スタープレイヤー (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.62
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本棚登録 : 966
感想 : 181
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041019245

感想・レビュー・書評

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  • 願いがかなうことと、まったく違う世界で新たな人生を生き抜くことが出来るならば、どう生きるのか。そう考えて今を生きてみれば良いのかな。
    職場の素敵な先輩に教えていただいた作家さん良かったです。

  • 表紙の雰囲気からもうわたしの知ってる恒川さんの作品とは違ってるのかなとは思いましたが、まさかここまで作風が違ってるなんてびっくりです。こういう作品も書くんですね。鳥籠の行は少し雰囲気あったけど。
    最初は自分のことばかりだったけど、途中から人のためにスターを使う主人公。最後の一つが取ってあるのがまだ続きがあるのかと期待させられる。あ、あるんですね。読まなくちゃ!
    自分ならスターが10あったらどうするかなぁ?でも家族への依存心強いから、この世から離れて生きてく自信無いし。

  • 10個願いが叶う世界なんてすごく贅沢。でもやっぱり争いはおきる。争わないなんて無理なのかな。
    2016/1/30

  • おおぅ、恒川さんや~っと、手にとる。
    表紙からして、ちょっとファンタジーやー。

    お話が最終的にどこに向かうのか、結構ギリギリまで、
    ドキドキしながら読んだ。

    なんかいろいろ人生つまずいちゃって、はあってな感じの女性が、突如「あたりました!」で異世界に。
    (白い変な人、なんか銀魂の男女入れ替え話にでてきた変な集団の人みたいだ。)

    スタープレイヤー。
    10個の願いを叶える力を与えられ、彼女は異世界でどう生きるのか。
    まず10個とはいいつつも、うまーく申請できれば、
    一度にいくつもの願いを叶えることができる、という設定が面白い。
    何をしたいのか、どうしたいのか、具体的に、こと細かく、そーゆー願いの仕方って、なかなかないよなあっと。
    町ひとつ作り上げた上に、死んだ人間も生き返らせちゃったり。なかなか大胆。

    自らの過去におこったことの真実が結構意外とゆーか、
    ほんっとくっだらない奴がでてきて、驚いた。
    もっと、シリアス(?)な展開になるかと思いきや、
    ほんっとに、どーしよーもない事実。
    さらに、マキオさんとの出会いで、
    帰るという選択肢はないのだ、ということにまたびっくり。主人公がコピーである、というこれまたなかなかな設定。
    その後は結構穏やかな時間。
    だが、恒川さんだし、このままのほほんファンタジーで
    終わるわけないよなあっとこっから、どーゆー展開になるのか、思わずラストをちら見したいのを我慢しつつじりじりしながら読みつづける。
    そして、なにやら不穏な人物登場。
    ぎゃーきたーっと思う。
    でも、まあ、不穏な展開ではあったが、
    結構あっさり解決し、ラストも大円団的でよかったよかった、と読後感よし。

    あーおもしろかった♪

  • 素晴らしきリーダビリティで飽きさせない。さすがは恒川さん。人間の欲望や身勝手さを描きながらも、ラストはまだ続きが読みたいと思うような爽やかさに満ちていて印象的だった。スタープレイヤーという特別な力の説明が一切されず、続編があるのでは・・・というかぜひ読みたいと思う。

  • おおまかに言ってMMORPGの話、でいいのかな。
    カタカナでスタープレイヤー。あらすじ等何も知らずに読み始めたので、この「プレイヤー」はplayerなのかprayerなのかと考えていたが、両方。
    神様のような高次の存在に(無作為に?)選ばれた主人公や他の登場人物が、地球とは違うどこかの星(アイテムや世界の仕組みがゲームっぽい)で10の願いを駆使して自由に生活することができる。
    物語としては、この設定で思いつくような内容が順当に展開する感じ。すごく驚かされる場面やどんでん返しみたいなものはなし。
    恒川光太郎の作品は夜市からずっと、多くの作品に於いて、主人公が日常(主に読者が普通に暮らしている現代日本)から非日常(ファンタジー世界)へ行くことが主なテーマで、読みながら「自分がこの境遇に置かれたらどうするだろうか」と考えながらページをめくるのが楽しい作りになっている。最後は日常に戻るんだろうなと思うような世界観でも、戻らないことが多い印象。設定が王道ファンタジーでもぎょっとするような痛々しい描写が急に出てくるのも特徴か。
    見開きにした右ページ上に残りのスター(願い事)の数を★マークで表示するアイデアが紙の本ならではで良い。

  • 異世界の在りようがくだらなすぎる。
    現実離れしているにも関わらず、ファンタジーにも徹しきれていない。出来の悪いRPGのようだ。
    会話が下手なのはいつものこととして、案内人のくだけた口調もまた気に入らない。

    恒川さんは「指輪物語」ではなく、「遠野物語」的な世界観の中でこそ力を発揮できると思うのだがなぁ。

  • これは…最初は面白かったんだけど、ネットゲームの世界に入ったような訳のわからない戦いが始まった時点で相当萎えました。世界観がよく分からずもう斜め読み。ごめんなさい。

  • 面白かった。

    突然異世界に呼び出されて、願いを10個叶えられる。いくつか制限があるのだが、生活設備付きの街を呼び出すことまで可能。
    さて、限度が10個ということで、際限ない魔法と欲望の繰り返しではなくなっている。ある程度の形をつけないといけない。

    “もう二度と見ることも触れることもできない世界の夢を、たまに見る。アスファルトの道。電柱。たくさんの看板。”

    そこで願われるのは、文明という形で積み上げられたものを自由にすることか、自分が干渉されないようにすること。
    この設定で、著者は人の欲望というものの形を描くことができる。そしてそれは、それを一人が好きにしたいのであれば魔法を使わねば叶わないのであるが、文明という名前で人々が願えば実現されてきたことであったりもする。
    人は自分の内的世界と外的世界を同じ大きさで認識していると思う。宇宙が自分と同じ大きさだと思っている訳ではないのだけれど、「宇宙」を考えるとき、その「宇宙」は自分の内的世界の更に内側にあるから。
    そこで僕は現実の世界でも宇宙と対等であろうとする。どうしたらそうなり得るか、宇宙に生きていることの意味を見つけようとする。

    夏に続編が出るそうだけれど、ここからは本当に構想力が問われるはず。

  • 表紙をめくって、ファンタジーにありがちなこの世界の地図が描いてあって、おっ、こりゃいつもの恒川作品と違うぞ、と身構えた。
    いつもの恒川作品を求めている人には物足りなかったかもしれませんね。どちらかと言えば、私が普段馴染んで読んでいるファンタジー作品に近い。異世界に呼ばれました型ファンタジー。でも主人公は34歳で左足が不自由で無職でバツイチ、という変わり種作品。新境地って感じだ。ものすごい冒険だったろうな。
    いつどんでん返しが来ていつもの恒川作品のあの後味の感じになるのかなーと身構えてたけど、別にそんなことはなかった。世界観もきちっと作られてて良いファンタジー読みました。主人公が足が不自由になった経緯とか、その犯人あたりの話が、ああこれこれ、これこそ恒川作品、みたいな気分になります。
    ただ、幽の存在が万能すぎたかなと思ったので、星ひとつ減らしました。

    レビュー読んだら続きがあるっぽい?待ちます!

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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