1973年のピンボール (講談社文庫 む 6-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061831001

感想・レビュー・書評

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  • 青春を描く三部作のうち、第二弾。

  • いつものように春樹らしさ溢れる一冊。どうやら三部作らしいのだが、前作読んだのが昔すぎて色々覚えていなかったことが悔やまれる。ただ、それを差し引いても独特な世界観がたまらない。

  • 青春の不安定な時代と決断について書かれた本を、「小説 太宰治」、「マンハッタンビーチ」そしてこの本を含め最近3冊読んだ。その中では、一番曖昧模糊としていた。双子について分かりにくく感覚的に附いていけなかった。1993年印刷発行の本であり、依然読んだことの記憶はほとんどない。その時にもっと読み込めば人生は変わっていたかもしれない。

    〇どこまで行けば僕は僕自身の場所を見つけることができるのか。
    〇ゆっくり歩け、そしてたっぷり水を飲め。
    〇いつかは失われるものに大した意味はない。失われるべきものの栄光は真の栄光にあらず。
    〇恐らく誇りなしには人は生きていけないだろう。でもそれだけでは暗すぎる。あまりにも暗すぎる。

  • 大学生時代の思い出。再読。

  • 文庫本持った瞬間すごく軽くて驚いた、すっごい軽い

  • 青春3部作のうちの2作目。1作目に比べるとずいぶんとしっかりした文章になっていると思った。「僕」と「鼠」のその後については次作を読まねばならないが。「僕」の翻訳の仕事の描写が面白い。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou19605.html

  • 春樹はこれしか持ってない

  • 本作を読むと、ピンボールがしたくなって困ります。

    まだ初期作品らしい、つっけんどんさが堪らない作品です。
    ぶつ切りで纏まりの無い作風も変わっていません。
    それなのにも関わらず、流れるように読めるというのはすごい事です。

    本作から、村上春樹氏の持ち味である「比喩」の巧みさが多く見られるようになります。
    ある何かを、独特の表現で見事に言い表す手法は、他の追随を許しません。

    本作の中には、村上作品の魅力を表す一文があります。<BLOCKQUOTE>文章はいい、論旨も明確だ、だがテーマがない</BLOCKQUOTE>確かに、論文としてであれば、これは致命的でしょう。
    けれど文学としては、これは長所になり得るものだと思います。
    現に、村上氏の作品にとって、これは明らかな長所です。

    とはいっても、themeが全く無いわけではありません。
    幾つかの「薄い」テーマが重なり合って、本作は成立しているからです。
    ただ、そのthemeは、一般的にはthemeにはなり得ないものばかりなだけです。

    魅力的なものは沢山あります。
    美味しそうなビールであったり、愛嬌あふれる双子であったり。
    そして何よりも、「スペースシップ」というピンボール。

    たぶん、村上作品に共通して言える事だと思います。
    どんなに言葉を尽くしても、この魅力は絶対に伝わらない。
    そこに描かれた作品を読み、その"beat"を感じなければ。
    その"beat"に共鳴できた人のみが、この作品の持つ「何か」を「飲める」のだと思います。

    決して難解な作品ではありません。
    むしろ安易で、軽くて、取りとめの無い薄っぺらい作品と言えるかも知れません。
    けれど、本作を「飲んだ」人にとっては違うのです。
    確実に「何か」を受け取り、積み重なっているはず。
    そしてそれこそが、村上作品の魅力、そのものだと思います。

  • 再読。
    この文庫の奥付は1989年2月10日第20刷発行。消費税3%が導入される前に印刷されたこの本は価格が講談社文庫のマークシールで隠され「定価はカバーに表示してあります」となっている。
    そんなに前??
    双子と一緒に配電盤を捨るシーンで終わると思っていたら、配電盤を捨てに行くのは物語の中ほど。
    再読の今、双子の存在はかわいいけれど、鼠の孤独もピンボールもちんぷんかんぷんです。

    井戸に象徴される深層心理、猫の手が万力か何かで潰されていた不必要な暴力。それですよね。

    若い頃はジュークボックスもピンボールも音楽もぜんぜん気せず、ストーリーだけを追ったのですが、今、ピンボールなんて実際に見たことあるか?と考え込んでしまった。

    印象的な文章のあるページの角を折り曲げる習慣があるのですが、ふたつ折り曲げられていました。
    「欲しいと思ったものは何でも必ず手に入れてきた。でも、何かを手に入れるたびに別の何かを踏みつけてきた。わかるかい?」だと思う。もう一つは・・特に印象的な文章を見つけられなかった。
    それにしても、25歳の男性はこんなに自立してて、お金があって、自由なんだろうか。苦しんでいると思しき登場人物たちは自分の25才よりもずっと大人でお金があって、自由に見える。車なんて持ってなくたって。
    もうひとつ。村上氏の小説の中で、草叢で行為に及ぶシーンがあるのですが、そんなことしたら虫に刺されて大変!といつも心配になります。そういうことを描写してしまうあたりが都会モンだな、って思う。

  • 正直難しかった。
    なんだか読んでいると無国籍な感じがするのに、聞き慣れた東京の地名が出てきたり、あいかわらずの不思議な雰囲気は充分あったんだけど話の内容はイマイチ入ってこなかった。
    ただ、何は無くとも村上春樹の世界を味わうには充分すぎる雰囲気のある作品なのは間違いないと思う。
    何回か読み返したらジワジワときそうな物語だった。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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