ダブル・ジョーカー

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048739603

感想・レビュー・書評

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  • 現役スパイだった頃の、若き結城中佐のお話!超ツボ!!
    敵陣にて拘束されてしまった彼の脱出劇!
    カッコイイーー!

  • クールな表紙で近寄り難かったのですが、読んでみたらとても面白くてすっかりこのシリーズのファンになりました。
    戦時下に作られたスパイ養成所「D機関」。
    超優秀なスパイたちの暗躍は痛快です。
    ありとあらゆるスパイ教育を受け、万能の人間に思えるスパイたちですが、任務を受ければ、ひっそりと目立たず周囲にとけ込んでおり、当然能力をひけらかすことはありません。カッコいい(^ ^).
    戦局や各国の思惑などが交錯する中でのだまし合い、探り合いが面白く、仕組まれたからくりは、後からなるほど〜と感心していました。スパイ小説初心者なもので…(^ ^);.

    アクシデントがあった時、自分自身で考え切り抜けるという部分に感銘をうけました。
    「ブラックバード」より引用
    求められているのは、結局のところただ一つであった。
    言葉にすれば、それは「何物にもとらわれず、自分自身の目で世界を見ること」であり、言い換えれば「自分自身の肉体のみを通じて世界を理解すること」だった。

  • ジョーカーゲームの続編
    軍律のスパイ組織、結城の過去、スパイに操られる側、スパイの死、過ちが描かれる。

    各国のスパイ同士のスピード対決。相手よりも一歩遅れただけで命取りになる。
    真珠湾攻撃は日本の宣戦布告が遅れ、奇襲と言われるが、米国の諜報員が既に情報を掴んでいたとしたら、、。

  • 陸軍秘密諜報機関D機関、すなわちスパイの話で、スパイのプロぶりを丹念に書かれるのは面白い。切り口、舞台が色々でどこでこうした設定を思いつくのかと思うが、裏の裏を書いていく展開や、意外性、ミステリ的興味が十二分に織り込まれていて、スタイリッシュな語り口にリーダビリティは抜群でした。
    こちらは続編なので、最初の「ジョーカー・ゲーム」も読まなくては。同時に柳 広司はチェックです。
    このミス10年2位

  • 映画で人気も出ただろうし、借りにくくなりかなと予想して
    シリーズの3冊目までは借りていた。これが2冊め。

    1冊目は期待しすぎて

    「なんだ。もっと面白いのかと思ったのに。」

    とぼやいたけれど、2冊めになってやっとこれならと思う。
    著者は第二次大戦中の、海外のほうが筆を進めるのには
    楽なのだろうか。

    この本の冒頭の伊豆を舞台にした話に比べ
    海外を舞台にしたほうがグッと面白くなっている。

    確かに、もうちょっとそれらしい描き込み方で舞台を描き
    脇役を活かして欲しいという恨みは残る。

    数々の海外ミステリや
    例えば「深夜特急」など既読の読者なら。

    でも、ステレオタイプの舞台も、これはこれでいい。

    例えば戦時中のハノイの懶惰で何かが暗躍していそうな
    感じを描くのに、私達が、こういう感じだろう、と一番想像
    しそうな描写をする。

    ナチスの軍人・スパイはこうだろうという描写をする。

    私達は自分の想像の追いつく埒の中で、セットのようだと
    文句を言いながら、「安心して」起きている事件を眺め
    面白がっていられる。

    私達は作中の事件の傍観者であり、観察者なのだ。

    スパイ行為そのものが上手く行かなかったように見える。

    D機関に踊らされ、あるいは捕縛される側から事件を
    垣間見る。

    過去を暴き立てられ、主人公側が一枚上で良かったと
    胸を撫で下ろす。

    そして…遂にD機関員といえども狩られてしまった男の姿も
    描かれる。

    これら、1冊めに比べて、スパイ行為によって
    一見なんでもないのに追い詰められていく様子は

    明らかに「ひやり」と襟に一瞬冷たい手がかかった
    緊迫感を増して私達に届けられる。

    一見複雑そうな登場人物たちを、わかりやすく私達が
    飲み込む。

    そのために、ステレオタイプの『ああ知ってる」
    という既視感を持った舞台を描いて、雰囲気に
    簡単に誘いこんんでくる。

    なんのために?

    私達を

    「既視感のある事件現場の片隅で、安全に守られながら」

    「当事者でもあり傍観者でもあるもの」

    として覗き見させる…。

    登場人物をスパイさせ、自分の標的が「ひやり」とした手に
    触れたのを追体験させるための仕掛けだとしたら。

    ホントに秀逸。

    え?そうじゃなかったら?

    ううん。いいなと思うところはあるんです。
    プロ作家の本だし。上手くなっていただきたい。

    少なくとも最初の1冊めよかよほど面白かった。

    結城中佐の過去の話は特にいいです。
    もっと書けるだろとは思ったけど、あった方がいい。

    少なくとも次も読むことにはなりました。

  • 何だろう。このシリーズはオチが分かるので、安心して読んでしまう…

  • 「ジョーカー・ゲーム」の続編。やはり面白かった。設定が秀逸。ひやりとする、熱の感じられない抑えた文章がいい。

  • 「ジョーカー・ゲーム」続編。
    D機関と対立する風機関の長が主役の表題作など
    最後の書き下ろし以外は全てD機関以外の人の目線なのが面白い。
    乾いたスタイリッシュさが売りだろうけど
    ここに数滴だけ水をしたためた長編を読んでみたい。

    【図書館・初読・8/18読了】

  • 『ジョーカー・ゲーム』の続編。
    それぞれの短編に出てくるD機関の工作員はあくまで仮名で、主人公になる時もあれば脇役としてストーリーを動かすこともある。でも必ずその背後に「魔王」結城中佐の影が見えている。この作り方がすごい。

    結城中佐の過去も載っているというので期待して読んだのだけど、いい意味で期待を裏切ってくれました。こういう書き方されるとは(^_^;) しかも左手は「拷問で」失ったってこういう・・・(~_~;)

    もっと続かないかなぁ。楽しみです♪

  • ジョーカー・ゲームの続編

    今作は
    D機関と対立する風機関との対決や
    魔王・結城中佐の現役時代の話など
    5つの短編を収録した
    前作同様
    スタイリッシュで疾走感のある作品

    読み始めたら止まりません


    続編期待したいけど
    もうないかな…

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著者プロフィール

一九六七年生まれ。二〇〇一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で第十二回朝日新人文学賞受賞。〇八年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞。他の著書に『象は忘れない』『風神雷神』『二度読んだ本を三度読む』『太平洋食堂』『アンブレイカブル』などがある。

「2022年 『はじまりの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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