは、なかなか面白い話ではないかと思うのだ。

    大人がめったに足を踏み入れることのない本屋の奥で、今日もモモやマイスター・ホラが笑って手を振っている。カシオペイアの甲羅には「ズット ココニイマスヨ」と、この本を読んだ人にだけ見える文字が浮かんでいる――そんな光景を連想させてくれる、楽しい物語だった。

    • 佐藤史緒さん
      ベストセラーは置いてない本屋。
      うわー面白そうじゃないですか!
      猫丸さんは関西猫だったのですねー^-^
      ベストセラーは置いてない本屋。
      うわー面白そうじゃないですか!
      猫丸さんは関西猫だったのですねー^-^
      2020/09/05
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      佐藤史緒さん
      ヴィレヴァンを上品にした感じかな、、、
      猫は、日本の全てを関西化するコトを目論む秘密結社「関西ファシス党」の、、、
      佐藤史緒さん
      ヴィレヴァンを上品にした感じかな、、、
      猫は、日本の全てを関西化するコトを目論む秘密結社「関西ファシス党」の、、、
      2020/09/05
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      佐藤史緒さん
      にゃーん

      大阪人の弱点は、多分「雪」
      チョッと降っただけで三歩進むごとに転んでしまいます。
      雪かきだなんてシャベル...
      佐藤史緒さん
      にゃーん

      大阪人の弱点は、多分「雪」
      チョッと降っただけで三歩進むごとに転んでしまいます。
      雪かきだなんてシャベルでもスコップでも無理!尊敬の眼差しになります。
      2020/09/05
  • 「はてしない物語」でも似たことを書いたが、児童文学という枠だけでは捉えられない、普遍的な作品だと思います。

    子どもも大人も読む価値があると思うし、お子さんのいらっしゃる親御さんは、一緒に読むだけで、心穏やかに楽しく人生を送るひとつの指南を得ることができるでしょう。

    時間を可視化したような美しい表現を想像することで、時間の大切さを知り、時間を節約することで、心に余裕が持てなくなり、逆に人生を悲しくつまらないものにしてしまうこと。

    また、そうした人達が集まった場所の、どこかイライラした剣呑な雰囲気は、正に現代社会の通勤ラッシュに通じるものがあることなど、今の世の中にも当てはまることを、1973年のこの作品で提唱していた、エンデ自身がマイスター・ホラなのではないかと思えるくらい、どこか哲学的で、予言めいた別格な凄みを感じずにはいられなかった。

  • 大人にも子供にもいろんな方に読んでもらいたいって思える本、バリバリ現代人の私の心にビシビシ突き刺さってくる物語で忘れがちな大切なことを思い出させてくれる本

    どんな自己啓発本やビジネス本を読むよりまず「モモ」を読んだ方がいいってくらい色んなことが学べる!

  • 18冊目『モモ』(ミヒャエル・エンデ 著、大島かおり 訳、1976年9月、岩波書店)
    時間どろぼうの”灰色の男たち”にたったひとりで立ち向かう少女モモの活躍を描いた児童小説。
    ファンタジーの体をとってはいるが、内容は強烈な風刺劇。日々に忙殺され心のゆとりを無くした現代人に対し警鐘が鳴らされている。
    モモと街の人々との交流はとても可愛らしく、またロマンチックでもある。第一章に流れる豊かな幸福感には、それだけで涙腺が刺激されてしまった。

    〈たとえおまえがなんであれ、ひかれ、ひかれ、小さな星よ!〉

  • 少し難しいけど、何回か読むとわかる。

  • 30年以上前に読んで、感動した記憶が。娘にも読ませたくてもう一度読んでみました。
    いやー、ショック!ストーリーを全く覚えていない。
    こんな難しかったんだなぁ。あの頃は、汚れてなかったんだろうか。

    かめのカシオペイアがいい味出してた。
    モモは、どんなに素敵な人生を送ったのでしょうね。

    時間は大切だけど、ゆっくり流れる「時」こそ大事にして、丁寧に生きていけたら幸せだね。これから、そういう時は、モモを思いだそう。

    娘にはまだ難しいかなとも思ったけど、とっても純粋なのでさらりと感動 しちゃいそう。

    再読も良いですね。新たな読書の楽しみ方を教わりました。

  • あるビジネス雑誌の裏表紙に、「成功する人は、週末を無駄にしない。」という広告がありました。私はそれを見るなり「この時間どろぼう!」という気分になり、『モモ』を読むことに決めました。

    『モモ』は、小学生時代、日本語補習校の図書室にあった蔵書の中で一番記憶に残っている本であり、
    2020年に読んでよかった本ベスト5には入る『ゆっくり、いそげ』で著者が取り上げられていて感動の再開を果たした本であり、
    再読したいとは思っていたんだけど、ついにその想い果たしました。

    「忙しい」は「心が亡くなると書く」。そんな言葉が耳に痛い今読んで思うことは、シンプルにやっぱり『モモ』は面白い!ストーリーにのめり込めた素敵な時間でした。モモ、ありがとう。

    あと余談ですが、物語に登場するカメの名前がカシオペイアで、「あれ、時計のブランドもCasioだからギリシャ語で時間を示唆する何かなのかな?!」と思って調べたら「Casioの由来は創業者の名前の樫尾」でした。

  • ずーっと知ってたけどずーっと読んでこなかった本。
    そしてドラマ「35歳の少女」でモチーフとなっていたので手に取った。

    児童文学作品だからすぐにさらっと読めるだろう…と思っていたけど、360ページという、小学生が読むにはかなーりボリュームのある本だった。
    だけどハリーポッターとか読むんだし、本好きな子にとっては大したことないのかな?


    時間が「聴こえる」女の子モモが、時間どろぼうに立ち向かう冒険小説。

    時間の大切さと、想像力の大切さ。
    子どもの頃よくしていた「空想」って、大人になるにつれいつのまにか全然できなくなったなあと気づく。

    誰にも操られない、自分だけの時間を大切にしよう。
    自分でしっかり操れるようになろう。

    子ども向けに限定してしまうにはもったいないくらい濃い内容で、むしろ忙しい現代社会を生きる大人向けの作品のように思えた。

  • 「時間」をテーマにしたファンタジー。名作です。

    私が生まれたころ、1970年代の作品ですが、まったく古さを感じない、まるで現代のこと、あるいは、これからの未来のことを描いたような、不思議なお話です。

    「時間」は誰にも平等に与えられた大変貴重なリソースで、誰もがそれを蓄えることも、増やすこともできない、大事な大事なものです。

    しかし「時間」の価値を、人は常に考えます。

    無駄を削り、効率を高め、「時間」の価値をどんどん高めようとしています。

    しかしそこで高められた(ように見える)「時間」の価値は、果たしてすべての「時間」に対して平等に還元されているのでしょうか?

    誰かにとって大事な「時間」、貴重な「時間」は、その人にとって、大事であり貴重であって良いもので、誰もが、誰かにその「時間」の価値を評価され、無駄だと他人に判断された「時間」をその他人に奪われるようなことはあってはならない、そんなことを考えさせられる、なんだかとっても不思議なお話です。

    心の豊かさは、経済的な豊かさとは必ずしも一致しません。

    「時間」の価値を、誰かの尺度ではなく、自分自身の尺度でしっかりと見極められる、そんな心の豊かさを持ち続けたいなと、モモを読んで思いました。

  • 言葉が熟すまで待たないといけない…という部分が、何度読んでも印象に残ります。
    星の声に時間の花など、美しく壮大な情景が大好きです。
    翻訳本なのに日本語が綺麗で、特に各章のタイトルがいい味を出しているな、と思って読み返しました。

  • 「時間」が様々な言葉で描写されていて、すごくきれいだった。
    最初引き込まれるが、先の長さに途中挫折しかけて、7章あたりから再び入りこんで読んだ。本が好きな人なら人生で1度は読んでおきたい1冊かも。

    世界中を旅した友人に、日本は時間の流れが速いのだと聞いたことがある。また、鬱病の発症も多いのだという。まるでこの物語の町の人たちのようだ(笑)「時間を大切に」という言葉はよく言われるが、本当に時間を大切にするとはどういうことか考えさせられた。人間85歳まで生きたとして約27億秒、大切に使いたい…「じぶんの時間をどうするかは、じぶんじしんでしかきめられない」のだから。
    仕事や日常に追われていて毎日忙しく本を読む時間がない!!という人にほど読んで欲しい。

  • 大人の童話。大人も子供も夫々の体験、考え方から、どちらも楽しめる内容である。人間の根源に迫るテーマである。標題の表すとおり、時間がテーマの重要な部分を担う。すべての人間にとって与えられた時間は平等である。そこに時間をためるという発想がまず、面白い。自分にとって大切な時間を他の仕事に振り替えて、無駄をなくす。それは人間性をなくしてしまうことに等しい。効率が優先されることは、子供たちの未来の時間をも奪ってしまうことになる。友達と友情や信頼、独創的な発想など。まさに、現代文明社会の批判ともとれる内容だ。失われてしまった、時間をもとに戻すことはできない。文明とは、便利になった。しかしそれに伴いなくしたものを取り戻すことはできるが、それが必要であるか(時間の花)生きがい、個性。育てることの手間。そして、人それぞれで違う、また、枯れる。

    カシオペア、亀なのでなぜ?近未来が見える。

    灰色の男たち、時間の花を保存矢印タバコにして吸う。個別の特色ない男たち、1が全体を表し、分裂する?

  • 自分にとっていい未来を思い描いたはずなのに、気づけば常に忙しなく慌ただしく、効率のみを重視して、大事なものを見失って生きてはいないだろうか?と自分の生活を省みた。
    切り詰められた人生に楽しみなど存在しないのだ。
    美味しいものを楽しむ時間、人々と語らう時間、自分の決めたことをしっかりやり抜く時間。どんな瞬間も大切な、削ることのできない尊い時間。それを知っているモモは賢い子どもだ。
    時間のみなもとを見るシーンが好きだった。生命の誕生と死のかたわらで鳴るさまざまな音を「鳴りひびく光」と表現するところが美しかった。
    あとがきまでも夢に満ちていて完璧だと思った。大人も時間を遡って子どもに戻って、モモと一緒に冒険できる本だ。

  • ミヒャエルエンデの『モモ』。
    高校生の頃、大学の先輩に家庭教師をして貰っていて、悩み相談をはじめ色々な話をしていました。理系で地頭がよく、穏やかで優しくて……クウガでオダギリジョーが演じてた五代くんに、ミスチルの桜井の顔を足したような人でした。
    「子供の頃に好きだった本」の話をしてて、先輩が教えてくれたのが『モモ』。当時の私は『ネバーエンディングストーリー』の作者だってことも知らなかった。今考えたら、丁度エンデが亡くなった頃だったかもしれない。

    以来、読みたい本のひとつではあったものの、『100分de名著』で取り上げられてたので「くそー!」と思いつつ、番組は録画しておいて見ずに読むことにしました(前半の2回は観た)。


    ひとことで言うと「行きすぎた文明批判のファンタジー」で、哲学的な内容。そして時間どろぼう、灰色の男たちが、世界をディストピア化していく……映画版『モモ』の映像を見ても思ったけど、テリーギリアムの『未来世紀ブラジル』のよう。あるいはテーマは違うけれど、クレヨンしんちゃん『オトナ帝国の逆襲』のようでもある。

    舞台は歴史のあるローマ?、エンデはドイツ人、のちのエンデの奥さんは日本人と、なぜか旧枢軸国を連想した。この三国は大戦中の家族や子供の政策も共通してたり、戦後復興を遂げた……特に日本はがむしゃらに働いて景気が良くなったし、一般的に言われるドイツ人は勤勉という点も近い。
    『モモ』が書かれたのは1973年なので、行きすぎた文明批判についてはすごく頷ける。社会が豊かになる一方で、我々は大切なものを見失っているのではないか、と。

    モモの特技は「人の話をすごく良く聞くこと」「遊び方を発明すること」。これは子供だけではなく、大人にとっても大事なことだと思う。「人の話を聞く」スキルに関しては、モモはまるでカウンセラー。

    マイスター・ホラの家にて「時間のみなもと」を見るモモ。振り子と花の場面。これは輪廻転生で、西洋というより東洋哲学ぽい。その旨、中国哲学史なんぞを専攻してた先輩に訊いてみると肯定して貰えた。
    が、最終的にマックスヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の話にまで発展してちんぷんかんぷんになってしまった笑。

    前半、モモが遊びを発明するところはとても楽しかった!アルゴ探検隊、アルゴノーツの話……オデュッセイア?このへんも深く検証すると面白そう。
    しかし後半は読み物として若干飽きてしまった……笑。他の本を読んでから、一周回ってまた読み返したいところです。

  • 人生で読んだ中で1番好きな本だ、と、初めて読んだ小学生の頃に思って以来、これまで人生の様々な場面で何度も読み返してきた、私にとってとても大切な本です。

    年齢を重ね、仕事を始め、日々仕事に忙殺される中で、どうしても、「『圧倒的なスピード』に価値がある」という認識の下、無駄を省きたい、効率的にやりたい、時間を取られたくない、ということを無意識に、優先的に考える様になりました。

    やはり全てのことにたっぷりと時間を使うことは出来ず、時間は有限です。
    大切なことを見失わず生きよう、と、小学生の頃に純粋に思ったことは、今では、何が本当に大切なもので、何が大切ではないことか、を見抜く事も難しくなり、人生の時間をどの様に過ごすか、迷ってしまっている最中です。

    ただ、灰色の男たちの様に、自分たちのため(最終的には自分が生き延びる、自分個人のため)に時間を使うのではなく、モモやジジ、ベッポの様に、自分の大切な人のために使う時間、自分の大切な人と過ごす時間、が、やはり、自分にとっての本当に大切なものになるんだと思います。


    『時間』の概念について、初めて考えてさせてくれたのが、モモでした。
    人が生涯の中で過ごす時間の一瞬、一瞬に、読む人なりの価値と意味を考えさせてくれる本だと思います。
    『この世のものとは思えないほど美しい時間の花』が、一人一人のために、その一瞬一瞬のために咲いている、という光景は、孤独な気持ちを感じていた頃の自分にとっての希望にもなりました。

    これからも、大切に読んでいきたいです。

  • 児童書ならではのワクワク感が続きを早く読みたいと思わせる

  • 近代社会の抱える闇を具象化したような「灰色の男たち」。
    人にとって「時間」とはなにか。

    この世界の成り立ちへの
    強い批判精神と哲学を表わしながら、
    子供まで楽しめるような最高にワクワクする
    冒険活劇に仕立て上げる。。

    これほど極端な両立は見たことが無いかもしれない。
    敢えて近いものを挙げれば、宮崎駿作品が連想された。

    エンデという人の才能ももちろん、
    背景にはドイツのメルヒェンという文化的土壌の
    分厚さ、豊かさがあるのかもしれない。

    読んで驚嘆してしまった一冊。

  • 小学生の頃に映画を見たことがあって、原作をようやく読めました…

    読んでよかった!

    最初は、

    いたれりつくせりに完成されたおもちゃは、子どもが自分で空想を働かせる余地がない、

    とか、そういう文になるほどなーって感心しながら読んでいたのが、
    途中からは、ドキドキしながらモモの活躍を目で追っていました。

    カメのカシオペイアが好き!


    時間ってなんだろう。

    マイスター・ホラは言いました、

    「…光を見るためには目があり、音を聞くためには耳があるのとおなじに、人間には時間を感じとるために心というものがある。…」(p.211)

    なんて素敵な言葉!

    そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじ!!

    このいま過ぎていく一秒一秒に、美しい花が咲いているのだと思うと、命って尊いな、と感じました。

    節約、時短、すればするほど忙しくなっていく、いつしか追い立てられて生活している…
    身につまされます。

  • 時間をぬすむ灰色の男達に立ち向かう不思議な女の子モモのお話。時間がなくなって、お金が増えてどんどん忙しくなって、心も友達も楽しみも失ってしまう…というところは現実とオーバーラップしてしまいます。ファンタジーで子供向けに書かれてはいますが、大人が読んだ方がメッセージを強く受け止められるかも。でも、こどもにはこどもの読み方があります。登場人物がみんなとても魅力的でメッセージを超えて大人もこどもも楽しめます。

  • 小さい時に読んだらどういう感想を持つのだろう・・・

    時間について、大人が読むとはっとさせられるような言葉がちりばめられていました。時間に追われて仕事をして、生活が豊かになっても心が死んでいったら、生きている意味ないかも・・・と思わされました。
    時間どろぼうも的を得たことを言うから驚きです。確かに世界を人間のすむ余地のないようにしたのは人間だ・・・最後の一体が消える時、敵ながら悲しかったです。「これでいいんだ」ってどういうことでしょう。

    最後のモモの挑戦はすごいスピードで読みました。ベッポにあえてよかったです・・・
    マイスター・ホラが紳士でかっこいい!
    物語のしめくくりの文章がいたずらっぽくてとても好きです。挿絵も素敵。

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