新装版 人間の証明 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041753606

感想・レビュー・書評

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  • ミステリなどはあまり読まないけどけっこう面白かった。
    すごく読みやすかった。
    まあラストはそこかよ!と思ったけど、それもありかな。
    今読んでもぜんぜん引けを取らない話だと思う。

  • 日本で異邦人が殺害された。
    犯人は?
    母親の愛情を軸にそれぞれの物語が最終的に結びつき、犯人が明らかに…、というお話。

    いろーんな話がうまーく最後にまとまりすぎでは?感がある。
    けどそれぞれの抱える思いや感情はつらくてせつなくて、胸にずんとくる重さを持っています。

  • 自分の中に残っている人間性を証明するために・・・。 ラストにタイトルの意味がわかる。素晴らしい小説。サスペンスとしても非常に面白い。

  • 4.5

  • 想像ではもっと硬質なイメージでしたが、読んでみると味わい深い作品でした。家族愛とか人間愛とか。霧積温泉の美しい描写に哀愁をかきたてられました。クールな棟据刑事の内に秘めた熱さが素敵です。

  • 人間の証明は映画やドラマを見たことも無いし本も読んだこと無いのに、死にそうな振りをしながら「ストーハ」という遊びをしょっちゅうやっていた訳だが、読んでみたら実に面白かった。松本清張のゼロの焦点と同じような進駐軍相手のパンパンの現在と過去がテーマになっているのだけど、親子の絆を「人間の証明」として絡めたこっちのほうが感動した。

  • タイトルで興味をもった本。
    どこか後ろ暗い登場人物が多い。
    人間とは、自分が抱える闇に突き動かされており、
    表面的には正義であったとしても必ずしも内面まで正義ではない。
    読み始めではそんな結論を導きたいのかと連想させられる。

    後ろ暗い人々が紹介されるいくつかのバラバラのエピソードが、
    話が進むにつれて集約されていく。
    それは多分にご都合主義なところが強いけれども、
    世界は案外そういうものなのかもしれない。

    結局、物語の中の彼らは概して負の衝動に駆られて生きている。
    復讐する、逃げる、嘘をつく、見捨てる、、、
    棟居刑事も、八杉恭子も、恭平も、ケンも。

    ただ、最後の最後に、著者の言う「人間」が顔を出す。
    人間はつまり、最終的には心の奥底に誰しも持っていて
    それこそが人間の人間たるゆえんである。
    人を信じたい、という気持ちが

    この小説の時代背景、どうだったんだろう。1970年代。
    高度成長に続く中東戦争、ベトナム戦争、オイルショック。
    経済成長の一方先の見えにくい経済情勢を真っ只中。
    戦後から継続する大きな変化により発生した人間関係の歪みに一石を投じたい、
    忘れかけられている情念を人は持っているし、そのことを認識すべきだという著者からのメッセージだと想像するのは
    短絡的かつ先入観にとらわれすぎだろうか。

    しかし、最後は何を伝えたかったんだろう。
    なぜあのシーンを最後に持ってきたんだろう。
    難しい余韻を残す終わり方だった。

  • あまりに有名な作品ですが今まで読まずにおりました。
    実はこの表紙ではなく、人間の目のアップのような表紙なのですが見つからなかったしまあこちらで登録します。
    姉が高校生の時にこの本を読み、偉く感銘を受けたらしく当時中学生だった自分にあらすじを微に入り際に入り説明してくれた記憶があります。ご丁寧に絵解き図まで書いてくれて。その後、読んでみたら、と言われたのですが犯人が分かった状態で読む気にならずそのままずいぶん長いこと放置しておりました。

    お母さん、あの麦わら帽子どこにいったでしょうね、と言うフレーズだけはあまりに有名ですが西条八十の詩とは知りませんでした。
    全編を通じて人の想いが丁寧に描かれていて最終的にここに着地するんだ、と最終ページを読み終えた時ため息をつきました。
    なるほど名作だなあと思いました。

  •  昭和52年、東京の高層ビルの展望レストランで一人の黒人ジョニー・ヘイワードが殺された。彼が残した言葉「ストウハ」と「キスミー」。そこから棟居刑事は西條八十の詩になぞらえた悲劇的な事件を紐解いていく。
     ジョー山中が亡くなったのをきっかけに読了。

     このストーリーの登場人物は追われるものも追うものも、誰もが家族や昭和という時代の被害者だ。 そういうものに対する憎悪やそれでも家族や人間を信じたいという葛藤の中でそれぞれの登場人物が動いていく。
     いくつかの事件が並行して進んでいき、それはそれで面白いが、全ては棟居刑事が容疑者八杉恭子の人間性に賭けるというラストの為の壮大な布石の様に思えた。
     棟居刑事のあの有名な「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね...」の詩の朗読。それに応えて落ちる八杉が語る真相。ジョニーが刺された場所から高層ホテルまで向かった本当の理由...。このラストシーンをipodで購入した「人間の証明のテーマ」を聞きながら読んだ私は、職場の休憩時間なのに号泣した。。。

     人の醜さ、憎悪、そしてその中に隠れながらも小さく光っている愛、人を信じる心を描いた昭和の最高傑作。
     映画も原作も文句なく素晴らしい。 

  • 何年か前にドラマやってて見てました。竹之内が常に暗い顔してた・・・。

    東京で起きた黒人殺人事件から始まり、色んなサイドストーリーが複雑に絡み合って最後はキレイにまとまってます。まぁ若干出来レースな感じもあるが・・・。

    西条八十の詩が良い味出してます。
    上質なサスペンス。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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