(株)貧困大国アメリカ (岩波新書)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314301

感想・レビュー・書評

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  • 急速な民営化により崩壊しつつあるアメリカの医療・農業・酪農・公共サービスについて詳細にレポートしている本。著者である堤氏の取材力がハンパなく凄い。医・薬・農・酪にまたがる21世紀版の巨大コングロマリットが、アメリカのみならず、多くの中小国家を呑み込もうとしている様子には薄ら寒いものを感じた。それに、財政健全化のために公共サービスをカットした結果、刑務所を維持できなくなり、自由の身になった投獄者の楽園と化したデトロイト市とか、公立学校が閉鎖され、教育を受けられるのはプライベートスクールに通える富裕層だけ、とか、もはや「自由と正義の国・アメリカ」は地に落ちたとしか思えない。もちろん、本書はネガティブな側面しか書いていない面もあるけれど、過度の競争原理の行き着く先がこれだとすると、日本としても、過度のアメリカ追従は考え直さないといけないかな。(55年体制のころの日米関係は、対米追従と見せかけて、うまいこと面従腹背でやっていたという気が、最近している)

  • なかなか面白かった。

    オーガニックスーパーのホールフーズを悪役としてとりあげていたが、
    ちょうど、並行して「経営の未来 イノベーションをマネジメントせよ」を読んでいて、そこでは、経営イノベータの成功者としてとりあげていた。
    どちらが正しい、といったものでもないのだろうけど、どちらに共感するかで、1%側か99%側かが分かるかんじか。

    書いてあることが本当なら、恐ろしいこと。

  • アメリカ(だけではない)の1%の企業・株主。普通に暮らす99%。格差は見えない(表に出てこない)中で確実に進んでいる。そのことを、具体的な例も豊富に挙げて訴えられています。少々過激に書かれていると思いますので、そのまま鵜呑みにするのではなく、しっかりと自分の言葉で考えていく必要のあることです。過激に書く必要のある切迫した状態ではあると思います。
    努力すれば報われる。それはそういう世の中に自分たちでしていかなければなりません。勝手に世の中はそうなりません(儲けようとする人が儲かる仕組みに熱心に取り組んでいる限りは)。最後のエピローグで、世の中を変える運動がいくつか挙げられています。その動き、しっかりと目を向けていく必要があるのだと感じました。

  • よく知ってる企業も出てました

  • 政府とマスコミが企業に買われ、一般人が知らない間に企業に有利なように法律が変えられてゆく。しかも表面的にはわからないように…政治に無関心であることの恐ろしさを思い知りました。一方、この本の内容をすべて鵜呑みにはできません。そうでなければ、本の中で紹介されているような情報操作されている人々の二の舞ですから。

  • これは日本が目指している社会の姿なんじゃないのか。ディストピア。

  • 何を食べればいいのか分からなくなる、ある意味ホラー。TPPの行方がますます不安になる。

  • 力作。
    このシリーズ、良書。
    アメリカの貧困、そうとう酷いらしい。日本も既に、始まっているように思う。アメリカのようになるのか。
    どうしたら良いのかは、書かれておらず、残念。

  • アメリカの政治・経済は超巨大企業たちに牛耳られているのだよ的な本
    いわゆる1%vs99%の話ですね

  • 養鶏のシステムが氷つく。

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著者プロフィール

堤 未果(つつみ・みか)/国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒業。ニューヨーク市立大学院国際関係論学科修士号。国連、米国野村證券を経て現職。米国の政治、経済、医療、福祉、教育、エネルギー、農政など、徹底した現場取材と公文書分析による調査報道を続ける。

「2021年 『格差の自動化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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