ブラフマンの埋葬

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062123426

感想・レビュー・書評

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  • あっさりと綴られていく。

  • 喪失を感じる語だった。架空であろう、4本足の動物が訪れるところから始まる。舞台、登場人物、物語(起こる事件)によってひとつの世界が繊細に、そして収束まで厳かに重なっていく。墓石や棺桶といった関わる品々が神聖なものに感じられた。

  • 小川さんの文章と描く世界がすごく好きになりました。私もブラフマンに会えないかしら。

  • 小川洋子の代表作の一つ。何作か触れたことのある、彼女らしい作品だなぁと思う。ただ、結局ブラフマンって何なんだ。手足が短くて、尻尾が長くて、肉球があって、水かきがあるって、それってどんな動物だ。私はダックスフンドしかイメージできなかったぞ。

  • とにかく、読みやすい。
    森からやってきた「ブラフマン」。
    どんな動物かは表記されていなくて、私はただ「小動物」を漠然とイメージしていました。
    ご主人様が大好きなブラフマンにほっこりv そしてブラフマンが大好きなご主人様にもほっこり。
    最後の、埋葬のシーンのイメージが、脳裏に焼きついて離れません。

  • ブラフマンとはサンスクリット語で「梵」のこと。小川洋子作品では『沈黙博物館』とこれがお気に入り。栗鼠でいいのかなー一番近い生き物は栗鼠であるとおもう。でも栗鼠は泳げないよね。それにしても切ない。愛しい。

  • とある青年の元に現れたブラフマン。
    そのブラフマンが本当に愛らしい。
    むちゃくちゃ可愛くて思わずほころんでしまう。
    特に食事するときのブラフマンはたまらん可愛い。
    こういうふうに、少しはぐれただけで
    泣きそうな顔で全力で走ってしがみついてくる、
    そんな相棒がいたらどんなに幸せだろう、と思う。

    場所は山里。
    その静かな景色と重なるような、でも確かな息づかいで進む話。
    人は訪れ、また去っていく。
    人の命もまた同じく。
    最後はかなりの切なさです。色んな意味で。
    でも最後の最後は、なぜか暖かい。

  • いまひとつ面白さが分かりません。でも表面的な面白さを追わなければ、「ある平和で静かな世界で過ごせる」本でした。

  • 「創作者の家」という、芸術家のための家の管理人と、ある日傷ついて迷い込んできた奇妙な森の生き物・ブラフマンの物語。ブラフマンの悪戯に翻弄されながらも、愛さずにはいられない主人公。主人公とブラフマンの一夏の思い出が、淡々と描かれている。淡々と。本当に、淡々と。
    これでオシマイ?
    そんな声が、頭のどこかから響いてくる。小川洋子の短編は、本当に、独特の終わり方をする。でも、その世界に浸っているのは、とても、気持ち良い。彼女の文章の中に、何も考えず、ただ身を委ねている感覚。何とも言えない、至福です。

  • 【メモ】ブラフマン=森の(謎の)小動物・創作者の家・碑文彫刻師・レース編み作家・ホルン奏者・石の棺に埋葬・娘・グリム童話

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川洋子の作品

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