ぼくには数字が風景に見える

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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062139540

感想・レビュー・書評

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  • サヴァン症候群かつアスペルガー症候群でもある著者の自伝。
    数学と言語の天才であり、数字を色や形、質感を伴って認識する共感覚の持ち主であるが、対人関係や新しい環境が苦手で日常生活に苦労する。
    πの小数点以下22514桁まで5時間かかって暗唱する(数字の風景が頭を流れていくらしい)、新しい言語を一週間で習得するなどという能力は想像もつかないが、彼がどのように世界と対峙しているかは理解できたと思う。自閉症スペクトラムな子供だった彼を、辛抱強く見守り励まし続けて育てた両親は素晴らしい。
    ただ、共感覚についての記述は思ったほどなくてちょっと残念。

  • 【メモ】
    [TED] Daniel Tammet: Different ways of knowing
    http://www.ted.com/talks/daniel_tammet_different_ways_of_knowing.html

  • 読む前に期待していた内容と、印象が少し違いました。アスペルガー、サヴァン症候群についての理解が深まるかなと思って読みはじめましたが、筆者と私はやはり全然違う世界に住んでいるんだな・・と感じてしまいました。独特で素直な文章。

  • 共感覚

    に興味があって読んだ。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    著者ダニエルは、数学と語学の天才青年です。それは、ダニエルが映画『レインマン』の主人公と同じサヴァン症候群で、数字は彼にとって言葉と同じものだから。複雑な長い数式も、さまざまな色や形や手ざわりの数字が広がる美しい風景に感じられ、一瞬にして答えが見えるのです。ダニエルは、人とのコミュニケーションにハンディをもつアスペルガー症候群でもあります。けれども、家族や仲間の愛情に包まれ、一歩ずつ自立していきます。本書は、そんなダニエルがみずからの「頭と心の中」を描いた、驚きに満ち、そして心打たれる手記です。

  • 子供の時は他人と違うということでイジメられたりしても
    大人になってしまえばそれはあくまで「個性」として受け止められ
    場合によっては長所として認められるようにもなる。

    サヴァン症候群というものがとても興味深いと思った。
    自分のコンプレックスにつながるものを
    他人の好奇心の対象にされるのは嫌がる人が多いだろうから、
    著者の意志で脳の研究をしている機関に協力していることが
    好感のもてる人だと感じた。

  • 驚くべきことに著者は共感覚という能力の持ち主である。
    さらにサヴァン症候群という能力を持ち、そのまま大人になった。
    このことは奇跡に等しい出来事である。
    さらに奇跡は起こる。著者は「本」という媒介を通して自分の世界を世の中に記すことができた。
    数字が風景にみえるという共感覚がどのような状態であるのか。
    そして生活していくうえで便利であるのか、不便であるところはどこなのか。
    わかりやすい文章で人生がつづられている。
    本書にはかかれていないが、その人生はつらく、過酷なものだったことが推測できる。
    しかし、著者はまけることはなかった。たしかに挫折を経験しているが、挫折した数よりも多く別の体験をすることで乗り越えている。
    これは障害を持つ人のみならず、すべての人類に希望を与えている。
    努力することのすばらしさ。自分を見つめることの意味を本書では示している。
    自分を知った上で、支えてくれる人の存在、つまりは愛をしることができたのも彼の成長のひとつの要因ではないかとおもう。
    自分の努力はあたりまえのように必要だが、障害に対する理解者もまた絶対的に必要なのである。
    本書を読むことで「人が支えあって生きていくことで発揮される無限の力」を知ることができるのではないだろうか。

  •  物凄く苦労したんだろうなー と想像する。

     彼が、持てる才能を生かせることができて良かったと思う。

  • 著者から見た世界のありよう、数字の風景は理解出来ないが魅了された。そして著者が描く両親の姿には胸に迫るものを感じた。

  •  自閉症スペクトラムにありながら、サヴァン症候群でもあり、さらに共感覚の保有者でもあるダニエル・タメットの自伝。
     共感覚の詳細が知りたくて借りた本だが、意図せずアスペルガー症候群の知識を深めてしまった。
    それほどまでに、自閉症スペクトラムにある人のものの感じ方、行動の傾向が具体的に描かれている。
    (騒がしい場所や人ごみを避けたり、不意な出来事にうまく対応できずパニックになる場面が作中幾度も出てくる)
     また、この本はダニエル少年の成長の物語でもある。
     思春期から他人とうまく意思疎通が出来ず孤独を味わってきたが、ハンディを乗り越えひとり立ちし、最後には社会に認められる成功を収める。
     十八歳の時、彼はなんと単身リトアニアへ仕事に赴く決意をする。今まで自分の世界に閉じこもってきた彼が一大決心をするこの場面には大いに心を動かされた。

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著者プロフィール

作家、言語学者、教師。1979年、ロンドンに生まれる。9人きょうだいのいちばん上として育つ。2004年、円周率の暗唱でヨーロッパ記録を樹立。それをきっかけに制作されたTVドキュメンタリー「ブレインマン」は40ヵ国以上で放映され、大きな話題を呼んだ。自伝 Born on a Blue Day は世界中でベストセラーとなった。日本でも『ぼくには数字が風景に見える』(講談社)として出版されて、好評を博す。その他、邦訳書には『天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界』(講談社)がある。現在は、自身のウェブサイトOptimnem で、外国語学習プログラムを展開している。パリに暮らしている。

「2014年 『ぼくと数字のふしぎな世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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