ガリア戦記 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061591271

作品紹介・あらすじ

前五八年以降、数年にわたりカエサル率いるローマ軍が、ガリアからブリタニアにいたる広範な地域をローマの勢力下におこうとして遠征を試みた貴重な記録である。当時のガリアやゲルマニアの情勢を知る上で必読の書として知られ、また、カエサル自身の手になるラテン語で書かれた簡潔にして流暢な文体は、文学的にも高い評価を受けている。タキトゥスの『ゲルマニア』とならぶ古代研究の最重要史料。

感想・レビュー・書評

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  • 忍耐力がなければ読み切れないと思っが、最後のアレシアの戦いは圧巻だった。

  • 塩野七生氏が著書の中で絶賛していたので試しに読み始めてみたが、読み始めた時は「それほどか?」という印象。

    塩野氏が歴史家でも研究者でもないのに歴史書のような装丁、引用でミスリードしながら嘘混じりの誤解・勉強不足の内容を平気で書くことや『ローマ人の・・』の書き方への嫌悪を差し引いても、
    1) 原文で読んでいないこと、
    2) 私が日本語・英語の優れた報告書(= より進んだ時代の洗練された形式)に慣れていること、
    3) 同時代のローマ人のレベルを知らない(日本書紀を読んだ経験から、同時代人はかなりの野蛮人であり、簡潔に系統的に書けるのはかなりの知識人、才能であろうことは想像できるが・・)こと、
    の3つの要素がネガティブな印象に影響している可能性は大いにある。


    巻末の解説や用語集から先に読んだ方が時代背景や当時のローマの制度などを知ることが出来て戦記の内容が理解しやすい。
    解説にある、カエサルの書いた原本はこの世にもはや存在せず、残る複数の写本は10世紀以降の物であることや、写本にかなりな差異があることは考えてもみなかったことで、驚くと共に納得した。
    戦記中ではガリア人が極めて薄弱に記述されているが、それも社会体制の変革期であったことなどが細く解説されておりこれもわかりやすい。
    8年間にわたる遠征の経路やガリアの部族の地図もあって、内容を理解するのに役立つ。
    カエサルとは別の著者が補足的に書いた8,9年目の部分については、解説では「泥沼に入り込んだような・・」と酷評しているが、訳者の力量か、そこまでひどくはない印象だった(ただ、それ以前の文章よりも"劣る"感じのする部分は何カ所かあった)。

    解説込みで読み直すと、
    (写本で多くの人が手を加えていることを勘案しても)これだけの文章を極めて短時間でまとめ上げるのは驚異的であると感じた。ましてや、手書きのため時間がかかり、紙(羊皮紙)も貴重で推敲も十分に出来ない時代であろうから、その点を含めて恐ろしいほどの才能を持っていたのだと感じる。
    最後まで読んでみて「内乱記」も読んでみたいと思う内容だった。

  • カエサルの文才がよく分かる1冊
    途中カエサルの死後に他者が挿入した箇所と読み比べてみると彼の文章を書く能力の高さがよく分かる

  • 紀元前後のヨーロッパについての貴重な記録。

  • ラテン語文献の傑作らしいけどラテン語読めないので和訳版ではそこはよくわからないーーーーー前58年以降、数年にわたりカエサル率いるローマ軍が、ガリアからブリタニアにいたる広範な地域をローマの勢力下におこうとして遠征を試みた貴重な記録である。当時のガリアやゲルマニアの情勢を知る上で必読の書として知られ、また、カエサル自身の手になるラテン語で書かれた簡潔にして流暢な文体は、文学的にも高い評価を受けている。タキトゥスの『ゲルマニア』とならぶ古代研究の最重要史料。

  • まずはカエサルの文才に敬服
    要点だけで簡潔にまとまっているのにも関わらず、戦闘が無意識に脳内再生されるくらいわかりやすい
    一方でローマ軍が他民に比べて優れていたことを残したかったのか、時折主観混じりの表現はある

    一冊通して、ガリア人、ゲルマニア人と比較してローマの規律と軍事教育が徹底的に定着していることがガリア征服の主要因であるという印象。他民族で構成されているから仕方ないっちゃ仕方ない。

    カエサル自身で1番印象に残ったのは、
    歩兵戦の際に彼自身真っ先に馬から降りて逃げ道を抹消したところ。そりゃあついていきますわ。

  • 世界史の授業でも習った、ユリウス・カエサルの『ガリア戦記』
    部族名や集落名になじみがなく最初は読みにくいが、
    慣れてしまえばなんということもない。
    カエサルがどのようにしてガリアと向き合ったかを知れる。
    贔屓目で見た分を考慮しても、一読の価値がある。

  • カエサルのガリア征服は目玉となる業績の一つで糸も容易く成し遂げたように誤解するが、さまざまな想定外や苦労を乗り越えていたことをリアルに認識できた。

    文面の裏側が気になるところ。どうしてカエサルはガリア人や自分たちの動きを読み切れるようになったか。どうやって味方の士気をあげたか。普段どんな言葉を部下と交わしていたのか。具体的なやり方がとても気になった。

  • 評判に違わず、おもしろかった。
    部族名は覚えにくく、ある程度スルーしながら読んだ方がいいかもしれません。
    ローマ軍はガリアを侵略している立場のため、侵略する側の視点で描かれているのでその部分がノイズになるかも。

  • 戦国時代が好きな人におすすめ。ローマ帝国とガリア人の戦いが淡々と描かれているのだが、下手な歴史小説よりも断然面白い。

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